レプトスピラ症になると犬はどんな症状になる?死亡率や治療、検査やワクチンは?

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実は、犬にも人間にも共通している恐ろしい病気「レプスピラ病」

犬に関しては、「即死」に近い状態でかなり恐い病気なので、今回はこの病気になってしまうと、どのような症状が出てくるのか。

海外だけの話ではなくて、日本でも感染する確率は高いもの・・・

また、治療法や死亡率なども含めてお話していきます!

犬にかかったレプトスピラ症の発生状況

この感染症はワンちゃんだけでなく我々人間にもかかる可能性のある感染症で、ワンちゃんだけの問題ではなく、全ての動物に感染するもの。

感染してしまうと急性の致命傷になる症状から「黄疸・出血・発熱・腎不全」を伴う症状が表れて命に関わることも・・・

症状が出ないこともあるの?

一方で感染してもほとんど症状が出てくることはなく、体が菌を体外へ排出し続ける場合も。

動物の種類によっては短くて数週間、長くて数年かけて菌を出し続け、人間に関しては重症化しやすい感染症リストの中に入っています。

今現在の発生状況は?

この感染症はどこの国でも感染する可能性は存在しています。

特に高温多湿の熱帯亜熱帯で発生していることが多いようで、日本では関西以外での発生が多発。

犬の感染率は年々それでも減っている最中ですが、毎年20~30件ほど国内で感染が報告されています。

かなり多いほうだと思いますが、これでも減っている最中。

ただ要注意なのは、この調査結果は「家畜伝染病予防法」により届け出が行われていた数で、診断できなかった例や届け出されなかった例などは含まれていないので、実際にはこれ以上いる可能性もアリ。

人間も感染する可能性も!

人間での発生状況は毎年20件前後の発生していることが確認されています。

多くは野外での農作業や山などのアウトドアスポーツ等における感染がほとんどなのですが、都市部で”げっ歯類ネズミ”との接触による感染が増加中。

そのほかに海外からやってくる動物を取り扱っている業者が感染してしまったなどのケースもあります。

レプトスピラになったときの犬の症状は?

この感染症はネズミによって感染する人獣共通の細菌性疾患で、汚染された水を通して感染することがほとんど。

これは犬にとって深刻な症状であり、致命的なのです。

具体的にどんな病気なのか

レプトスピラ症は、ネズミによって感染する人獣共通の細菌性感染症。

これは非常に深刻な症状であり、犬にとって致命的です。

レプトスピラ症の主な症状は?

傾向としては、軽症で特に症状が無い無症候性感染から多臓器不全になり死亡に至ることもあります。

実際には、急性腎臓損傷が基本的に先に最もよく見られる症状になっているようですね。

レプトスピラ症を発病した犬は、以下の症状が見られる場合があります。

  1. 明らかな発熱
  2. 筋肉痛で動くのが嫌になる
  3. だんだん衰弱していく
  4. 元気がなくなる
  5. 食欲が減る
  6. 嘔吐が見られる
  7. 下痢や軟便
  8. 咳や鼻水

犬にはどのようなレプトスピラの治療をするの?

かなり重症の腎障害などや肝障害の影響でショック状態、体全体の重篤の状態となって病院へ駆け込むことも多く優先的に治療が必要。

さらに犬だけではなく人間にも感染してしまうため、医療施設の従業員や飼い主への感染対策も徹底する必要があります。

詳しい治療法

ほとんどは、対症療法というものが中心。

腎障害や肝障害に対する治療、消化器症状に対する治療に対する処置が必要となるケースがほとんど。

肺出血症候群等、呼吸困難などの重篤な状態がある場合には酸素吸入等の処置が最優先になります。

主な治療としてはペニシリンやドキシサイクリン抗菌剤を使用。

腎臓からの除菌にはドキシサイクリンが有効で、回復後にキャリアーとなることを防ぐためにも必ず投与することが一般的です。

予防策はあるの?

約250種類の血清型の中で、動物への感染が予想される血清型のうち約10種類が日本国内で確認されています。

これは、ワクチンで予防できる病気ですが血清型が異なるとワクチンの効果が低くなってしまうため、感染をなるべく防ぐためには種類多くの血清型の入ったワクチンを打つことが推奨。

感染したワンちゃんの尿には菌が大量発生ているので、散歩中などでのおトイレはさせずペットシーツにさせることが手軽にできる予防策です。

レプトスピラに対する犬のワクチンは?

ワクチンに関しては初めは必ず2回接種することが必須です。

その後は経過観察をしながら1年ごとの追加接種をしなければ効果が期待できないと言われています。

これは動物病院によって違って、年2回のワクチン接種を推奨しているところもあります。

注意することはあるのか?

この感染症に対するワクチン接種で注意すべき点がもう1点あります。

レプトスピラの薬は2種・3種・4種のものが販売されていますが、3種のみのワクチンはなし。

レプト2種が含まれた7種・8種・9種ワクチンやレプト4種が含まれた10種ワクチンが通常だとされています。

ワクチンを初めて接種する場合、3種・5種・6種ワクチンのもの物から更に接種する場合には、2種か4種かを3~4週間後に2回目の接種をしていることが条件になります。

打つべきなのか打たないべきなのか

レプトスピラワクチンは混合ワクチンで予防が可能。

「予防できるものは、すべて阻止したい」

と思う飼い主さんも多いと思いますし、犬に愛情があるならその気持ちは当たり前だと思います。

ですが、やはり全てのワクチンを打つには、その子のアレルギーなどにも配慮する必要が重要。

日本ではどこで流行っている?

関東近辺では「ごく稀に」発症しているという情報がありますが、感染数的には数年に何頭か発生する程度。

近所の地域で発症が発表された報告があり、近い地域で感染が発生したからと言ってすぐに菌が広まるわけではない。

しかし分からずに感染源と接触する確率も無くはないのです。

またワクチンを打っていても感染した血清型がワクチンに入っていなければ、予防効果は期待できません。

よく考えてワンちゃんを取り巻く環境や、山や水辺などネズミの多い地域によく行く、外で飼っているなど九州や沖縄に犬を連れていく機会があるなどを判断材料にしていけば良いと思います。

人にもレプトスピラは感染する!

レプトスピラ菌は保菌しているネズミや哺乳動物の尿から体の外に出て行き、土や水を数週間にわたり汚染してしまいます。

なので、その土地の土や水で菌を持っている動物と出会ってしまった場合に、皮膚や粘膜から体の中に侵入することで感染。

日本でも大雨や洪水の後は汚染水が降っていたり溜まっていたり、ネズミに出会う機会が増えるなどにより感染率はかなり高くなるため要注意。

ごく稀なケースですが、尿などを介した人間から人間への感染の場合もあるようです。

人が感染した場合の症状例

症状が出ない場合や軽い風邪のような軽症型から、黄疸や出血・腎障害を伴う重症型まで多種多様な症状がアリ。

何週間かの潜伏期の後、発熱や寒気・頭痛や筋肉痛・腹痛や結膜充血などが生じ、発症後4~6日目頃に黄疸が出現し出血する事もあります。

特別目立つ症状がないので最初の診断はかなり困難。

死亡率は高いの?

軽症型が落ち着けば一般的には死に至ることはないのですが、ワイル病になってしまった場合は早めに適切な治療を行わないと、死亡率は20~30%だと言われています。

予防法はあるの?

細菌の流行している地域では川や海に入らない、特に洪水の後には絶対に入らないで下さい。

どうしても水に浸からないといけない場合は、ゴム長靴やゴム手袋などを着用が必須。

人間用にも予防ワクチンが開発されていますが、接種可能な施設はかなり限定されています。

抗菌薬の内服も予防効果がありますが、長期間の服用は副作用も強いため控えたほうが吉。

具体的に何の薬を投与するのか

主に抗菌薬の投与が治療になります。

レプトスピラは人にも感染する「人間を含むすべての動物」が対象となる伝染病。

飼い主さんが普段からできることは、感染した犬の尿や汚染された水から移りますので直接触らないように手袋やマスクの着用をできるだけ意識しましょう。

犬のレプトスピラ症まとめ

急性腎不全で尿がほとんど作られない場合は利尿剤などを利用して集中的な管理が重要になってきます。

他の症状に関してもそれに対応した治療が適切。

レプトスピラに感染したワンちゃんが多頭飼いの場合、同居犬にも予防としてドキシサイクリンという薬を2週間処方することも。

レプトスピラ症は人や動物に共通する感染症です。

いつもと違う症状がみられたらすぐに病院へ連れて行くことが大事。

変化をいつも見逃さないようにワンちゃんに常に寄り添ってあげましょうね。

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