オリバー、お帰り!引退した盲導犬がパピーウォーカーの元へ帰る

オリバー 盲導犬
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これは2003年10月5日にTBSテレビの「どうぶつ奇想天外!」で放送されたドキュメンタリー番組で、盲導犬オリバーが引退してパピーウォーカーの元に帰り、幸せな余生を送るお話でした。

オリバーなど盲導犬がどのような生き方を送るのか、育ての親のパピーウォーカーとの関係などを知ることができ、心の底から感動したとの声が多く今でも評価が高いお話です。

 

盲導犬オリバーのお話とは?

ラブラドール・レトリーバーのオリバーは北海道の札幌で10歳まで盲導犬として働いていましたが、2003年春に12歳で引退します。

その後はリタイアした盲導犬用の老犬ホームに入所していましたが、ある日腫瘍が見つかりました。

その話を聞いた元パピーウォーカーの佐藤さんという方が、「残された余生を子犬のころに過ごした自宅で一緒に過ごしてもらいたい」と申し出て、佐藤さん宅に引き取られることになります。

老犬ホームから車に乗せられたオリバーは、「次はどこに連れて行かれるのだろう?」とでも言いたげにどこか不安気な表情を見せます。

果たしてオリバーは10年以上前に育てられた家を、佐藤さんご家族を覚えているのか?

そして、オリバーを乗せた車は施設を出発し、やがて佐藤さん宅に到着しました。

 

パピーウォーカーを覚えていたオリバー

施設の車からオリバーが降りて、施設の方に連れられて佐藤さん宅に近づくと、玄関前にはお母さんと仲良しだった娘さんが出迎えていました。

すると二人を見つけたオリバーが走り出し、リードを持っていた職員の方がそれを離すと、一目散に駆け寄ったのです。

オリバーは、10年も前に可愛がってもらったパピーウォーカーをしっかり覚えていたのです。

そして、二人に飛びついて思い切り甘えるオリバーはもう盲導犬ではなく、小さかった子犬のオリバーでした。

 

何もちゅうちょせず家に入るオリバー

連れて来てもらった職員の方をお母さんと娘さんと一緒にお見送りすると、自分が先頭になってまるで今までその家にずっと住んでいたかのように入っていきます。

そして娘さんが、オリバーが子犬のころにお気に入りだったというスキー用手袋を「オリバーとまたいつか遊べる時が来ると思い取っておいた」と語りながら出しました。

それを手にはめたのをみたオリバーは、子犬のようにかじって遊び始めます。

10年も前のことを何もかも覚えていたオリバーの姿に、涙が止まらないとこの番組を見た視聴者からは、「感動した」とするとても大きな反響があったそうです。

 

盲導犬のパピーウォーカーとは?

パピーウォーカーは、生後2ヶ月の盲導犬候補に選ばれたラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーの子犬(パピー)を、1歳前後までの約10か月間家族の一員として自宅に迎えます。

その間にパピーが人と安心して暮らすことができるようにするための関係をつくり、家の外のさまざまな騒音に慣らし、室内で人と暮らす際のルールを教えるボランティアのことです。

各地に訓練センターがありますが、共通のパピーウォーカーになるための基本条件があります。

  • 訓練センター近くに在住してワンちゃんが乗れる車がある
  • 月に1回、訓練センターが開催するレクチャーに参加できる
  • 室内に飼育場所が確保できる
  • 留守にすることが少なく、パピーの世話に時間を合わすことができる
  • 主たる飼育者が65歳以下で、育成に家族全員が参加できる
  • ほかの犬を飼育していない
  • 集合住宅の場合は、大家など管理者の承諾を得ている

なお、室内の飼育場所とは、リビングに縦62㎝・横93㎝・高さ70㎝のケージを設置でき、85cm四方のトイレスペースとパピーの運動用スペース(家具がない広い部屋など)を確保できることです。

また、パピーのフードや消耗品、ワクチンや狂犬病注射等を除く治療費などはパピーウォーカーの負担となります(月々4,000~5,000円程度)。

 

街中や施設などでオリバーのような盲導犬に出会ったら?

盲導犬がハーネスを着けている間は大切な仕事をしているので、可愛いからと手招きしたり、食べ物を与えたり、大きな声を出したりしないようにしましょう。

ただ、もし盲導犬とその飼い主さんが道に迷ったりして困っている様子を見せていたら、盲導犬にではなく飼い主さんの方に「どちらへ行かれますか?」などと声をかけてあげましょう。

 

盲導犬をリタイアした犬の里親募集とは?

日本盲導犬協会では、引退したワンちゃんを家族として迎え入れるボランティアを募集していて、オリバーを引き取った佐藤さんもこのボランティアとして申し出たのではないかと思われます。

この引退犬飼育ボランティアになる基本条件は次の3つです。

  • 訓練センターの近郊在住でワンちゃんを乗せる車があること
  • レトリーバー種は大型ですが、室内飼育が可能であること
  • 家を留守にする時間が少ないこと

ただ、このボランティアでは引退したワンちゃんとのマッチングを試すトライアル期間があり、その結果によっては委託されないことがあります。

また、ワンちゃんにかかる医療費の一部は、日本盲導犬協会に負担してもらえます。

 

オリバー、お帰り!引退した盲導犬がパピーウォーカーの元へ帰る・まとめ

放送から20年が経ちましたが、佐藤さんのお宅に引き取られてからの盲導犬オリバーの近況はわかりませんが、きっと優しさに包まれて虹の橋を渡ったことでしょう。

オリバーなど盲導犬は人の命を預かる大切な使命を果たす補助犬であり、「身体障害者補助犬法」が施行されているにもかかわらず、いまだに入館を断る施設が多いと聞きます。

日本での盲導犬への理解がもっと拡がって行くことを切に願います。

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