犬が水頭症になった!寿命や食事制限は必要?

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水頭症とはふだんあまり聞きなれない病名ですよね。

ひとことで言ってしまうと、脳の中にある脳脊髄液の流れが悪くなって脳の中に溜まる病気です。

その水(脳脊髄液)が溜まることで脳のあちこちを圧迫することになり、さまざまな神経症状が起こるのです。

犬の場合は先天性のものがほとんどで、遺伝によってなりやすい犬種があるとされています。

ここまで書くとなにやら寿命の短い恐ろしい病気のように思えてきますが、中には脳脊髄液が溜まっているにもかかわらず、発症せずに普通に寿命を全うする犬もいるとのことです。

今回はこの犬の水頭症について解説をしていきたいと思います。

 

犬の水頭症はどうして起こるの?

犬も人も脳は頭蓋骨の中の脳室と呼ばれる空洞の中で脳脊髄液の中に浮かんでいて、この液は外からくる衝撃から柔らかい脳を守るためのクッションとして働いています。

これは血液から作られますが、脳室や脊髄のある脊柱管の中を巡っていて、犬の頭のてっぺんから尻尾まで血液のように循環して再び血管から吸収されます。

その巡りの中では、脳のクッションとしてだけではなく、脳が働くために必要な代謝で不要になった代謝物の排出にも働く重要なものです。

この脳脊髄液が何らかの誘因により異常に増えてしまうことがあり、それにより脳が圧迫されてしまうのが水頭症です。

 

水頭症が起こるきっかけとは?

脳室に液が溜まるには3つの原因があると言われています。

 

脳脊髄液がたくさん作られ過ぎてしまう

脳の中で脳脊髄液を作ることに関係する場所に腫瘍ができたりすることで起こりますが、このタイプは発症が少ない珍しいケースとされています。

 

脳脊髄液が循環する脳室や脊柱管などのどこかが詰まり流れが悪くなる

原因として一番多いのがこれで、先天的な遺伝などによることが理由とされていますが、はっきりしたことはわかっていません。

また、出産のときに子犬に脳出血や炎症などが起こると、それによって詰まることがあるほか、成長していく過程で脳の損傷、腫瘍、脳炎、梗塞、出血などが発症して詰まるケースもあるとされています。

 

脳脊髄液を吸収する働きが悪い

これにも途中経路が詰まること同じように先天的なものが多いとされているほか、脳に起こった後天的な誘因によるものとがあるとされています。

なお、水頭症は発生した場所によって下記の2つに分類されます

  • 内水頭症
  • 外水頭症

内水頭症は脳室の中に液体が溜まって脳が圧迫されるもので、これに対して外水頭症は脳外側の3層の膜の中でクモ膜下と軟膜の間のクモ膜下腔に脳脊髄液が溜まる状態のことを指します。

犬では外水頭症は少なく、ほとんどが内水頭症です。

 

水頭症にかかりやすい犬種があるの?

以下の犬種で発生率が高いとされています。

  • チワワ
  • ダックスフンド
  • マルチーズ
  • ポメラニアン
  • ヨークシャー・テリア
  • パグ
  • ペキニーズ
  • シー・ズー
  • ボストン・テリア
  • キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

これらの犬種を飼っている方には、かかりつけの獣医さんに依頼して定期検診を受けることをおすすめします。

 

水頭症の症状は?

脳が圧迫されている部位や重症度によってさまざまなものが現れます。

さらにそれらの神経症状は、脳の圧迫される部分が脳脊髄液の流動的な動きによって移動するため、脳のあらゆるところが圧迫されるためです。

その中でもよく現れるものとしては以下があります。

  • 元気がなくグッタリしている
  • 疲れやすくなり散歩を拒むようになる
  • 寝てばかりいる
  • ふらついて上手く歩けない
  • 旋回運動(歩き出すと同じところをクルクル回りだす)
  • 飼い主に対しても攻撃的になる
  • うつ状態のようになるなどの行動異常を示すようになる
  • てんかんの様な発作がでる(けいれん、傾眠、意識をなくすなど)
  • 斜視
  • 眼球振とう(眼球が意思に関係なく動いてしまうこと)
  • 視力障害
  • 筋硬直

また、これらの神経症状のほかに見た目で判る特徴として、頭の部分がドームのような形に張り出すようになるほか、両眼の黒目がいわゆるロンパリ状態になって外側に向き、かつ斜め下を向くなどが見られます。

さらに、頭頂部にある「泉門」と呼ばれる柔らかい部分は成長すると閉じるものが、閉じずに大きく開いたままになるなども見られて飼い主さんには注意が必要となります。

 

犬が水頭症になったら最初は薬で治す

基本的に初期、あるいは軽症では投薬を中心とした内科療法が主となりますが、それでもさらに進行すると外科での手術が必要になることがあります。

 

副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロン、デキサメタゾンなど)

脳脊髄液の産生を抑えるほか、脳内に起きている炎症や浮腫を軽くする作用があります。

 

利尿薬(イソソルビド、グリセリン製剤など)

水分を出すことで脳室内の脳圧を下げる効果が期待できます。

 

抗けいれん薬

てんかんのような発作が起きた時に処方され、けいれんなどの発作を抑えます。

 

水頭症が内服薬でも抑えられなかったらどうするの?

薬物を服用しても症状が良くならない際には外科的療法を検討します。

直接的に頭蓋骨内に針を刺して溜まっている液を抜く処置などもありますが、最近の犬への治療方法としては、「V-Pシャント術」の施術が一般的とされています。

この手術は脳室内の脳脊髄液を腹腔内に出すチューブを体内に埋め込む術式で、これによって脳室の脳圧を下げることができます。

しかし、全ての重症例に使えるわけではなく、下記のいくつかの条件があります。

  • 症状がないか軽度である場合は適応外
  • 水頭症の誘因が腫瘍ではない
  • 脳がすでに重度の障害を受けていない(脳の機能は回復せず、むしろ悪化する恐れがある)
  • 脳内で炎症や感染症がない
  • 腹腔内で炎症や感染症がない

これらの条件を満たすことが施術の条件となります。

さらに、体内に設置したチューブが詰まると再手術により交換しなければならないことや、脳脊髄液を出し過ぎてしまう恐れがあるなどのデメリットがあります。

そして、このシャント術を施術できる動物病院が限られていることや、手術費用が50万円以上の高額なことなども飼い主さんへの負担が大きく、デメリットとなります。

 

犬の水頭症の検査にはどんなものがあるの?

かつてはレントゲン検査が主流でしたが、正確な診断をするには頼りないことが問題でした。

最近は頭部超音波検査が一般的になっていて、特に先天性のワンちゃんでは頭蓋骨にすき間が多いために超音波が届きやすく有効とされています。

また、CTやMRIによる画像検査であれば、さらに詳細な検査が可能になるとして推奨されていますが、これらの機械を使える施設が限定されている、あるいは全身麻酔をかけることによるリスク、そして検査費用が10万円前後と高額なことがネックとなります。

 

水頭症は予防できるの?食事制限などは?

先天性のものも含めて予防する有効な方法はありません。

先に紹介した遺伝的にリスクが高い犬種の飼い主さんや、愛犬がどうも怪しいと思われる症状を見せていたら早めにかかりつけの獣医さんに相談するのが良いでしょう。

また、食事制限などは特にありませんが、脳圧が高い時には水分を制限してあげてください。

常に水分量を把握しておき、夏場では脱水を起こさせないようにしてあげてくださいね。

 

水頭症の犬に良いとされる食材はこちら

この疾病はてんかんと同じ症状が見られますが、てんかんの持病を持つワンちゃんに良いとされる栄養素とそれを含む食材があります。

  • ブドウ糖(カボチャ、サツマイモ、リンゴ、バナナ)
  • 抗酸化物質(ビタミンC、E、セレニウム、ポリフェノールを含む食材)
  • オメガ3脂肪酸(亜麻仁油、フィッシュオイル)
  • ビタミンB6(豚肉、鶏ささみ、魚類)

この中で聞きなれない「セレニウム」はマグロやタラなどの魚類に多く含まれるとされています。

 

水頭症に良い食材にこんなものが!

とあるブログを見ていたら、水頭症のチワワに在る食材を与えたら症状が治まったというコメントがありました。

医学的な裏付けは何もありませんので信憑性は定かではありませんが、愛犬を何とか治したいとワラをもすがる思いの飼い主さんに紹介しておきたいと思います。

この飼い主さんによると、チワワに無塩のトマトジュースを与えたら改善したと言うのです。

水分制限をしながら朝、晩のご飯に混ぜてトマトジュースを与えたら症状が出なくなったと言うのですから驚きですね。

市販のドッグフードに無塩のトマトジュースを少量かけただけの簡単なご飯で治るのであれば本当に素晴らしいことですが、医学的な裏付けはありません。

 

犬が水頭症になった!寿命や食事制限は必要?まとめ

犬の水頭症は予防が難しく、愛犬の寿命を延ばすにはできるだけ早期に発見して、できるだけ早期に治療を始めるしかありません。

特に遺伝によって先天的に発症しやすいとされる犬種では症状が現れていないかを注意深く観察するようにしましょう。

また、運悪く発症してしまい、しかも重症化してしまった時には外科的手術が必要になりますが、先にも紹介したように非常に高額な費用がかかってしまいます。

かかりやすい犬種の子犬を飼う際には、あらかじめペット保険などを検討しておくことをおすすめします。

少しでも水頭症の愛犬の寿命を延ばしてあげるために、経済的に安心して手術を受けられるようになりますよ。

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