犬に回虫が寄生した!原因と潜伏期間、症状や治療方法は?

犬 回虫 潜伏期間
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ある日、家に来たばかりの子犬のウンチの中に、白く細長い虫が入っていて驚くことがあります。

犬の回虫は卵や幼虫の状態で潜伏期間を過ごすため、卵は肉眼ではわからないほど小さく、検便で顕微鏡での確認が必要です。

潜伏期間後に体外に放出され、感染した子犬の腸の中で成虫になるのですが、成犬では幼虫のまま体の中にいるやっかいな寄生虫です。

 

犬が回虫に感染する原因は?症状や潜伏期間は?

卵や幼虫としての潜伏期間は長く、ウンチと一緒に体外に出されると、1~3週間でほかのワンちゃんにうつります。

症状はないことが多いですが、成虫が腸にいる場合に次のものがみられることがあります

  • 嘔吐や下痢
  • 太鼓腹
  • 脱水
  • 被毛不良
  • 栄養失調
  • 体重低下

そして、ワンちゃんが感染する原因には主に3つが考えられます。

 

お母さんワンちゃんからうつる母子感染

このルートが一番多いとされ、お母さんの体の中で眠っていた虫が、お腹の中で胎盤などから入り込むルートと、母乳の中に入って子犬の体に入り込むルートがあります。

お母さんに虫下しを飲ませても成虫でなければ出ないので、防ぐのが難しいルートです。

疑わしい場合には生後3週目くらいから検便で診断しますが、1度では診断できないことがあり繰り返し診察を受けることをおすすめします。

 

回虫の卵入りのウンチがある場所に口をつけた

ウンチから入って体の外に排泄されますが、その直後はまだ感染できません。

ウンチやそれがある場所の土や砂の中や草などについたまま、1週間から3週間ほどで感染性を持ち、それがワンちゃんの腸の中に住み着いて、卵を産んで増え続けるのです。

 

宿主になっているネズミなどを口にした

ネズミなどの動物の体に入ると潜伏して、ネズミが「待機宿主」となります。

そのネズミを食べてしまうともちろん、散歩中に見つけたネズミの死骸の臭いを嗅ごうと口を付けてしまったりすることでも感染するので注意が必要です。

 

ペットショップから買った子犬は寄生虫に注意

良心的なブリーダーやペットショップでは幼いうちに虫下しを飲ませますが、卵が残っている場合があります。

ペットショップから購入する際には、検査や虫下しの回数などの情報を確認しておくことが大切です。

 

犬のウンチから回虫が出てきたら

ワンちゃんのウンチから白く長い虫が出てきたら、あわてずに直接素手で触れないようにしてビニール袋などにウンチごと採取して動物病院に連れていきましょう。

虫下し用の駆虫薬を処方してもらいますが、最近は飲み薬だけでなくワンちゃんの背中に垂らせばよい外用薬など、さまざまな薬が開発されています。

ワンちゃんの好みや生活環境に合わせて選べますので、獣医さんと相談してください。

 

犬の回虫症の治療方法とは?

その存在がわかれば、治療方法は駆虫薬による「虫下し」一択です。

ただ、ほかの寄生虫がいることも多く、その場合は使う薬を選ぶ必要があるので、きちんと検査をしてもらってください。

卵などの形で体内に残っていることがあり、1回で全てを下すことができないことが多く、検査や虫下しを繰り返す必要があることを知っておきましょう。

虫下しの治療はおおむね次のように行われていますが、治療費については施設により違いがあるので事前に確認してください。

  • 治療期間:1回につき約3週間
  • 通院回数:2回以上
  • 1回当たりの治療費:1,000円~2,000円(使う薬剤によって幅あり)

 

犬の回虫症は治らないってホント?

治らないとされるのは先にご紹介したように、ワンちゃんの体の様々な臓器の中に潜んでいるためです。

そのため、体から完全にいなくなるまで何度も虫下しを行うことになりますし、成長しても時々は検査をしておくとよいでしょう。

 

犬の回虫は人に感染するの?

人に感染する可能性がある人獣共通感染症です。

人の子どもが公園の砂場などで遊んだ際に、砂の中に卵を含んだワンちゃんのウンチが落ちていたりして感染することがあるため、注意が必要です。

また、鶏肉のレバーに潜んでいることがあり、レバーを生食すると感染することがあります。

 

犬の回虫が人に寄生した際の症状とは?

人の腸では成長することができず、幼虫のままあらゆる臓器に移行する「幼虫移行症」を引き起こすことがあります。

肝炎や肺炎などのほか脳に移行するとてんかん発作を起こし、眼なら視力低下や最悪失明することもあり、とくに子どもでは症状が重くなることが多いと言われています。

 

犬に回虫が寄生した!原因と潜伏期間、症状や治療方法は?まとめ

愛犬に回虫が寄生したら潜伏期間も含めて、ウンチなどを素手で触らないようにしてただちに処分してください。

そして、ウンチに触れたものは必ず消毒するなど対処することが大切です。

アルコール系の消毒薬よりもハイターなどの塩素系の消毒薬のほうが回虫の感染症に有効ですが、皮膚への刺激が強いので取り扱いには気を付けましょう。

犬の回虫は卵や幼虫としての潜伏期間が長く、一度の虫下しでは安心できないので、愛犬へのケアは成犬になっても継続してくださいね。

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