犬に睡眠薬を与えても大丈夫?人間用の薬をあげてもいいの?

犬 睡眠薬
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犬に睡眠薬を飲ませることに否定的な飼い主さんは多いと思います。

しかし、いつも元気で夜にはぐっすり寝てくれる愛犬が、たまに夜鳴きすることはありませんか?

たまにということならば飼い主さんが対応できると思いますが、毎日だったらどうでしょうか?

眠れないワンちゃんも辛いでしょうけど、それによって眠れない飼い主さんも大変ですよね。

そのため獣医さんに睡眠薬の処方をお願いする飼い主さんが最近増えているそうです。

中には犬も飼い主さんも寝不足で衰弱がひどく、見るに見かねて獣医さんが処方を勧めることもあるそうです。

ここでは犬に睡眠薬を使わなければならない状況や、その際にはどのように使うべきなのかをご紹介した上で、人間用の睡眠薬を飲ませることの是非についても触れていきたいと思います。

 

犬に睡眠薬を飲ませたいと思うのはいつ?夜鳴きするのはなぜ?

飼い主さんが飲ませて眠らせたいと考える理由の中で何といっても断トツに多いのは、毎晩夜鳴きをするようになってしまうことではないでしょうか?

ひどい時には近所中に響き渡るほどの大声で鳴き続け、飼い主さんがノイローゼになることもあるそうです。

夜鳴きには何らかの理由があるはずなのですが、ワンちゃんはそれを言葉で伝えることができません。

夜鳴きの理由を推察するために、いくつかのケースをご紹介します。

 

子犬の夜鳴き

群れで生活する習性を持つ犬は、ひとりぼっちの寂しさに弱いと言われています。

子犬が産まれた時は、母犬や兄弟たちと一緒に寄り添って眠っているのですが、もらわれたりして知らない家に連れて来られて、いきなりひとりぼっちになります。

すると寂しさや新しい環境への不安などを感じて悲しそうに夜鳴きをするのです。

 

成犬の夜鳴き

成犬もやはり生活環境が変わることや、孤独になる寂しさから夜鳴きをすることがありますが、発情期を迎えた際や運動不足で眠れない時などにすることがあります。

発情期ではメスがヒート期を迎えるとフェロモンを出すことで、オスが反応して夜鳴きをします。

犬の嗅覚は恐ろしく発達しているために、メスが遠くにいたとしても反応してしまうこともあります。

ペット宿泊OKの旅館やホテルの中には「ヒート中のワンちゃんお断り」としている施設がありますが、これは生理で部屋を汚すことよりも、宿泊しているオスの夜鳴きを防ぐためとの理由もあるそうです。

また、散歩に行けないなどで日中に運動が不足すると夜に寝付けなくなり、夜鳴きを始めることがあります。

運動したい欲求不満からくるストレスを発散しようと、大声で吠え続けることがあるとされています。

 

老犬の夜鳴き

高齢になり老化すると運動能力だけでなく視力や聴力も低下しますが、老犬はそれを感じとると若いころとの違いを感じ、そのことで不安になりするようになるとされています。

そのほかに足の関節が痛みだすことなど、身体の痛みや具合が悪くなることでも夜鳴きをします。

また、犬も人と同じように歳を取ると認知症が起こることがあります。

認知症の夜鳴きはよく観察すると、ひたすら単調に吠え続けたりしますので、寂しさや痛みからの夜鳴きとの違いがわかるようになります。

また、おかしな行動が見られるようになります。

同じ場所をひたすらグルグル回ることや、日中ぐっすり寝て夜に起き出して活動するなど昼夜逆転現象が見られるほか、トイレを失敗して粗相の回数が増えるなどの症状が現れるようになります。

 

犬の夜鳴きがひどい時はどうしたらいいの?

夜鳴きがひどくなると犬だけでなく、飼い主さんがまいってしまいますので、放置しないで対策をとることが必要です。

上記にあげたそれぞれの場合について考えてみましょう。

 

子犬の夜鳴きへの対策

寂しさや不安が原因の子犬には、それらを感じないようにしてあげることが大切です。

  • 子犬を入れたハウスごと一緒の部屋に置いてそばにいることを見せる
  • 寝かせる前の遅い時間に思い切り遊んであげて疲れさせてから寝かしつける
  • 寝かせる際にハウスの中にお気に入りのオモチャを入れて気をそらす

これらの方法が有効とされていますので試してみてくださいね。

なお、ハウスの中に入れるたびにオヤツやおもちゃを与えて「楽しい場所」として教えてあげると、気持ちが落ち着いてくるとされていますので試してみると良いでしょう。

ただし、気をつけなければならないこともあります。

「かわいそうだ」として声をかけることやハウスから出して抱っこしたりすることは止めておきましょう。

子犬が「夜鳴きをすればかまってもらえる」と学んでしまうと止めなくなってしまうからです。

鳴き止まない時にはハウス全体に布をかけるなどして周囲を見えなくして、かまわないようにしているとその内に慣れてきてしなくなります。

 

成犬の夜鳴きへの対策

発情期の夜鳴きは犬の本能でもありますので、しつけで止まるものではありません。

オスのワンちゃんでしたら発情期での夜鳴きがひどい場合には去勢するのもひとつの手段です。

去勢手術をすることで、オス独特の前立腺や睾丸に由来する病気を予防するメリットもあります。

獣医さんと相談の上で検討してみてくださいね。

運動不足については散歩させてあげることが何よりの解決策です。

飼い主さんが忙しくとも必ず毎日、愛犬が満足するまで散歩に付き合ってあげましょう。

また、ドッグランなどが近所にあれば思いきり走らせることも効果がありますし、家の中でも寝る前に疲れるまで一緒に遊んであげれば、あっという間に寝付いてぐっすり眠るようになりますよ。

 

老犬の夜鳴きへの対策

高齢になった愛犬の夜鳴きは少し面倒かもしれません。

老化や持病で体力が落ちている場合には、散歩や遊びなどで疲れさせて眠らせることはできません。

不安を感じて夜鳴きをしているのであれば、まずはそれを解消してあげてください。

  • 子犬の場合と違い、優しく声をかけてそばにいることを示す
  • 昼間はリビングにハウスやベッドを置き、飼い主さんや家族の存在を感じさせる。
  • 夜は一緒の部屋で寝かせるようにする

不安を感じなくなり気持ちが落ち着けば夜鳴きをしなくなるでしょう。

認知症の中で「昼夜逆転」については、日中日当たりの良い場所で日光浴をさせて起こしておくと夜に寝るようになるかもしれません。

しかし、それ以外の認知症が誘因となっている夜鳴きを止めさせるのはかなり困難でしょう。

いろいろなことがわからなくなり、自分が今何をしているのかもわからない状態なのです。

このケースに限っては、睡眠薬の使用もやむなしかもしれません。

 

犬に使える睡眠薬の種類と副作用、サプリもあるの?

夜鳴き対策をやりつくしたのに止まらなければ服用もいたし方ありません。

獣医さんが処方してくれる睡眠薬は人のものと同じですが、主なものを紹介します。

 

アセプロマジン

神経遮断薬として人では統合失調症やうつ病のイライラを落ち着かせる精神安定剤として処方されるほか、麻酔前投与薬としても使われます。

犬においても麻酔前投与薬として使われている睡眠導入剤です。

副作用は、体温が低下するほか運動能力に異常が出ることがあります。

 

ベンゾジアゼピン系

催眠・鎮静・抗不安の作用があり、不安をやわらげ睡眠を誘導します。

ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤はその作用時間から以下のように分類されています。

  • 超短時間作用型
  • 短時間作用型
  • 中間作用型
  • 長時間作用型

人においてこれらの薬剤の使い分けは睡眠障害の型によって行われていて、寝つきが悪いだけなら短時間作用型で改善し、精神症状による不眠の場合は長時間作用型でしっかり寝かせるなどです。

認知症の犬を眠らせる際には長時間作用型か中間作用型が処方されることが多いようです。

主な副作用としては、ふらつきや行動力の低下などが現れることがあります。

 

サプリメント

睡眠作用というよりは認知症に良いとされているDHA、EPAが含まれているサプリが市販されています。

軽い認知症であれば夜鳴きが減ったなどの報告があるので、試してみると良いかもしれませんね。

 

犬に睡眠薬を与える際の注意について、人間用の薬でもいいの?

服用させる際に最も注意しなければならないのは1回の量です。

獣医さんから処方してもらう際には大きさや症状などから分量を指示してもらえますので、必ずそれを守ってください。

もしそれでも不安があるようなら、指示された分量の半分から始めて様子を見ながら増やしていくことをおすすめします。

個体差がありますので、指示通りでも全く眠らない場合や逆に朝になっても起きないこともあります。

必ず獣医さんとの連絡を密にして服用させるようにしてください。

そして、人間用の薬を飲ませることは絶対に止めましょう!

効かないならまだ良いのですが、効きすぎてそのまま天国に旅立ってしまう恐れがあります。

必ず獣医さんの指導の元で使用するようにお願いします。

 

犬に睡眠薬を与えても大丈夫?人間用の薬をあげてもいいの?・まとめ

最近では犬連れでの旅行で飛行機などに乗せる際に睡眠薬を飲ませて眠らせておきたいと、獣医さんに処方を頼む飼い主さんが多いそうです。

そのような理由では睡眠薬を出さない獣医さんでも、夜鳴きが止まらず飼い主さんが疲れ果てているような場合には睡眠薬をすすめるそうです。

無理矢理寝かせることに抵抗があるかもしれませんが、飼い主さんが寝不足で倒れてしまっては大変なことになります。

そして、睡眠薬で眠ることが愛犬にとって救いとなるかもしれず、必ずしも悪いことではないと考えてください。

その上で愛犬に睡眠薬を使用する際には、必ず病院に連れていき獣医さんの指示を仰ぎましょう。

人間用の睡眠薬が手元にあったとしても絶対にそれを飲ませてはいけません。

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