犬にカルシウムをどう与えればいいの?ダメな与え方も紹介

犬 カルシウム
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カルシウムが人間にも犬にも必要なミネラルであることはまっさきに思い浮かびますよね。

骨や歯はもちろんのこと、筋肉を動かすことや神経の信号を伝えることにも必要なミネラルです。

毎日でも摂らせたいカルシウムですが、1日にどのくらい摂るのが適切なのでしょうか?

身体の中では作れないので食べものから摂るしかないけど、どのくらい摂れば良いのか、サプリメントは必要なのか、効率の良い接収方法はあるのか?

犬へのカルシウムの与え方、たくさん含まれている食材と良い摂り方などをご紹介します。

カルシウムには色々な働きがあって、大事なミネラルなんだね

 

犬にカルシウムが必要なのはなぜ?

犬の身体でのカルシウムの働きは人間と同じで大きく分けて2つの働きがあります。

また、体重1kgあたりの摂取量の比率を人間と比べると、犬の方がより多く必要とされています。

 

骨、歯、爪の形を作ってカルシウムを貯めておく

体内にあるカルシムの99%がリンと結びついて骨や歯を作っています。

骨ではいつも古い骨がこわされ、新しい骨が作られて骨の強度を保つようになっているのですが、その際に一定量のカルシウムを血液中に溶け出させて全身の細胞にカルシウムを届ける働きもあります。

 

細胞の中に入り、筋肉を動かしホルモン分泌や神経を伝達するスイッチとして働く

血中に溶け出したカルシウムは身体中を巡ってさまざまな組織で細胞の中に取り込まれます。

筋肉を動かすにはカルシウムの存在がかかせませんし、神経が信号を伝える際にもカルシムが必要なのです。このように私たち人間も犬もカルシウムがなかったら生きていけないほど大切なミネラルなのです。

カルシウムが必要なのは骨だけだと思ってた

 

犬がカルシウム不足で血中のカルシウム値が低いとどうなるの?

人も犬も身体の細胞の中でカルシウムが足りなくなると、骨から血中に溶け出させて補う働きがあります。

犬では人間と違って、あごの骨あたりからカルシムが溶け出すとされていて、そのために歯と骨にすき間ができて歯周病になるので、歯がグラグラになって放っておくと抜け落ちてしまうことがあります。

あるいは骨がもろくなって折れやすくなり、仔犬の場合では「くる病」となって骨が弱くなってしまうなど、飼い主さんにとっては心配になりますよね。

また、血中のカルシウムが少なくなると「低カルシウム血症」になってしまうことがあり、元気がなくなって食欲が落ちたりするほか、筋肉がけいれんしてしびれが出たりすることもあります。

犬のカルシウムが不足する原因にはいくつかあって、まず考えなければならないのはカルシウムが食事でしっかり摂れているかどうかということです。

また、お産後の母犬も、お腹の赤ちゃんに分けなければならないことや、授乳のためにカルシウムが足りなくなることがあります。

そのほかには腎臓や副甲状腺などの機能が低下している時にもカルシウムが足りなくなることがあります。

カルシウムが足りなくなるとたいへんなことになりそう

 

犬におけるカルシウムの必要量はどのくらい?

犬に必要なカルシウムの1日量の目安は体重1kgあたり100mgです。

またカルシウムを効率よく摂るにはリンを同時に摂取すると良いとされていて、リンの量は同じく75mgです。

ドッグフードを与えているならカルシウムとリンの含有量を見て、足りないようならトッピングやサプリメントで補うようにすると良いですね。

また、手作り食の飼い主さんでしたら、使用する食材の含有量をネットなどで調べて、計算した上で愛犬に与えると良いでしょう。

カルシウムだけではなくリンも大切だね

 

犬のカルシウム補給には煮干しなどの食材で手作りご飯がおすすめ

愛犬のご飯を手作りしている飼い主さんのために食材を紹介します。

これらを上手に組み合わせて愛犬にカルシウムを与えてくださいね。

なお、リンはタンパク質を多く含む食品に多いとされていて、肉・魚・豆類・乳製品などにあります。

 

小魚・小エビ

煮干しのカルシウム含有量は飛びぬけて多く、むしろ摂り過ぎに気を付けましょう。

骨ごと食べる小魚や殻ごと食べるエビ類は多くのカルシウムが含まれています。

干しエビは大さじ1杯(7g)で、体重5kgくらいの小型犬の1日分のカルシウムが含まれています。

 

乳製品

パルメザンルーズ、プロセスチーズ、ヨーグルト、ヤギミルクなどの乳製品にはカルシウムが多く含まれ、中でもパルメザンチーズに多いのですが、チーズ類を与える際は塩分に注意してくださいね。

なお、牛乳はお腹をこわす犬が多いので与えないようにしてください。

 

大豆製品

豆腐、納豆、おから、きな粉などは低カロリーのカルシウム補充食品で、犬にも食べやすいのが良いですね。

 

海藻

ひじき、わかめ、昆布、青のり、焼きのりなど海藻類はさすがにカルシウムの宝庫ですね。

特にひじきは多く含んでいます。

 

野菜

切り干し大根、パセリ、モロヘイヤ、小松菜、菜の花、水菜、などに多く含まれています。

このほかにもたくさんあるけど、犬に大丈夫か調べてからあげましょう

 

犬に与えたいカルシウムの多いサプリとおやつ

愛犬に簡単にカルシウムを補給できるサプリメントやおやつはさまざまな種類が市販されています。

クッキーやビスケット、ボーロ、チーズなどの手軽なおやつタイプ、ジャーキーや歯みがき効果のある骨型ガムにカルシウムの粉末など、愛犬の好みや用途に合ったものを選んでくださいね。

ただし、喜ぶからと与え過ぎてはいけません。

ご飯をちゃんと食べなくなっては困りますし、摂り過ぎが愛犬の身体に悪い影響を与えてしまう場合があります。

どれも美味しそう!

 

犬のカルシウム取り込みにはビタミンDと日光浴も大切

カルシウムの吸収にはビタミンDも大切です。

イワシ・サンマ・鮭などの青魚やキクラゲ・シイタケに多く含まれていますのでカルシウム、リンなどと一緒に摂るようにしてくださいね。

また、ビタミンDは日光浴をする事で体内でも作られることがわかっています。

犬は体毛があるために、人間と比べて日光浴によって作られるビタミンDは少ないとされていますが、それでも食事分を補うのには有効です。

さらに日光浴はストレス解消になりますし、皮膚病の予防にもなります。

天気の良い日は長めに散歩をするなどや、お部屋の中やお庭の日当たり良い場所で愛犬に日向ぼっこをさせてあげてくださいね。

日光浴は飼い主さんも一緒にすると良いよ!

 

犬のカルシウム値が高いと良くないの?過剰摂取に注意

とにかくカルシウムを与えておけば良いとばかりに、毎日大量に摂り過ぎるのは良い事ではありません。

犬がカルシウムを摂り過ぎると尿路などに結石ができてしまうことがあります。

なお、不足した場合にも結石ができることがあり、適量を与えることが大切です。

また、骨の代謝のバランスが崩れてしまい、骨の石灰化が進みむしろもろくなりかえって骨折しやすくなってしまうこともありますし、高カルシウム血症が出ると元気がなくなって嘔吐するほか下痢をする事もあります。

カルシウム、リン、ビタミンDをバランスよく食べさせてあげることが何より大切ですね。

ドッグフードはたいていの場合ミネラルがバランス良く調整されて含まれていますので、特にカルシウムを補充する必要はないでしょう。

また、手作り食の場合でもよほど偏った食事を与えているのでなければ、カルシウムが極端に不足することはないので、わざわざサプリメントなどで補う必要はないでしょう。

犬に何か持病があって獣医さんからカルシウムの摂取を増やすよう指示が出ているのであれば別ですが、摂り過ぎにならないようにしましょう。

なお、腎臓の機能が弱っている老犬などでは尿からカルシウムがうまく排泄されずに高カルシウム血症となる場合がありますので注意してくださいね。

カルシウムって摂り過ぎてもダメなんだな

 

犬にカルシウムを与える際の注意点・骨を与えてはダメなの?

与え過ぎないようにすること以外にも飼い主さんが注意すべきことがあります。

カルシウムの固まりだからと骨付きの肉をそのまま与える飼い主さんもおられると思います。

犬は肉の味や匂いが染みている骨をかじるのが大好きですから喜んでかじりますよね。

犬に骨を与えることによるメリットには、

  • 歯磨き効果
  • あごや歯がきたえられる
  • ストレス発散
  • 脳の活性化からの認知症予防
  • やわらかいジャーキーなどのオヤツと違って、長い時間楽しめる。

このようなことが考えられます。

逆にデメリットとしては小さい骨を与える、あるいは噛んでいるうちに骨が小さくなって丸飲みしてしまうことがあるので注意が必要です。

また鶏の骨は加熱すると「裂けるチーズ」のように縦に割ける特徴があり、破片が口の中や内臓に刺さって気付つけることがありますので与えないようにしましょう。

筆者が昔飼っていたマルチーズに手羽元を骨ごと与えていたら、気が付くとえずくように咳をするようになり、病院で「鶏の骨が食道に刺さっている」と言われ内視鏡手術で取り除いたことがありました。

骨を与えるにしても肉屋などでもらった生の骨は感染症などの心配がありますので、愛犬には市販されているオヤツ用の骨を与えると良いでしょう。

犬に骨をあげるのに、気を付けなければならないことがあるんだね

 

犬にカルシウムをどう与えればいいの?まとめ

人間においては加齢や女性の閉経が原因で骨が弱くなって折れやすくなる骨粗鬆症(こつそしょうしょう)が問題になっています。

犬では加齢による骨粗鬆症は人間ほどは起こらないとされていますが、年を取るにつれて食欲が落ちカルシウムの摂取量が減ると不足しますので補充は必要となるでしょう。

また、仔犬の成長期においてもカルシウムを与えることは必要です。

しかし、ここまで書いてきたように与え過ぎではいけません。

愛犬がいくつになっても健康でいることができるように、与え過ぎず、でも不足はしないように気を付けて上手に与えるようにすることが大切です。

仔犬と老犬にはカルシウムが必要だね

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