【獣医師監修】犬はもずくを食べても大丈夫?もずく酢は?

犬 もずく モズク 食べる 与え方 大丈夫 酢
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犬 もずく モズク 食べる 与え方 大丈夫 酢

今や酢の物の定番といってもよい存在「もずく」。

ツルっとした食感と酢のパンチが利いてなんともたまらない。酒の肴にチョコチョコつまんだり、食卓の副菜としてもあると嬉しい一品だ。

そんな食べてるとなりで愛犬の熱いまなざしを感じることが多々ある。ついついお裾分けしたくなってしまうが与えてもいいのだろうか?

 

犬は「お酢」の臭いや味が苦手だと聞くのだが、お酢は犬にとってどうなのだろう。いざ与え方を考えてみてもピンとこない。

そこで今回は、犬にもずくを与えてもいいのか、お酢入りでもいいのか、栄養はあるのか?について解説していく。

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

もずく・もずく酢、どちらを与えても大丈夫?

もずくは、熱帯から温帯にかけて浅い海に分布する「海藻」である。

スーパーで見かけるのは、主に小分けにされたパックで味付けに酢が入っているものが多いが、味付けされていないもずくも少数ではあるが販売されている。

では、それぞれの特徴と与えてもいいのか検証してみよう。

 

「もずく(味付けされていないもの)」はOK

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スーパーではあまり見かけることは少ないが、まれに味付けなしのものが売っている場合がある。

もずく自体は犬に害を与える成分は含まれていないので与えても問題ないのだが、消化の面から考えて「湯通し」したものを与えるようにしよう。

また、海沿いの海産物直売所などでよく見かけるのが「塩もずく」。こちらは、もずくを塩浸けしたものなので、使う前には必ず水で洗ってから塩抜きを行う必要がある。

 

 

「もずく酢」は控えたほうが無難

犬 もずく モズク 食べる 与え方 大丈夫 酢

市販品のもずくには「三杯酢」「黒酢」などを加えられて作られている。

三杯酢とは、酢・しょうゆ・みりんを混ぜた、合わせ調味料のこと。一方の黒酢は、米や大麦を発酵させて造られた穀物酢である。

お酢は私たち人間にとっては健康に良しとされているので、愛犬に与えたいと考える方も多いだろう。

しかし、人間用に作られたお酢は塩分や糖分などが含まれているため、犬に与えるのは控えた方がよさそうだ。

 

また、特に中毒になるようなものがお酢に含まれているわけではないが、人間のようにお酢から得られる健康メリットは犬にはないと言われている。

そもそもお酢は犬が好む香りや味ではないため、好まないものを意図的に与える必要はないのかもしれない。

 

もずくに含まれる栄養と効能

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もずく自体は低カロリーで低糖質。そのうえミネラルや食物繊維が豊富なので、愛犬のごはんにも是非取り入れてみたい食材だ。

 

フコダイン

海藻類で今最も注目されている「フコダイン」。海藻類特有のヌルヌル・ネバネバの元であるフコダインは、水溶性食物繊維に分類される多糖類の1種である。

消化を助ける以外にも、ガンの発生や進行を遅らせたりする働きがあるという。もずくは海藻類の中でもフコダインの含有量が特に高いのも特徴だ。

 

 

βカロテン

βカロテンには抗酸化作用があり、ガンの予防老化予防に効果的と言われている。

しかも、βカロテンは必要な量だけ体内でビタミンAに変換するという優れもの。ビタミンAは、視力を維持するには欠かすことのできない栄養素なのも嬉しいポイントである。

 

 

ビタミンK

ビタミンKの役割は、出血した時に血液を固めて止血する働きのほか、骨に存在するタンパク質を活性化し、骨の形成を促す作用がある。

犬は腸内細菌によってビタミンKが合成されると言われているが、それだけで1日の必要量を補えないともいわれている。そのため、普段の食事からも不足しないよう補ってあげたい栄養素だ。

 

 

マグネシウム

血圧や体温調整、神経伝達には欠かせないミネラルのひとつ。

もちろん、過剰摂取は尿路結石を引き起こす要因にもなってしまうが、気にしすぎて摂取せずにいると欠乏症による神経障害や骨、血圧などに異常をきたす場合もある。

犬の健康維持には必要不可欠なマグネシウム。バランスよく摂取を心がけたい。

 

生もずく・塩もずくの与え方

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もずくは生でも食べられる食材。磯の香りが特徴的で好みによっては、湯通しする人、しない人に分かれるだろう。

だが、犬に与える分は必ず湯通しして、できるだけ消化にいい状態で食べさせるようにしよう。

また、塩もずくを扱う場合はしっかりと塩抜きする必要がある。夏の新物はもずくをザルに移して2~3回ほど水で洗えば塩は抜けるが、冬場に購入したもずくは塩がしっかり入っているので、30分~1時間程度は水にさらして塩抜きしよう。

それでも塩味が気になる場合は、さらに水に浸すか、茹で時間を長くして塩抜きしたい。

塩抜き後は、水気を切ってから使うのだが、中には長いものもあるので、食べやすいサイズに切ってから与えるようにしよう。

 

 

さいごに

犬 もずく モズク 食べる 与え方 大丈夫 酢

もずくの特産地は沖縄県。「もずく(イトモズク)」と「オキナワもずく」の2種類が養殖されており、養殖物の全国シェアは実に99%以上が沖縄産というのだから驚きだ。

かつての長寿大国である沖縄で古くから食べられてきた食材だけあって、もずくには健康に役立つ栄養が豊富に含まれていることが分かった。

最近では、乾燥タイプのもずくも販売されているので、そちらをチョイスしてみるのも良い。ぜひ上手に活用して、愛犬と飼い主さんの健康サポートに役立ててほしい。

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