【獣医師監修】犬もパクチーを食べられる?与え方と効能

犬もパクチーを食べられる?パクチー好きにはたまらない!与え方と効能
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犬もパクチーを食べられる?パクチー好きにはたまらない!与え方と効能

あまりのクセの強さから、決して万人受けする食べ物ではないが、ここ数年で話題となっているパクチー。

パクチー(タイ語)、コリアンダー(英語)、シャンツァイ(中国語)、ザウムイ(ベトナム語)、コエントロ(ポルトガル語)など、じつにさまざまな名前で呼ばれている香菜だ。

 

好き嫌いがはっきりと出る食材ではあるが、βカロテンやビタミンC、Eなど、高い抗酸化作用やアンチエイジング効果があるとして、近年、若い女性を中心に大ブームを起こしている。

 

そんな栄養たっぷりなパクチーに含まれる成分は、犬にとって有害なものではないため、愛犬が食べても大丈夫な野菜のひとつ。しかし、葉っぱだけ食べてあとは捨てる。といった、もったいない食べ方をしてる人はいないだろうか?

じつはパクチーは、茎や根も食べることができる野菜なのだ。今回はパクチーの栄養や効能、与え方などをレクチャーしていこう。

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

パクチーの栄養と効能

犬もパクチーを食べられる?パクチー好きにはたまらない!与え方と効能

βカロテン

βカロテンが豊富に含まれているのも、パクチーの魅力のひとつだ。

βカロテンには抗酸化作用があり、ガンの予防老化予防に効果的と言われている。

しかも、βカロテンは必要な量だけ体内でビタミンAに変換するという優れもの。ビタミンAは、視力を維持するには欠かすことのできない栄養素の一つでもある。

 

ビタミンC

犬は体内でビタミンCを合成できるが、だからといって摂取しなくてもいいわけではない。年齢と共にその能力は低下するので長期的に摂取したい栄養素の一つ。

ビタミンCの主な働きとして、活性酸素を無毒化する「抗酸化作用」が挙げられ、免疫力の向上、コラーゲンの生成を促すなど、身体の調子を整えるには欠かすことのできない栄養素なのだ。

 

ビタミンE

ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれ、アンチエイジング効果が期待できる栄養素である。

また、強力な抗酸化作用で活性酸素を無害化すると言われており、動脈硬化の予防に期待ができる。

 

ビタミンB1

ビタミンB1はエネルギー代謝に必要な栄養素といわれ、記憶力や認知機能を正常に保つ働きや、脈拍数や血圧が上がりすぎないように調節する。

別名、「神経系のビタミン」とも表現され、ビタミンB1の欠乏は運動失調や神経伝達に障害が発生しやすくなる。

 

ビタミンB2 (リボフラビン)

糖質、脂質、タンパク質を分解する酵素のサポート役として働く。

別名「発育のビタミン」とも言われ、発育促進に重要な役割を果たしてくれる。ほかにも、皮膚、被毛、爪などの細胞を作るためにも必要と言われている。

 

リナロール、ゲラニオール、ボルネオ―ル

パクチーといえば、あの独特の香りが特徴なのだが、その正体がリナロール、ゲラニオール、ボルネオ―ルといった成分によるもの。

これらは精油の成分で、葉ではなく種子から抽出されるのだが、消化吸収を促進させる効果がある。

そのため精油は消化不良の薬としても用いられている。

 

葉・茎・根、部位別の与え方

犬もパクチーを食べられる?パクチー好きにはたまらない!与え方と効能

パクチーの多くは無農薬で栽培されているものが多い。というのも、そもそもパクチーに使う除草剤がないからだ。

ホームセンターで家庭菜園用に売られているものは別として、農作物用の農薬は農林水産省が管理しており、農薬取締法により登録していない農薬は使用できないことになっている。

パクチーは最近の野菜なので、まだ法整備が整っていないというわけ。つまり、パクチーは葉・茎・根の部分も安心して食べることができるのだ。

 

葉っぱは生でもOK

生で食べることの多い葉っぱの部分。なんといってもその柔らかさが特徴的だろう。

葉っぱ部分は生で与えてもOK。フードのトッピング、手作り食など、幅広く使うことができる。

もちろん、加熱して与えても全く問題はない。

 

茎は細かく刻もう

茎も美味しくいただけるのだが、意外と固いので細かく刻む必要がある。

味は濃厚なため、薬味感覚で使えるが、愛犬に与える場合は消化に良いよう茹でるのがおすすめ。

手作り食を作っている方は、ほかの具材と一緒に茹でるのがベストだ。

 

根っこは茹でるのが正解

実は、パクチーは根っこまで食べることができる。

根っこはよく洗って泥を落としてから使おう。肉や魚の臭み消しにも効果があるので、肉や魚を茹でる際に一緒に入れるのもアリ。

茹で汁には、パクチーの特有の香りや味はあまり移らないというのも利点。根っこ部分をすぐに使わない場合は冷凍保存もおすすめ。使いたい時に凍ったまま鍋に入れられるので便利だ。

 

パクチーを与える際の注意点

犬もパクチーを食べられる?パクチー好きにはたまらない!与え方と効能

嫌がる場合は無理に与えない

ここ数年でまれにみるブームを引き起こしているパクチー。

パクチー好きなパクチストの中には、愛犬にもパクチーを食べさせたい方も多いだろう。

しかし、犬がパクチー特有の香りを嫌がる場合は、無理には与えないように。また、食べた後も気になる症状が出た場合も無理にパクチーを与えないようにしよう。

 

食物アレルギーがないか様子を見守ろう

アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼ぶのだが、実は食べ物全てにアレルゲン要素があることは知っておきたいところ。

初めて与える時は少量から与えて、痒がったり嘔吐したりしないか、愛犬の様子を見守ってあげるのも大切だ。

また、パクチーはセリ科の植物。同じ仲間には、パセリや人参があるので、セリ科の野菜でアレルギーをお持ちの犬は注意しよう。

 

 

さいごに

犬もパクチーを食べられる?パクチー好きにはたまらない!与え方と効能

別名、カメムシソウと呼ばれるパクチー。その強いにおいはカメムシを連想させるほどだが、その栄養的効能を考えると、できるだけ食事にも取り入れていきたい。

最近ではパクチーブームの影響からか、自宅でも栽培する人も増えている。花屋やホームセンターでもパクチーの苗を見かけるほどだ。

買うと意外と高いので、愛犬用にサッと摘み取れるよう、自家栽培に挑戦するのもおすすめだ。

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