犬が骨折した!痛がらない時の見分け方は?治療費はいくらかかるの?

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ワンコは身体に異変があっても言葉で伝えられないだけでなく、それを隠そうとします。

それは骨折した時も同じで、「痛い!」と訴えるような仕草を見せません。

そのような犬の骨折は、人間が早く見分けて治さないと治療費がかさむことになります。

気づくのが遅れたばかりに、ギプス固定で済むとところを手術が必要になることが多いのです。

犬の骨折は治療費が数千円から数十万円まで幅が広い疾患です。

ここでは誘因や見分け方、後遺症を残さないケアや、治療費などについて紹介します。

 

犬が骨折するのはなぜ?トイプードルは骨折しやすいってホント?

ワンコの骨が折れるのにはさまざまな誘因があります。

一般には大人のワンコより、まだ骨が成長しきれていないワンコに多く見られます。

そして、屋外よりも段差がたくさんある屋内に危険がたくさん隠れているとされています。

 

ソファやベッドなどから飛び降りる

さほどの高さがないと思われるソファやベッド、いつも乗り降りしているからと安心はできません。

ワンコが飛び降りた際には細い前脚の肘から先にある橈骨や尺骨に全体重がかかります。

ちょっとした弾みで折れてしまう可能性が高く、日常の生活で最も多いとされています。

 

階段から落ちる

木製の階段はとても滑りやすく、人間でも滑って落ちることがありますが、ワンコにも危ない場所なのです。

人間を追いかけて慌てて降りようとして脚を滑らせて落ちて折れることが多く、特に小さい子にとって階段の昇降は危険です。

 

フローリングの床で脚を滑らせる

ワンコにとって、滑りやすいフローリングの床は大敵です。

遊びに夢中になって走り回っているうちに勢いがつきすぎて転倒する事故が多いとされています。

特に思いきり走り回れる小さなワンコは要注意です。

 

抱っこしていて落とす

ワンコを抱っこしていて、うっかり落としてしまう事故がよく起こります。

ワンコからみればに相当な高さがありますし、不意に落とされるとおかしな落ち方をしてしまい、折れてことがあるとされています。

 

人間に踏まれる

ワンコが足元にじゃれ付いてくる時や、寝ているのに気づかずにうっかり踏んでしまうことがあります。

さらにうっかり事故として、絞めたドアに挟まれて折れてしまうことも多いです。

 

家の外でのトラブル

散歩中にリードが外れて飛び出して交通事故に遭う、ほかのワンコとケンカするなどで起こることがあります。

また、競技に出場した際や、その練習などでのアジリティでの事故も多いそうです。

 

老化による骨粗鬆症

高齢になるとワンコも人間と同じように骨密度が低下して、身体中の骨がもろくなり折れやすくなります。

 

骨折しやすい種類

体型ではスリムで小さいワンちゃんや、脚が細くて長いワンコが折れやすいとされています。

  • トイ・プードル
  • チワワ
  • ポメラニアン
  • マルチーズ
  • ミニチュア・ピンシャー
  • イタリアン・グレーハウンド

 

犬は骨折しても痛がらない、その見分け方とは?

言葉で伝えられないワンコは、痛みをじっと耐えています。

それは、野生動物だったころの習性が残っているのかもしれません。

上述の誘因に心当たりがなくとも、次のような行動やしぐさが見られたら折れているかもしれません。

  • 脚を引きずって歩いている
  • 脚を床に付けないように歩いている
  • 脚の一部分をしきりに舐め続けている
  • 腫れている脚があり、触ると熱を持っている
  • 歩いている際に、ふらついたりよろめいたりしている
  • 元気がなく食欲もない
  • 部屋の隅などでじっとしている
  • 身体、特に脚を触られることを嫌がる
  • いつものようにトイレに行けず、オシッコやウンチを漏らす

これらの行動が見られたら、念のために獣医さんの診察を受けた方が良いでしょう。

また、自宅でとりあえずの見分け方として、おかしいと思ったら支えてあげながら立たせてみましょう。

もし折れているとその脚を地面に着けようとしませんので、それがサインです。

 

骨折した際に後遺症を残さない応急処置とは?

ワンコの骨折に気づかずに放置してしまったり、あるいは正し応急処置をしないと後遺症が残るケースがあります。

折れた部位が脚などで、ほかにケガがなければ下記の方法で副木(そえぎ)を作って固定してあげましょう。

 

用意するもの

  • タオル
  • 割りばし(しっかりした段ボールや定規など、細くて硬いもの)
  • テープ
  • 包帯(なければハンカチやタオルでも可)

 

固定のやり方

  1. 折れている部位にタオルを巻いてテープで固定する
  2. 割りばしなどを当てて、脚と一緒に包帯やテープで固定する

この際に強く巻き過ぎると血流を妨げたりしてしまうので、外れないくらいの強さで巻きましょう。

ただし、ワンコが興奮していて脚を触ると嫌がり、咬み付くような仕草を見せているようなら処置せずに獣医さんのところへ連れて行きましょう。

 

交通事故や落下事故の場合

このような身体や頭に衝撃があったと思われるケースでは、見えない部位に問題が生じているかもしれません。

動かして悪化させてはいけませんので、なるべく動かさないようにしましょう。

段ボールや板、毛布などを担架がわりにして、できるだけ動かさないようにしながら運んでください。

車で運ぶ際にはケガをしていない側を下に寝かせます。

ケガが大きく意識もないような状況では、倒れたままの姿勢をできるだけ維持しながら車に乗せてください。

 

脚の骨折時の治療法と費用は?ギプスのみでも治せるの?

ワンコの足の骨折は主に以下の方法で固定されます

カッコ内はおおよその金額ですが、施設の違いなどでピンからキリまでさまざまです。

ひとつ言えるのは、気づかずに放置して悪化させてしまうと金額が高くついてしまいます。

早めに手当てをしてもらうことが大切です。

 

ピン・プレート固定法(100,000円~500,000円、麻酔・入院込み)

全身麻酔をかけて切開して、折れている部位をピンやプレートで固定します。

元通りに復元させるのに優れていますが、ワンコの負担が大きい術式です。

 

創外固定法(100,000円~500,000円麻酔・入院込み)

折れている部位の皮膚の外側からピンを使って固定する方法です。

切開せずに固定できるので、骨が出ている開放骨折や歯周病でのアゴの固定などのほか、骨が粉々に砕けた時などに施術されます。

 

外副木固定法(5,000円~60,000円)

折れた部位を外側からギプスで固定します。

軽くて骨がずれていないようなら、アルミニュウムやプラスチックなどの副木を当てて包帯で固定します。

安価で治療できる上、ワンコの負担が少ないのが嬉しい方法です。

ただし、骨が自然につながるのを待つために2ヶ月ほどは副木を外せず、安静にさせておかなければなりません。

 

犬の骨折のケアとは?トイレはどうする?

ギプスを装着している間やプレートが入っている間は安静にさせなければなりません。

以下のことを守って、回復のサポートをしてあげてくださいね。

  • 化膿を防ぐ抗生剤や消炎鎮痛剤は指示どおりにきちんと飲ませる
  • ケージなどを快適な場にしてあげて、ゆっくり休めるようにする
  • ギプスなどをかじられないように、また術創を舐めないようにエリザベスカラーを装着する
  • トイレはできるだけ支えてあげてサポートする
  • サポートしてもオシッコやウンチが出ないようならオムツを装着する
  • シャンプーやトリミングは治るまでやらない(臭いは我慢してあげましょう)
  • 運動不足になるので、カロリーコントロールに注意して体重が増え過ぎないようにする

なお、獣医さんがいるトリミングサロンならば、シャンプーやトリミングを頼めるかもしれませんので聞いてみましょう。

 

トイレのサポート

動くのが嫌でがまんしてしまうワンコが膀胱炎を起こしてしまうことがよくあります。

とは言え、ケージの中にトイレシートと一緒に入れっ放しではストレスが溜まることでしょう。

自分で3本足で歩いて用を足す子もいますが、トイレの素振りを見せたら手を貸してあげましょう。

また、抱っこして外に連れていくのも効果的で、歩けなくとも外に行くと用を足すワンコは多いようです。

 

リハビリは焦らずに

ギプスが取れた、または抜糸が済んだらリハビリが必要です。

その際はいきなり前と同じように運動をさせてはいけません。

散歩や遊びは、獣医さんの指示に従ってゆるゆると戻していきましょう。

 

犬の骨折の治療費が払えない!どうしたらいいの?

骨折の状態などで治療費が高額になることがあります。

数十万円となると、すぐには払えないこともあるでしょう。

そうなると、何といっても頼りになるのはペット保険ですね。

骨折は先天性のものでなければ保険金支払いの対象になりますので、ペット保険に加入しておくことをおすすめします。

 

骨折を予防するには?

また辛い思いをさせないために、以下の点に気をつけましょう。

  • ワンコが乗るソファやベッドの下に座布団やクッションを敷いておく
  • 階段や床には滑り止めやカーペットなどを敷いて滑らないようにする
  • 抱っこする時はしっかりホールドして絶対に放さないようにする
  • 足元にワンコがいないかいつも気をつける
  • 体重が増えると折れやすくなるので、食事のバランスに気をつける

 

犬が骨折した!痛がらない時の見分け方は?治療費はいくらかかるの?まとめ

愛犬の周囲にはいつも骨折の危険でいっぱいです。

犬は飼い主さんが思わぬ行動を取ったり、ちょっとした不注意で簡単に骨折していまいます。

そして、犬は骨折しても痛みを隠そうとするので発見が遅れることが多いのです。

犬の骨折の発見が遅れると、悪化するだけでなく治療費が跳ね上がることになります。

それを防ぐためにも少しでも異変を感じたら獣医さん診察してもらいましょう。

そのために、いつでも診察してもらえるかかりつけの獣医さんを作っておきましょう。

そして、犬の骨折は高額になるので、ペット保険に加入することをおすすめします。

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