豚コレラは犬に感染するの?人は大丈夫?人獣共通感染症とは?

豚コレラ 犬
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日本で26年ぶりに発生したこの伝染病がだんだん全国に拡大しています。

2018年9月に発生が確認されて以来、岐阜県や愛知県など現在も拡がりつつある状況です。

命を落とすことが多く強い伝染力があるとされ、新型コロナと同じように有効な治療薬がなくやっかいです。

「我が家のワンちゃんがかかったらどうしよう」と心配になりますが、豚コレラは犬には伝染しないことがわかっています。

とはいえ、ウィルスが病源体の疾患なので、この先ウィルスの変異によって犬に豚コレラが伝染するようになるかもしれません。

ここではこの疾患についての解説と、人間と生き物との間で伝染する疾患について紹介します。

 

豚コレラとは?

CSF(豚熱)と呼ばれていて、かかった生き物に触ることでウィルスが身体に入り込み伝染します。

これにかかると命を落とすことがあり、伝染力がかなり強いことから法定伝染病に指定されています。

日本は2007年に清浄国となっていますが、2018年9月に発生が確認されて、これまでに多くの豚が殺処分されました。

生き物に触るだけでなく、そのウンチや飛沫などからも伝染することがわかっています。

現在、この伝染性疾患に関しては次のような対策が取られています。

  • かかったら殺処分する
  • 野生のイノシシへワクチン入りの餌を散布する
  • 特にリスクが高い地域の豚へワクチンを打つ

 

発症した豚の症状とは?

41℃以上の熱が出て(ちなみに平熱は39℃です)、元気と食欲がなくなるほか、以下に挙げるものが見られます。

 

急性のケース

  • 血管中にウィルスが入り込み白血球が減少する
  • 下半身がマヒする
  • 耳、尾、下腹部に紫斑が現れる

これらのものが見られて数日から2週間で死亡します。

 

慢性のケース

急性期から一度回復しますが、再び熱が上がり食欲不振になってやせ衰えて1ヶ月から数カ月で死亡します。

死後に解剖をしてみると、下記の病変が現れているのがこの疾患の特徴とされています。

  • 出血病変がある
  • リンパ節から出血している
  • 腎臓表面に点状の出血痕がある
  • 膀胱粘膜に点状の出血痕がある
  • 脾臓に出血性梗塞が見られることがある
  • 急性でも慢性でも確実に死に至る恐ろしい疾患なのです。

 

伝染した個体の肉を食べたらどうなるの?

殺処分された後の肉が市場に出回ることは絶対にありませんが、口にしても伝染はしませんので安心してください。

また、ワクチンを打った後の肉を口にしても安全とされています。

このように、今のところはワンちゃんに伝染するのではないかと神経質にならなくとも大丈夫なようですが、念のため口にしない方が良いでしょう。

しかし、ワンちゃんがウィルスの運び屋となってしまう恐れはあります。

イノシシが出現する地方や、近くに養豚場がある所に住んでいるならば、ワンちゃんの散歩の際にはそのような場所を極力避けて、できるだけ近づかないようにすると良いでしょう。

 

人獣共通感染症とは?

人と生きものとの間で伝染する疾患で、別名をズーノーシス(Zoonosis)と呼ばれています

これには生きものから人に伝染するだけでなく、その逆のパターンもあって、ワンちゃんと飼い主さんの間でも気をつけなければならないのです。

また、ワンちゃんだけでなくほかの生きものから伝染するものもあります。

これらの中でも、ウィルスが病源体となって伝染している疾患は、この先ウィルスの変異によってこれまでと違う形態になるかもしれませんので、情報には気をつけておかなければなりません。

 

犬から伝染するものはなに?

ワンちゃんから人間に伝染する疾患は、以下のものが知られています。

 

狂犬病

日本では1956年以来、国内では発症例がありませんが、海外で噛みつかれたて帰国後に亡くなった例の報告があります。

日本ではワンちゃんへのワクチン接種が法律で定められていて、守らないと罰則があります。

ワンちゃんのツバなどにウィルスが潜んでいて、噛まれても治療できる薬はありません。

そのこともあって、発症すると100%命を落とすとても恐ろしい疾患です。

 

ブルセラ症

ブルセラ菌によるものですが、ワンちゃんのほかの生き物にも違うタイプのブルセラ菌があって、ツバや血液、オシッコなどから伝染します。

ワンちゃんでは女の子なら妊娠していると早産や流産が引き起こされて、男の子だと精巣炎を起こすことがあります。

また、人に伝染すると発熱や筋肉痛など、カゼのような症状が現れます。

海外では地中海やアラビア湾沿岸、インドや南アメリカなどに多いので、旅行では気をつけなければなりません。

なお、有効な治療法がないため抗生物質の長期投与などが施されます。

 

レプトスピラ症

レプストピラ菌によって伝染しますが、ワンちゃんでは肝不全や腎不全を引き起こすことが知られています。

腎臓に入り込んだ菌がオシッコとして排出されて、このオシッコを触ってしまうか、オシッコが混ざった水に触ってしまうことで皮膚から菌が入り込みます。

人にうつると発熱や出血のほかに、やはり肝臓や腎臓に悪影響が出て黄疸や腎障害が現れます。

1970年代の前半ころまでは年に50名以上が亡くなっていましたが、現在では減少しています。

ただ、沖縄などではたまに発生しているとの報告があり油断することはできません。

治すにはこれらの抗生物質や抗菌薬が主に処方されます。

  • ドキシサイクリン
  • アンピシリン
  • アモキシシリン
  • フルオロキノロン

 

パスツレラ症

ワンちゃんの口の中や鼻の中にはパスツレラ属菌という常在菌がいますが、高齢のワンちゃんや、免疫力が低下した時などに日和見感染を起こすことがあり、そのケースでは以下の疾患を併発します。

  • 肺炎
  • 心内膜炎
  • 化膿性炎症
  • 舌膿瘍(舌に膿が溜まった袋ができる)

また、ワンちゃんから伝染するケースとして、嚙まれたり、あるいは引っ掻かれた、口移しで食べものを与えたなどのほか、ワンちゃんから発した飛沫で伝染することがあるとの報告もあります。

人間では次の疾患を併発するとされています。

  • 肺炎
  • 化膿性皮膚炎
  • 関節炎
  • 髄膜炎
  • 蜂窩織炎

さらに、免疫抑制剤を服用しているほか糖尿病やがんなどの基礎疾患があると、それらが悪化することがあり、死亡例の報告があります。

治療にはペニシリン系やセファロスポリン系の抗生物質が処方されます。

 

回虫幼虫移行症

ワンちゃんに回虫が寄生していると、仔犬の場合は食欲低下ややせることがあります。

成長すると無症状になりますが、そのウンチに回虫の卵が含まれることがあります。

ウンチを処理しようと触って、その卵が手について人の口に入ってしまうと身体の中で孵化することがあり、肝臓や脳、目などに侵入して悪さをするとされています。

ワンちゃんに対しては駆虫薬による駆除を行いますが、人が寄生された際には確実に治すことが難しいので気をつけてください。

 

そのほかにもワンちゃんから伝染するもの

まれなものも含めて以下の疾患がワンちゃんから伝染するとされています。

  • カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症
  • コリネバクテリウム・ウルセランス感染症
  • リステリア症
  • カンピロバクター症
  • エルシニア・エンテロコリティカ感染症
  • 仮性結核
  • トキソプラズマ症
  • 疥癬
  • Q熱
  • エキノコックス症
  • 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

 

人から伝染するものがあるの?

人から伝染してしまうものはリバース・ズーノーシス(逆人畜共通感染症)と呼ばれていて、少ないですが報告があります。

その中で白癬菌による白癬や皮膚真菌症、いわゆる水虫はワンちゃんに伝染する疾患です。

水虫を振れた手や、爪白癬などにかかっている手でワンちゃんを触ると伝染します。

また、タオルや衣類、ブラシなどを共有してしまって伝染することもあるので気をつけましょう。

またこれ以外にも頻度は少ないながらも、ワンちゃんに伝染する疾患があります。

  • おたふくカゼ
  • サルモネラ菌による食中毒
  • MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
  • 結核

これらにかかっている時には、ワンちゃんとのスキンシップはがまんした方が良いでしょう。

 

ズーノーシスを防ぐにはどうしたらいいの?

次のことに気をつけてください。

  • ワンちゃんとの触れ合いを避ける(口うつしであたえたりしないなど)
  • ワンちゃんと添い寝は止める
  • ワンちゃんの身体の清潔を保つ
  • ワンちゃんと遊んだあとに必ず手を洗う
  • 病原菌を持つ虫などに近づけない
  • ワンちゃんの居場所を常に清潔にしておく
  • 生肉を食べない
  • ワンちゃんのウンチやオシッコは見つけたら直ぐに処理する
  • ワンちゃんも飼い主さんも体調がおかしいと思ったら、直ぐに診察を受ける

顔をペロペロと舐められたら、嬉しくて舐め続けさせてしまいますよね。

せめてその後に直ぐ顔や手を洗う習慣を身に付けておくようにしましょう。

 

豚コレラは犬に感染するの?人は大丈夫?人獣共通感染症とは?まとめ

最近世の中を騒がせている豚コレラが、現在のところは犬にも人間にも感染しないことは安心ですが、ウィルスは変異しやすいことが知られています。

しかし、病原体である豚熱ウィルスが変異して、犬や人間が豚コレラに感染するようになる可能性はゼロではないのです。

犬から人間へ、人間から犬への感染症を防ぐには、過剰な接触をしないことが大切です。

愛犬とのコミュニケーションは必要ですが、直接キスをしたりするほか、顔を舐めさせることは避けた方が良いでしょう。

そして触れた後には手洗いやうがいなどを必ずすることを忘れずに実施してくださいね。

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