犬の表皮嚢胞って治る?手術費用っていくら?

Pocket

人間でも、年齢を重ねるとイボが出てきたりしますよね。

ワンちゃんも年を重ねると同じような現象が。

今回は、イボができるとどのような影響があるのか、また手術で摘出する場合は費用はどのくらいなのか?

そのあたりを詳しくまとめました。

犬の表皮嚢胞って?

冒頭でも書いたように、主に年を重ねた9歳以上のワンちゃんにとっても多い皮膚のしこりのこと。

何ミリかずつ時間や成長と共に、しこりやイボもサイズが大きくなる傾向がありますが、時が経つにつれ、何かの衝撃や皮膚が薄くなるタイミングで破裂し、黄色みがかった灰色の体液が出てくることがあります。

これは体質によっては再発する傾向があり、1匹のワンちゃんで何個か同時に発生している場合も。

イボの種類

このイボやしこりに関しては少ない症例ではありません。

よく聞く「アテローマ」というしこりがありますが、犬もこれと同じで基本的には良性の腫瘍に分類。

アテロームとは、皮膚の下に袋状の嚢腫ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢と皮膚の皮脂が、剥げ落ちずに袋の中にたまってしまってできた腫瘍のこと。

触っただけでも、しこりの中からペースト状の老廃物が出てくることもあります。
 
基本的に体内で悪さをすることはなく、人間で言うと「ニキビ」に近い感覚かもしれません。

悪性に変化する?

成長と共に大きくなっていき、悪性に変化してしまう場合もあるので、見つけ次第病院へ。
 
実際に、細い注射針を刺して内容物を検査する細胞診という検査で診断を行います。
 
針で刺した場所からニキビの脂肪のような老廃物が排出され、特殊な顕微鏡で確認すると、ほとんどが古い角質や皮脂でできていることが分かるのです。
 
炎症を起こしていなければ、ほとんど生きている細胞は採取されないので、診断は比較的簡単。
 

老犬はイボだらけになりやすい?!

犬も人と同様に年齢を重ねていくと毛や皮膚の水分量が少なくなり、ハリと艶がなくなっていきます。

鼻や肉球のように皮膚の固い場所はもともと水分の保水力が少なく、老犬に近づくと徐々に水分が抜けていくので乾燥やひび割れの原因にも。

老化現象

  • 皮膚も太っているわけではないが、首などの部分の皮が重力に逆らえずにたるむ
  • ひげの色が退色していき、白くなる
  • フケが出やすくなる
  • 筋肉や皮膚の弾力がなくなってくると顔の表面もたるんでくるので
    目じりが下がったように見える
  • 毛に水分がなくなりツヤがなくパサパサな毛並みになる

などは人間にも通じる典型的な老化現象。

ただしこれは病気ではなくて、健康なワンちゃんにも訪れます。
数少ない変化を逃さないように、元気な時の様子をしっかり覚えておきましょう。

また、老犬になってくると皮膚の弾力や張りが失われているため、若い頃と同じような強さややり方でブラッシングやマッサージなどを行うと筋力も衰えはじめているので、怪我をしやすくなります。

炎症したり思わぬ事態になりますので、若い時よりも優しく丁寧にしてあげましょう。

早期発見が大事

年齢を重ねたワンちゃんたちは、体の菌への抵抗力なども落ちてくるので、イボやしこりが増えてくる場合があります。

イボに関しては、「皮膚腫瘍」の場合も有り、これも良性の場合と悪性の場合があります。

また、何も害が無いと診断されても時間が経つにつれて悪性へと変化する事があるので注意。

イボやしこりは「老化」によって増えることが多いので、日頃からボディタッチやスキンシップを行い、触ってあげる事で早期発見の一つになります。

毛が短い子の場合はどちらかというと見つけやすいのですが、毛が長いワンちゃんの場合は発見が遅れやすいので注意。

稀に、イボやしこりに対して痒がったり痛がったりする場合もあるので、発見したら早めに動物病院で診断を受けることをオススメします。

ニキビのようなデキモノが犬にできることがある

常に愛犬の体をボディチェックしている方なら見つけたことがあるかもしれませんが、たまに白いニキビのようなものを見つけることはありませんか?

人間の肌もそうですが、皮膚の白いふくらみは皮下に膿がたまっていることが多いですね。

ほとんどが痛みがないため、試しに触ってみても、痛がる様子も痒がる様子も、むしろ嫌がる様子すらない場合がほとんど。

愛犬をシャンプーして清潔にして、ちょっと様子をみていたら「自然に膿が流れ出てきて、それが収まると白ニキビのようなできものは消えて無くなった」ということを体験された方もいるかと思います。

再発の可能性は?

ワンちゃんの中には、「それっきりできなくなった」

という子もいれば、増えてしまう場合もあり。

これに関しては確実にその子の体質や個体差によって異なります。

ちなみに私の飼っている愛犬は膿が自然に出たので問題はなかったのですが、普段の生活をしていると見慣れない物体だったし、ガンだったらやっぱり恐いので、消えて無くなった後でもすぐに病院へ連れていきました。

「これは悪性なんだろうか」と色々考えてしまって不安を抱えて生活をすることは、飼い主さんにもワンちゃんにも不安要素でしかないですよね。

診断結果が「良性」だったとしても、病院で判断してもらうまでは本人も私たち飼い主も不安でしかたがないこと。

将来を左右することかもしれないし、逆に自然と取れていくものなのかもしれないし・・・

安心して過ごすためにも犬の皮膚に異常を感じたら、すぐに病院へ連れて行くことをオススメします!

犬の首の両側にできるものは何?

まずは先生がしこりに触れてみてから診療。

甲状腺・下顎腺・リンパ節にさらに画像検査や細胞診を用いて、良性か悪性腫瘍、炎症、膿瘍、嚢腫などに判断を分けていきます。

甲状腺とは

生体の代謝に関わる重要な甲状腺ホルモンを産生する場所。

気管軟骨の両側に存在していて、大きさはおよそ3.5 x 1.2 x 0.5 cmほど。

甲状腺癌の可能性

半分くらいの確率でこの腫瘍は、ほとんどが良性で無害に近いです。

ただし触知可能な大きい甲状腺腫瘍は、多くが悪性の可能性も。

甲状腺癌は、60%が両側性で食道、気管、血管、神経に浸潤、リンパ節や肺転移を起こす腫瘍です。

他の箇所に移ったりする転移率の確率は初期の時期に40%、最終的に80%とされている。

体の健康を保つためにとっても重要な気管や血管があり、甲状腺そのものの本体も血管がたくさん通っているため、外科手術の際には術後合併症や輸血などのリスクにかなり注意が必要。

しこりが見つかりやすい年齢

9-11歳の犬に多く発生

症状

腫瘍の圧迫による咳き込み、顔の浮腫み、嚥下困難、呼吸困難など

検査

触診、エコー・Xray検査、針生検、血液検査、術後病理組織診断など

出血のリスクが高いため太い針を使ったコア生検は禁忌→細胞診で仮診断を行うことが条件

犬の表皮嚢胞の手術費用

治療内容と流れとしては、まずは局所麻酔をかけます。

イボやしこりにメスを入れて膿を出します。

術後の状況によって通院しながら、ダウンタイムが落ち着くまでしっかりと通院。

傷口が落ち着きだしてから約1ヶ月後に残りのものを摘出する再手術。

術後に、何かトラブルがない場合は医学的には完治ということになりますが、患者さんに手術内容や合併症等を十分に理解し納得してもらうため、当日手術は行わず、後日にまた再手術の予約手術としている病院がほとんどみたいですね。

手術は2回行う

2度目の再手術から約1週間後に抜糸を行い治療は完全に完了。

ここでは手術にかかる費用の目安をご紹介していきます。
イボの手術は保険適用になるため、3割負担時の費用です。

費用

「露出部」とは、頭部や顔・首元・肘から先、膝から下を指し、よく見える場所のこと。

露出部の2cm未満 ¥5.310~5.910
    2~4cm未満 ¥11.340~11.940
    4cm以上 ¥13.410~14.010

露出以外の3cm未満 ¥4.170~4.780
     3~6cm ¥10.020~10.630
     6cm以上 ¥12.810~13.420

  • 上記手術費用以外に、初診料や最診療などが加算されていくことをご了承ください。
  • 法律などの改正や、病院によって金額が変ることがあります。

犬の表皮嚢胞まとめ

自宅の愛犬の体を触っていたら、見知らぬイボやしこりが見つかったことありませんか?

「もしかしてガン?!」と驚く事も多いかと思いますが、適切な処置をしてあげれば、体調面でも、将来も安心して過ごすことができます。

治療費などは、イボの大きさやしこりのタイプ、病院によって異なってくるかもしれませんが、目安にして頂ければ想像しやすいかなと。

そして、常に、愛犬とのスキンシップをして、体の変化に敏感になってあげましょう。

>>コチラもチェック!犬にも「ギョウ虫」が住むことがある!