犬が肝硬変になった!?症状や寿命。治療方法を紹介

犬 肝硬変
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肝硬変とは病名ではなくさまざまな原因により肝臓が傷つき結果、機能がなくなってしまう状態です。

内臓のなかで肝臓は重要な働きをしているからダメージを受けると犬にとても重大な影響を及ぼすことになるんだ。
今回は肝硬変がどれだけ怖い状態なのかを詳しく紹介するから最後まで読んでね。

 

【犬の肝硬変】原因・症状・治療法は?

 

犬の肝硬変の原因・症状・治療法について詳しく解説します。

 

原因

一番は食生活とされていますがウイルス・寄生虫・薬物が原因の場合もあります。

肝臓は再生する力が強く、多少のダメージであればすぐに新しい細胞に入れ替われます。

一方ダメージを長いあいだ受け続けると再生能力が下がってしまうのです。

 

症状

初期症状は

  • 食欲不振
  • 疲れやすい
  • 体重減少

など他の病気でもよくあるので気づかれないことが多いです。

先ほども記述したように肝臓は強い臓器なので多少のダメージでは目立った症状が表れません。

明らかに異常が見られるのは肝細胞の80%以上が失われたときです。

 

治療法

肝硬変になると肝臓が元に戻ることはないため、対処療法が治療のメインになります。

主に処方される薬は

  1. 利尿薬
    腹水がたまらないようにするため使用し、余分な水分を尿として出すことを促します。
  2. コルチコステロイド
    肝臓の炎症を抑え再生を促します。
  3. 抗生物質
    アンモニアを分解する能力が低下してしまうため細菌を殺したり増殖するのを防ぎます。
    まれに下痢などの副作用が出ることも。
  4. しゃげやく
    便をゆるくする作用があります。
  5. ビタミン剤
    肝臓機能が低下しているときはビタミンKが欠乏し血が止まりかたくなってしまうためそれを防ぐ作用があります。
  6. サプリメント
    肝機能維持に重要なBCAAというアミノ酸を多く含むサプリメントを用いることが多いです。
薬も大事だけど食事療法もとても大事なんだ。どんな食事をすればいいのかは後で紹介するね。

 

犬が肝硬変になった場合、末期症状や寿命は?

 

肝硬変の際に見られる明らかな症状が出てくるのは末期になった状態だと言われています。

ここでは末期症状や寿命について解説していきます。

 

末期症状

  • おうだん:白目や歯茎が黄色くなります。
  • ふくすい:お腹に水がたまりふくれていきます。
  • かんせいのうしょう:混乱や意識障害・多量なよだれが見られ、命の危険性がある場合けいれんやこんすいじょうたいに陥ります

 

寿命

末期症状が見られるようになると寿命は3カ月を目安とし漢方薬を使用すれば少し延命されると言われています。

末期になるまでに発見することができれば予後は良好と言われているからできるだけ早期発見が望ましいね。

 

犬の肝硬変は血液検査でわかる?正常数値は?

 

犬が肝硬変になっているかどうかは血液検査をするとわかります。

肝臓に関係する項目は以下の通りです。

 

ALP(アルカリフォスファターゼ)

リン酸化合物を分解する酵素で肝臓・腎臓・骨・腸などで作られます。

肝臓に運ばれた後胆汁で流れ出ますが流れが悪くなった場合や臓器の壊死や修復が行われている場合に上昇すると言われています。

正常値は47~254となっています。

 

GPT(グルタミン酸ピルビン酸てんいこうそ)

ピルビン酸とグルタミン酸をアラニンとαケトグルタル酸に変える酵素です。

肝細胞に含まれている量が圧倒的に多いので数値が上昇していると肝臓の細胞が壊れていると考えられています。

正常値は17~76です。

 

GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)

全身の細胞のなかでも肝細胞・赤血球・心筋細胞・骨格筋細胞などに特に多く含まれています。

数値が高くなっている理由は上記で挙げた細胞のどれかが壊れていることを示しています。

正常値は17~44となっています。

血液検査をした時に今紹介した項目の数値をチェックしてみてね。

 

犬が肝硬変になった時、どんな食事をさせればいい?

 

肝硬変になってる時は薬と同じくらい食事が重要です。

ただし安易に療養食に切り替えてしまうのはNG。

愛犬の肝臓の状況に応じ調整が必要になるためかかりつけの先生をしっかり相談してから食事療法を行うようにしましょう。

ここではどのようなことに気をつければいいのかをご紹介していきます。

 

タンパク質量

肝臓病には良質なタンパク質をたくさん取り入れることがいいとされていますが、療養食は超低タンパク質で真逆なのです。

どうして療養食はタンパク質を減らしているかという理由は腸内でアンモニア発生の量を減らしかんせんのうしょうを防ぐということになります。

ただしかんせんのうしょうの心配がないときは基本的にタンパク質をしっかり取らせてあげるべきです。

 

脂肪量

健康な犬であれば脂肪はカロリー源となりますが肝硬変では胆汁の出が悪くなっていることが多いため脂肪をうまく消化吸収できません。

ということは結果下痢になるということです。

ですが極端に脂肪を減らすと脂溶性ビタミン類やミネラルの吸収が悪くなるリスクもあります。

療養食はしっかり計算されて適度な資質が含まれていますが手作りの際は極端な油抜きにならないようにしてください。

 

塩分量

全ての哺乳流は塩分ゼロでは生きていけないのと腹水を防ぐ意味もあり適度な塩分量は必要です。

手作りを考えている方は塩化ナトリウムの塩より、カリウム・マグネシウムをバランスよく含んでいる天然塩をおすすめします。

肝硬変の際には利尿剤が処方されているかと思いますが長く使っていると低カルシウム血症になることがあります。

これを防ぐためにも適度な塩分が役立つのです。

 

保存料

多くのドッグフードには傷んだりカビが生えるのを防ぐために保存料が使われています。

この保存料が肝臓に負担をかけているという説も否めません。

わかりやすい例えを言いますと、人間が肝臓病になるとできるだけインスタント食品を減らすよう言われるでしょう。

これと同じようにドッグフードはインスタント食品と同じ括りになるので控えるべき食品と言えるのではないでしょうか。

総合すると面倒かもしれないけど療養食には栄養バランスを考えた手作り食が一番いいと言われているよ。
可愛い愛犬のために頑張って作ってあげてね。

 

犬の肝臓数値が2000!高い原因と下げる方法は?

 

血液検査の際に「肝臓の数値が2000です」と言われたらびっくりしますよね。

先ほど記述した数値とかけはなれており危険な状態というのがすぐにわかるでしょう。

ここではどうして数値が高くなってしまうのか、そして下げる方法はあるのかをご紹介していきます。

 

肝臓の数値が高い原因

肝臓の数値が高い原因は以下の通りです。

  • 酸化した食べ物
    賞味期限切れのフードやおやつを与えていた
    ジャーキーなどを広い食いした
  • 脂質の過剰摂取
    運動不足なのに脂質たっぷりの食事をしている
    食べ過ぎ
  • 投薬
    薬は肝臓で解毒されるため負担がかかっている
  • 性格
    怒りっぽい性格
  •  

肝臓の数値を下げる方法

肝臓の数値を下げるには毎日食べる食事がとても大切です。

食事療法で肝機能を高めることができれば数値も自然と下がってくるでしょう。

おすすめの食材としては

  • レバー
  • カブ
  • パプリカ
  • にんじん
  • 山芋
  • しじみ
  • アサリ
  • サケ
  • イワシ

など。

またビタミンには細胞を活性化させたりタンパク質の消化や代謝を補助してくれるので毎日の食事に適度に混ぜるようにするといいですよ。

それに加え体温調節や体内の栄養素・老廃物を循環させる働きがあるため水分補給も忘れずに。

手作りを考えてくれているのであればおすすめ食材を積極的に使ってね。

 

犬の肝臓にはさつまいもがいいってほんと?

 

犬が肝臓病になると良質なタンパク質をたくさん摂取させる必要があります。

その際に一緒に与えて欲しいのがさつまいもなどビタミンB群を多く含む食材です。

肝機能の低下を招く原因としてビタミンB群の不足が挙げられますがタンパク質と一緒に摂取することで代謝がアップし効率よくビタミンB群を補うことができます。

また紫サツマイモにはアントシアニンという成分が豊富に含まれており抗酸化作用が見込めるということで肝機能を向上させる働きがあります。

ただし芋類はカロリーが高いから与え過ぎには注意してね。

 

犬が肝臓病になると余命はどれくらい?

 

肝臓は沈黙の臓器と言われているくらいある程度進行をしないと症状が出てきません。

逆に血液検査を定期的に行うことで肝臓の数値を追えば見つかりやすいともいえます。

肝臓病になったとしても早期発見・早期治療を行うことができれば予後は良いとされており余命宣告を受ける必要はなくなります。

とにかく早期発見だ大事なんだね。早く見つけて治療をするためにも定期的な血液検査が大事だよ。

 

犬が肝硬変になった!?まとめ

 

今回は犬の肝硬変についてご紹介してきました。

肝硬変は肝臓病が進行した結果です。

肝臓病は早期発見できれば予後は良いとされていますが肝硬変になると余命宣告せざるを得ない状況に陥る可能性も高いでしょう。

逆に言えば進行するまでに治療を開始すれば完治できる病気でもあるということです。

定期的な検診で肝臓数値が上がっていても落胆する必要はなく投薬・食事療法で十分回復が見込めるでしょう。

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