犬のアナフィラキシーショックってなに?アレルギーや食事は?

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皆さんは、アナフィラキシーショックという言葉をご存知でしょうか。

近年、アナフィラキシーになる確率が高いのに、アレルギー物質を人間に強引に食べさせて大問題になる事件を聞いた事がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

犬もアレルギー物質を食べさせたりすると、アナフィラキシーに陥ります。

アナフィラキシーショックは放っておくと死に至る恐れがあり、放置は絶対にいけません。

 犬をアナフィラキシーから遠ざける為、予め知識を蓄えておきましょう。

 

犬のアナフィラキシーショックとアレルギー反応

アナフィラキシーの発生メカニズムを解説しますね。

まず最初に、体の中にアレルギー物質が入り込みます。

免疫は、侵入した異物に吃驚し、アレルギー反応を誘い排除を試みるんですね。これがアナフィラキシーで、嘔吐、下痢、皮膚の発赤や痒み、蕁麻疹、鼻炎、喘息、気管支の炎症、咳といったさまざまな異変が顕れます。

更にアナフィラキシーショックに陥った時には拍数が増える頻脈、低血圧症、呼吸困難、痙攣、昏睡、意識混濁といった異状が出現し、早急に処置を施さなければ1時間ほどで死ぬ事があります。

体がおかしい時は、すぐに動物病院に足を運んでくださいね。

 

犬のアナフィラキシーを招く食べ物とは?

アナフィラキシーに陥り易い食材は卵、牛乳、柑橘類、チョコレート等です。

なお、卵、牛乳、柑橘類、チョコレートのほかにも、牛肉やぶた肉、ダイズ等アナフィラキシーに陥り易い食べ物は幾つかあります。

現代社会の人間用の食べ物は、科学の進歩の影響も手伝って人間が美味しく食べられるように改良されており、犬や猫等人間以外の動物には害となる事があるのです。

犬のアナフィラキシーの阻止の為にはこれらをあげるのは控えて下さい。

また、少しあげただけでは何もない場合でも、多量に餌をあげる事で犬のアナフィラキシーを招く事もあります。

普段あげているドッグフード以外をあげる時で、アナフィラキシーに陥るのではないかという懸念が残るものの、犬がその食べ物を欲しがっている時は、多量にあげるのではなくちょっとずつあげるようにしましょう。

さらに、成犬になると食物アレルギーが寛解したり、完全に治癒する事もあったり、生のものは駄目でも加熱して火を通す事で普通に食べられる事もあるようです。

 

穀物

小麦、米、トウモロコシといった穀物類はアナフィラキシーに陥り易い食材です。

穀物類に含有されるグルテンは、アナフィラキシーを生じさせます。

又、かさ増しや栄養価のアップの為にグルテンやその他の穀物の成分を含有するドッグフードもあります。

ただ、グルテンフリーやグレインフリーのドッグフードも売られている為、穀物アレルギーを疑う飼い主はグルテンフリーやグレインフリーのドッグフードを選ぶのが安心ですね。

 

卵は体の成長に必要不可欠なタンパク質等、栄養価がたっぷり詰まった食材です。

実は、卵はアナフィラキシーを招き易いといわれているんですね。

卵の黄身にはビオチン、卵の白身にはアビジンという成分が入っています。

ビオチンとアビジンを体の中に取り込むと免疫機能が低下し、アナフィラキシーに陥らせる事があります。

 

牛乳

牛乳は栄養価が豊富なドリンクですが、牛乳のタンパク質はアナフィラキシーを陥らせ易い為、人間用の牛乳を飲用させないよう用心しましょう。

犬がミルクを欲しがっていてあげたい時には、犬用のミルクやヤギミルクのほか、アレルギーに配慮した犬用の乳製品等をあげてください。

 

柑橘類

酸っぱい酸味が特徴のオレンジやレモン、グレープフルーツといった柑橘類に含有される成分がアナフィラキシーを招く事が稀にあります。

又、柑橘類を用いたオイルや精油が犬の体に触れる事で皮膚に影響を及ぼす事もある為、手の届かないところにしまい込むといった配慮をしなければいけません。

 

チョコレート

チョコレートは、人間にとって甘くほろ苦い味わいでとても美味しい食べ物ですが、犬に食べさせるとチョコレート中毒に陥る事があります。

チョコレートの原料であるカカオには、テオブロミンが入っています。このテオブロミンがチョコレート中毒を招くのです。

 

ワクチンや投薬が犬のアナフィラキシーショックを招く?

ワクチンの接種や投薬が犬をアナフィラキシーに陥らせる事も稀にあります。

最近は、ワクチン・薬剤アレルギーを持っている犬の為に、混合型のワクチンを打つ事がほとんどです。

但し、混合型のワクチンがアナフィラキシーを招く事はあるようです。

動物病院でワクチンの接種や投薬をしてもらう時は、なるべく午前中に来院しください。

また、アナフィラキシーに陥っても直ちに様子を見に行けるよう、ワクチン接種や投薬をしてから暫くの間は、動物病院の付近に滞在しておくようにしましょう。

 

狂犬病ワクチンが犬のアナフィラキシーを招くケースも

狂犬病は、人のほか、犬や猫、キツネやアライグマ、コウモリやコヨーテなどすべての哺乳類に感染する恐ろしいウイルス性の病気であり、狂犬病にかかった動物に噛まれる事で伝染するんですね。

その恐ろしさは、狂犬病にかかったら100パーセントの確率で死に至る恐れがあるといわれる程です。

犬も飼い主であるご自身も、恐ろしい狂犬病から身を守る為に狂犬病ワクチンを打つ必要があります。

狂犬病ワクチンは、1年に1回必ず打たなければなりません。

なぜなら、狂犬病ワクチンを打つ義務が「狂犬病予防法」という法律で定められている為です。

基本的には、狂犬病ワクチンを打たない場合は罰金が科せられます。わざと打たない場合だと、悪質であると捉えられ罪が重くなることがあります。

ところが、稀に狂犬病ワクチンがアナフィラキシーを招くケースも散見されています。

狂犬病ワクチンが顔の腫れを招いたり、発熱や蕁麻疹、発赤やかゆみを招く事があるようなんですね。

犬が狂犬病ワクチンを要因とするアナフィラキシーを招く体質であれば、狂犬病ワクチン接種の免除申請を行いましょう。

 

蜂が犬のアナフィラキシーショックを招く?

人間は、蜂毒を要因とするアナフィラキシーショックに陥る事があります。

犬も人間と同じで、蜂に刺されると蜂毒が体全体に回り、アナフィラキシーに陥る事があるのです。

軽めのアレルギー反応であれば、動物病院来院前に蜂の針を抜き、刺された患部を冷やす事で症状が緩和される可能性があります。

 

犬の遅延型のアナフィラキシーとは?

犬のアナフィラキシーの種類は、即時性のものと遅延型のものに分類されます。

遅延型は、体内にアレルギー物質が入り込んだ後、しばらくの時間が過ぎ去った後に症状が現れます。

アレルギー反応を招く食べ物を体内に取り込んだ場合、およそ30分後にアナフィラキシーの症状が現れる事も少なくありません。

又は、1日〜2日後と、日を跨いでから症状が現れる事もあります。

アナフィラキシーの症状が出現していないからといって油断せず、犬の体におかしいところが無いか見守る事が重要です。

 

犬がアナフィラキシーショックで死亡する?

アナフィラキシーショックは、最悪死ぬ恐れがある為、充分な注意を払わなければなりません。

ショック状態に陥ると、低血圧、興奮状態になり内臓の出血が起き、下痢や嘔吐等が出現します。

さらに酷くなると、痙攣が起き、呼吸が浅くなり昏睡状態に陥ってしまうのです。

アナフィラキシーショックに陥り易いか否かには個体差があり、治療が遅延した時や重症の時には死に至る事があります。

 

犬をショック状態から回復させるには?

犬がアナフィラキシーショック状態に陥った時には、一刻も早く動物病院に足を運ばなければいけません。

動物病院に来院後は、応急処置と検査が並行して行われます。

応急処置と検査が終了した後は、ステロイド、抗ヒスタミン剤、エピネフリンなどの薬剤を用いた治療が施されます。

その後はステロイド、抗ヒスタミン剤、エピネフリンなどの薬剤を投薬しながら様子を見ます。

 

まとめ

アナフィラキシーは、アレルギー検査で押し留められる事もあります。

ただ、アレルギー検査を行ってもアナフィラキシーになる事もあるのが現状なんですね。

犬をアナフィラキシーショックから遠ざけるため、食事はできる限り犬用の主食フードのみを給餌してください。

手作りご飯をあげるという手法は一見良さそうに見えますが、知識がない飼い主が手作りご飯をあげてしまうと、逆にアレルギー物質が入り込む確率が高い為、あまりおすすめはしません。

また、何らかの異常の出現時や治療の際には、こまめにメモ帳やノートに書き留めるクセをつけておくなどして、いつでもトラブルに対処できるような措置をとっておきましょう。

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