犬のステロイドはやめたら危険?副作用や減らし方について紹介

犬 ステロイド
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元々は身体の中で産生されるホルモンです。

その中で、副腎皮質から分泌されるグルココルチコイドが薬として使用されています。

炎症を抑えるほか免疫を抑える強力な作用があって、ステロイドは犬においても炎症を伴う疾病やアレルギーの治療などに使われる薬です。

しかし、効果がある反面、副作用の多い薬のため、その使い方には気をつけなければなりません。

少ない量を短い期間しか使わないのであれば問題は少ないのですが、多い量のステロイドを長い期間使い続けると、犬に副作用が発生する確率が高まるのです。

また、使われているのを急に止めたりすると、リバウンドといって以前より重い症状が出てしまうこともあります。

 

犬に使われるステロイドの種類とは?

ワンコに薬として処方されているものには以下があります。

それぞれ強さや作用が続く時間が違うので、状態に合わせて使い分けられています。

 

ヒドロコルチゾン、コルチゾン(この薬の強さを基準として1倍とします)

短時間型の錠剤です。

かなり昔から薬として処方されているもので、基本薬のような位置づけですが、短い時間しか効果がないために最近はあまり使われていません。

 

プレドニゾロン(強さ:4倍)

中間型で錠剤、散剤、注射剤、軟膏があります。

現在薬として使われている中では、最も多くの疾病に使われています。

ほかのものと比べると副作用が少ないのが特徴で、さまざまな剤形があります。

 

コハク酸メチルプレドニゾロン(強さ:5倍)

中間型で注射剤のみです。

プレドニゾロンより強いとされていて、ワンコには椎間板ヘルニアなどによく投与されています。

 

メチルプレドニゾロン酢酸エステル(強さ:5倍)

かなりの長時間型で、注射剤のみです。

これもまたプレドニゾロンより強く、1週間以上も効果が持続するため超長時間型ともいえる薬で、口から薬を飲ませることが難しいワンコに使われることがありますが、使われるケースは限られています。

 

デキサメタゾン(強さ:25倍)

長時間で、剤形には錠剤、注射剤、眼軟膏があり、強力で長い時間に渡って作用が続きます。

疾病を治すために使われるほかには、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)を診断するためのACTH(副腎皮質刺激ホルモン)抑制試験に低用量で使われています。

 

ステロイドが使われる犬の疾患とは?癌にも効果があるの?

主に下記に挙げる疾病に使用されています。

 

炎症を抑えることを目的として使われるもの

  • アトピー性皮膚炎
  • 慢性腸症(CE)
  • 食物アレルギー
  • 椎間板ヘルニア
  • 口内炎
  • 膵炎
  • 慢性気管支炎

 

免疫を抑えることを目的として使われるもの

  • 天疱瘡
  • エリテマトーデス
  • 免疫介在性多発性関節炎
  • 免疫介在性溶血性貧血(IMHA)
  • 免疫介在性多発性関節炎(IMTP)

 

ガンを叩くことを目的として使われるもの

  • リンパ腫
  • 肥満細胞腫

 

犬に起こるステロイドの副作用とは?

ワンコに起こるものとして考えられるのは以下のとおりです。

  • 免疫力が低下するためにかかっている感染症が悪化することや、新たな感染を誘発する
  • 副腎皮質の機能が低下して働かなくなる
  • 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)が起こる
  • 多飲多尿になる
  • 多食になって肥満する
  • 肝障害を起こして肝機能値が上昇する
  • 胃腸障害が起こる(下痢、嘔吐、胃潰瘍など)
  • 血液の凝固が亢進する
  • 高脂血症が起こる
  • 切り傷などの治りが遅くなる
  • 神経障害が発生して、不眠になるほか、不安による症状が現れるようになる

このようにさまざまな副作用が発生することがありますが、特に危険なのは感染症の悪化、発症で、元の疾病に加えてその治療も必要となります。

 

ステロイドを使っている犬が急にやめたらどうなる?

内服や注射で治療しているワンコに良くないこと起こったとしても、直ぐに投薬を中止するのはとても危険なことなのです。

長い間これを投薬されていたワンコは、その影響でホルモンとして産生をしていた副腎の機能が落ちてしまっていることがあります。

そのような状態で急に投薬することを止めると、すでに身体の中ではホルモンとしては産生することができないために、それまで抑えられていた症状が悪化します。

そればかりか、欠乏してしまうことで倦怠感や発熱、嘔吐などが現れ、最悪の場合は血圧低下からのショックを起こして命を失うこともあるのです。

そのため、何らかの事情が発生して中止する時には、少しずつ減らさなければなりませんので獣医さんとよく相談してください。

なお、皮膚炎などに使う外用剤を塗ることを中止することで皮膚炎が酷くなることをリバウンドと呼ばれていたりすることがあるのですが、これは間違っています。

外用剤を塗るのを中止すると、以前の症状がまた出て来るだけですので、元の疾病を治して適切に中止すれば大丈夫です。

 

犬に投与しているステロイドの減らし方

長い間に渡って投薬を続けているようなケースでは、できる限り使用量を減らすことが望ましいとされていて、例えば以下に紹介するような取り組みが実行されるようになっています。

 

似た作用を持つ薬を一緒に併用する

例えば、ワンコが自己免疫性の疾病にかかると、免疫抑制剤が処方されるケースもあります。

この免疫抑制剤を投与することが可能であれば、併用することで全体の使用量を減らすことができます。

 

違う作用機序の薬を使う治療方法を組み合わせる

アレルギーによる皮膚炎では、アレルゲンになる食材などを与えないことで皮膚の症状が良くなるので、結果として使用量を減らすことができるようになります。

 

免疫のバランスを調整する効果のある薬やサプリメントを併用する

バランスを調整する薬としてはインターフェロンなどがあり、それらを併用することでそれまでの使用量を減らすことができます。

また、サプリメントではキノコから抽出されるアガリクスが良いとする報告があります。

なお、アガリクスは、抗がん剤のサポートとしても効果が期待できるとの報告が多数あります。

 

犬の再生医療とは?副作用でステロイドが使えない時に有効

近年、人間の医療における再生医療の進歩には目覚ましいものがありますが、ワンコの再生医療を実践する獣医さんも増えています。

幹細胞治療とはワンコの健康な細胞を取り出して増やし、それを身体にもどす方法で、自身の細胞だけでなく、ほかの健康なワンコの細胞を使用することもできます。

身体の再生する自然治癒力を利用することで、これまで治すことができなかった疾病の治療が可能になると期待されています。

幹細胞治療の手順と作用機序は以下のとおりです。

  1. 自分自身(あるいはほかの健康な個体)の健康な脂肪や骨髄を採取する
  2. その中にある幹細胞を培養して増やす
  3. 増やした幹細胞を点滴などで身体に入れる
  4. 病変のある部位に幹細胞が到着する
  5. その部位を正常化するためにサイトカインなどを出す
  6. 幹細胞が骨、軟骨や血管などの細胞に分化して患部を治す

この幹細胞治療はデメリットが少なく、これまで免疫を抑えることが危険で投与できなかったワンコを治す手段として、これらの疾病の治療に期待されています。

  • 慢性腸症
  • 膵炎
  • 肝炎
  • 免疫介在性血小板減少症
  • 免疫介在性溶血性貧血
  • 非再生性免疫介在性貧血
  • 赤芽球癆
  • 再生不良性貧血
  • 椎間板ヘルニア
  • 非感染性髄膜脳脊髄炎
  • 乾性角結膜炎
  • アトピー性皮膚炎
  • 関節炎
  • 糖尿病

これらのほかにも腎臓系の疾病にも効果が期待できるとされています。

ただし、これを実施している施設は増えてきているといえまだ少なく、また費用が1回の実施で10万から30万円と高額であることがネックといえるでしょう。

 

犬がステロイドの塗り薬を食べた!どうすればいいの?

インターネットでブログなどを見ていると、ワンコが塗り薬などを食べてしまったとの書き込みをよく見かけます。

ワンコにとって塗り薬が美味しいオヤツに見えるのか、味がどうなのかわかりませんが、10gくらいのチューブを食い破ってきれいに舐めてしまうそうです。

もしこのようなことが起こってしまったら、とにかく急いで獣医さんに処理をしてもらってください。

吸収されてしまうと大変なことになります。

また、このような誤飲誤食に対してネット上などで、食塩水やオキシドールなどを飲ませて吐かせるとよいなどとの話が上がっていますが、これは止めてください。

素人がそれをやって上手く吐かせることができないでいると、飲ませた食塩を過剰に摂取することになってしまいます。

さらに、オキシドールは食道や胃腸の粘膜を荒らしてしまいます。

とにもかくにもワンコ用や飼い主さん用の外用剤をワンコが届くところに置かないようにしましょう。

 

犬のステロイドはやめたら危険?副作用や減らし方について紹介・まとめ

愛犬が病気になってステロイドの投与をしている飼い主さんは多いことと思います。

効果が強い反面、副作用が多いと聞いて愛犬に飲ませたくないと思う方も多いでしょう。

しかし、愛犬に投与しているステロイドを急に止めてはいけません

それによって、一気に愛犬の症状が悪化する恐れがあるので少しずつ減らすようにしましょう。

減らすにしても勝手に判断せず、獣医さんとしっかり話し合いながら進めてください。

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