犬の乾燥肌の保湿って何がいい?ワセリンやオイルって効果ある?

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体毛に覆われているワンちゃんの皮膚って、ふだんあまり気にかけないのではないでしょうか?

毛がいっぱいあって守られているから大丈夫だろうなんて思っていると、いつの間にかお肌がボロボロになっているかもしれません。

人の皮膚よりずっと薄く水分が抜けやすい犬は乾燥肌なのでいつも保湿が必要なのです。

特にシャンプーした後などは乾燥しやすいので気をつけてあげなければなりません。

とはいえ、いざ保湿をと思っても正しいシャンプーのしかたや、クリームやローションは何を選べば良いのかなど何をどうしたら良いのか迷ってしまいますよね。

ここでは犬の乾燥肌によるトラブルやそれを防ぐ保湿のやり方などを紹介します。

 

犬の皮膚はどうなってるの?

ワンちゃんの皮膚の構造は人と同じで表皮・真皮・皮下組織の3層になっています。

そして、一番外側の表皮は身体の内側から以下の4層で作られています。

  • 基底細胞層
  • 有棘細胞層
  • 顆粒細胞層
  • 角質層

表皮の細胞は基底脂肪層で作られてだんだん外側に移動して、最後は角質から垢やフケとなって剥がれ落ちますが、これは皮膚のターンオーバーと呼ばれています。

ワンちゃんの角質層は被毛に守られているので人の三分の一ほどの厚さしかなく、外からの刺激に弱く乾燥しやすいのです。

また皮膚には、乾燥から守ろうと皮脂や汗を出して保湿しようとする作用があります。

汗腺にはエクリン汗腺とアポクリン汗腺があって、いわゆる汗はエクリン汗腺から出されます。

皮脂腺から出された皮脂は、人であれば汗腺から出た汗と混ざって皮膚全体に拡がり、保護膜として働きます。

なお、ワンちゃんのエクリン汗腺は足裏にしかないため、身体には汗をかきません。

 

犬の被毛とは?

ワンちゃんの皮膚を守っている被毛は、毛穴から上毛(トップコート)と下毛(アンダーコート)が生えています。

犬種によってダブルコートとシングルコートとに分けられます。

 

ダブルコート

上毛と下毛がどちらもあって、上毛が皮膚を守り下毛が保湿を担当していて、換毛期(春・秋)になると下毛は抜け替わります。

  • 柴犬
  • ポメラニアン
  • ウェルシュ・コーギー
  • ゴールデン・レトリーバー
  • ミニチュア・シュナウザー
  • ラブラドール・レトリーバー
  • シー・ズー
  • シェットランド・シープドッグ
  • ジャックラッセル・テリア

これらがダブルコートの主な犬種です。

換毛期にはたくさんの毛が抜けるのでブラッシングをまめにしてあげてください。

抜け毛を放置しておくと皮膚病が起こることがありますよ。

 

シングルコート

下毛がなく上毛だけのため、換毛期がありません。

  • トイ・プードル
  • チワワ
  • パグ
  • マルチーズ
  • ヨークシャー・テリア
  • フレンチ・ブルドッグ
  • ミニチュア・ピンシャー
  • ビーグル
  • ボクサー

なお、毛の構造も人と同じですが、より細くキューティクルが薄くダメージを受けやすいとされています。

 

乾燥肌がひどくなる原因とは?

季節の変わり目や空気が乾く冬場、あるいはシャンプーによって皮脂を落としてしまうことが乾燥肌の主な誘因です。

そのほかに皮膚疾患が元となってフケがたくさん出て、カサカサが酷くなり繰り返してしまうことがあります。

  • アトピー性皮膚炎
  • アレルギー性皮膚炎
  • 角化症
  • 脂漏症

これらの場合は元の疾患を治さなくてはなりません。

また、保湿をしているのにカサカサが続くようなら、これらによる皮膚の感染症を疑います。

  • 寄生虫(ツメダニほか)
  • 真菌(皮膚糸状菌)
  • 細菌

もしかしたらと思ったら、すぐに獣医さんに診察をしてもらってください。

 

犬をシャンプーできれいにすることは必要?

ワンちゃんをお風呂に入れてシャンプーするのは必要なことなのでしょうか?

家の外に繋がれていて室内に入れない、あるいは野生のノラ暮らしであれば必要ありません。

しかし、屋内で人と一緒に生活をするのであれば、汚れや臭いが酷いと困りますよね。

本来は必要のないことであっても共同生活をする以上はジャンプ―は必要なのです。

室内飼育のワンちゃんでも散歩をしていれば雨に濡れることや泥をハネたりして汚れますし、ダニやノミに病原菌などを屋内に持ち込んでしまうこともあります。

定期的にシャンプーをしておきましょう。

 

シャンプーはどのくらいの頻度ですればいいの?

人のように毎日する必要はありません。

ワンちゃんでは皮膚や被毛に皮脂を出すことで、乾燥を防いだり水をはじいたりして守っています。

シャンプーを毎日するとその皮脂が落ちてしまい、皮膚のバリアが働かなくなって皮膚疾患にかかることがあります。

シャンプーをするのは汚れが酷くなった時や臭いが気になるようになった時で良く、定期的にするのであれば、月に1回くらいで十分でしょう。

 

シャンプーするのに必要なものは何?

シャンプーはもちろんですが、ほかの道具も人用のものを流用せずにワンちゃん用のものを使ってください。

 

シャンプーとリンス

必ずワンちゃん用のものを用意してください。

人用のシャンプーは洗浄力が強過ぎて、皮膚に必要な皮脂を落とし過ぎてしまうことや、炎症を起こしてしまうことがあります。

 

バスタブ

ペット用のバスタブを使うとお風呂場の中を逃げ回るのを防ぐことができます。

身体の大きさに合わせたものを用意してください。

 

シャワーヘッド

シャワーの音が苦手なワンちゃんのために、音の小さなシャワーヘッドが市販されています。

こまかい泡を発生させて毛穴の汚れが落とせるタイプなど、いろいろ試してみてください。

 

すべり止めのタオル

バスタブを使わない、あるいは大きな身体のワンちゃんをシャンプーする際は、お風呂場の床で滑らないようにします。

床に大きいバスタオルなどを敷いて洗うようにしましょう。

また、排水口に抜けた被毛が詰まるのを防ぐために、ネットなどを張っておくと良いでしょう。

 

しっかり吸水するバスタオル

シャンプー後は濡れたままにせずにすぐ拭き取ってあげましょう。

そのために高い吸水性を持つバスタオルを身体の大きさに合わせて何枚か用意しておいてくださいね。

最近では洗車で使われるような、吸水性が抜群で絞ればすぐにまた使えるタオルが売られています。

 

ドライヤー

いつまでも濡れたままにしておくと皮膚に良くないので、すぐにドライヤーで乾かしてください。

これについては人用のハンディタイプのものでも良いのですが、ワンちゃん用に固定できるドライヤーがあります。

両手を使って乾かすことができますので便利ですよ。

 

おやつ

シャンプーを楽しいイベントにするために、ご褒美のオヤツを用意しておきましょう。

終わった時だけでなく、嫌がるようなら途中で与えても良いでしょう。

そのほかにシャンプー中は「いいこだね」などと優しく声かけすることも忘れないようにしてくださいね。

 

犬の保湿に良いものは?

お風呂やシャンプーの後はもちろん、毎晩寝る前にも保湿ケアをしてあげると良いですね。

ひとくちに保湿といってもいろいろな成分あるので何を選んだら良いのか悩みます。

保湿成分はその働きによって4つに分類できます。

  • 皮脂を補い水分が抜けるのを防ぐ(ワセリン、スクワランほか)
  • 水分を捕まえて離さない(グリセリン、ヒアルロン酸、コラーゲンほか)
  • 細胞間にとどまって水を蓄える(セラミド、フィトスフィンゴシンほか)
  • 角質に水分を保留する(尿素、乳酸ほか)

これらの成分を使い分けるのが理想ですが、わからない時は獣医さんに聞いてみましょう。

例えばアトピーにはヒアルロン酸にワセリン併用が良いですし、脂漏症のように脂ぎってしまうワンちゃんには尿素軟膏を塗るといった感じです。

また、成分を含む塗り薬の基材も特徴があるのでワンちゃんの皮膚の状況に応じて使い分けましょう。

 

軟膏

  • 長所:長く皮膚に残留するので成分を保持できる
  • 短所:ベタつく、伸ばしにくい

 

クリーム

  • 長所:皮膚になじんで伸ばしやすくベタつかない
  • 短所:基材に含まれる添加物などが皮膚を刺激することがある

 

ローション

  • 長所:クリームよりさらに肌になじんで早く効く
  • 短所:効果が持続しない、添加物が肌を刺激することがある

獣医さんに診察してもらった上で、ワンちゃんの保湿に適したものをアドバイスしてもらってください。

 

人用の保湿クリームやオイルを使ってもいいの?

人用の保湿剤をワンちゃんに使っても問題はほとんどないと思われます。

ただ、中にはワンちゃんに良くないものが入っている可能性がありますから、使う前にかかりつけの獣医さんに確認してからにしましょう。

例えばベビーオイルを5倍以上に薄めて、手作りスプレーとして吹きかけてあげるなどは良いとされています。

グリセリンなどを使った手作りスプレーもネットに上がっていますので、検索かけて参考にすると良いでしょう。

ちなみに精製水100mlにグリセリンをスポイトで5滴ほどたらして振れば完成だそうです。

 

犬の乾燥肌の保湿って何がいい?ワセリンやオイルって効果ある?まとめ

乾燥肌の人なら特に冬場は保湿しないと痒みが強く出たりして大変ですよね。

犬も乾燥肌になることがあって、痒みが出て皮膚炎を起こすこともあるのです。

人用のワセリンやベビーオイルが自宅にあるならそれを使っても良いのですが、最近は犬用の保湿具グッズがたくさん市販されています。

人用の保湿ケア用品を愛犬の乾燥肌に使う際には、必ず獣医さんに確認してから使うようにしてくださいね。

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