犬が伝染性肝炎になった!犬伝染性喉頭気管炎の症状って?

犬 伝染性 肝炎
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犬の伝染性肝炎は「犬アデノウィルス」によって引き起こされ、仔犬では致死率が高い伝染病です。

また、「アデノ」とは扁桃腺やリンパ節を意味するギリシア語で、このウィルスが増殖する場所を表しています。

犬アデノウィルスには2種類あって、肝炎を起こすものと喉頭気管支炎を起こすものとがあり、どちらも伝染性で感染力の強いウィルスです。

そして残念ながら、どちらのウィルスにも直接叩いて死滅させるような特効薬はありません。

そのために、どちらの疾患もかかってしまうと症状を和らげる対症療法しかなく、とにかくワクチンで予防することが大切とされています。

ここではこの2つの疾患についての解説とワクチンによる予防をご紹介します。

 

犬アデノウィルス感染症とは?

犬アデノウィルス1型(CAV-1)は伝染性肝炎を起こし、犬アデノウィルス2型(CAV-2)が伝染性の咽頭気管支炎を引き起こします。

この2つは同じ属で、どちらも経口から感染します。

アデノウィルスといえば、人ではプール熱など50種以上のタイプがあって感染することが知られていますが、今のところは人と犬では感染するウィルスが異なりお互いにうつしあうことはありません。

なお、どちらも一般に販売されている家庭用洗剤やヨード液、または塩素系漂白剤を水で薄めたもので拭くと不活化されます。

 

犬伝染性肝炎とはどんな疾患?

犬アデノウィルス1型(CAV-1)によって伝染するもので、尿やウンチ、唾液を介してうつります。

成犬では症状が出ないケースもあって症状さえ治まってしまえば安心ですが、1歳以下の仔犬が感染すると致死率が高い恐い伝染性肝炎で4つの型があります。

 

劇症型

仔犬に多く、非常に高い致死率で、急激に腹痛が起こり高熱を発して虚脱状態になります。

そして、12時間~24時間以内に90%が死に至ると言われています。

さらに吐血することがあり、血便となって出て来る時もあります。

 

重症型

潜伏期が2日から1週間程度あり、次第に元気がなくなって高熱を出して鼻水が止まらなくなります。

さらに食欲が低下して、嘔吐、下痢、血便、黄疸などが見られ、腹痛がひどく腹を触らせなくなります。

1週間ほどで回復しますが、目の角膜が青白く濁る「ブルーアイ」が現れます。

 

軽症型

軽い腹痛、微熱、下痢、嘔吐が2日~10日ほど現れます。

 

不顕性感染型

見た目は全くいつも通りで感染していることも気づきませんが、ウィルスを保有しています。

 

こんな症状が出たら直ぐ診察をうけましょう!

劇症型であれば一刻を争います。

ひとまず下記のいずれかが現れたら、すぐに獣医さんの診察を受けてください。

  • 元気がなく、ぐったりしている
  • 食欲がない
  • 発熱がある
  • お腹を痛がっている(触らせない)
  • 嘔吐が見られる
  • 下痢をしている

劇症型はもちろんですが、重症型のケースでもほかの危険な疾病を併発する恐れがあります。

とにかくおかしいと思ったら自己判断せずに獣医さんに診てもらうようにしましょう。

 

犬伝染性喉頭気管支炎とはどんな疾患?

同じウィルス属の犬アデノウィルス2型(CAV-2)によって起こされる伝染性の咽頭気管支炎です。

「ケンネルコフ(犬小屋風邪)」というワンちゃんがかかる風邪があり、これは複数の病原体によって引き起こされ感染力が高いことがわかっています。

このウィルスのほかにパラインフルエンザウィルスやボルボデラ菌といった病原体が知られていて、唾液や痰、鼻水、咳による飛沫、排泄物などから感染して、下記の症状が現れます。

  • ノドになんかが詰まったかのような空咳が続く
  • 発熱がある
  • 鼻水を垂らす
  • 目ヤニが目立つ
  • 食欲がなくなる

やはり対症療法しかないためにワクチンで防ぐことになりますが、命が危険にさらされるような心配はありません。

しかし、重症化して抵抗力がおちると、違う細菌による二次感染で肺炎などを起こすことがあるので、抗生物質の予防投与などをすることがあります。

 

伝染性肝炎と伝染性喉頭気管支炎の治療は?

どちらも対症療法しか施せないので、点滴による輸液で脱水と低血糖を防止します。

また、吐血や血便が出ているようであれば止血剤を投与するか、ひどい時には輸血をすることがあります。

また、喉頭気管支炎では空咳を止めるためにネブライザーによる吸入治療や、二次感染予防の抗生物質を投与します。

いずれにしても、様子を見ながらの対症療法を実施しながら回復を待つしかありません。

 

2つの疾患を予防するにはどうしたらいいの?

ここまで再三書いてきたようにワクチンによる予防しかありません。

特に仔犬の伝染性肝炎が恐いですから、必ず接種しておきましょう。

ただし、母犬の免疫力が残っているようだと1度の接種ではワクチンの効果が現れませんので、複数回の接種するようにしてくださいね。

アデノウィルスのワクチンを含む混合ワクチンは2種から10種ほどまで多種あり、6,000~8,000円ほどで接種してもらえます。

その中でも5種混合ワクチンは「コアワクチン」と呼ばれていて、基本となります。

獣医さんのお考えや地域事情などを考慮して接種するワクチンが選ばれていますが、ネットで見る限り、多いのは5種混合と8種混合の複数回接種です。

 

5種混合ワクチン

  • 犬伝染性肝炎(CAV-1)
  • 犬伝染性喉頭気管支炎(CAV-2)
  • 犬ジステンパー
  • 犬パルボウィルス感染症
  • 犬パラインフルエンザ感染症

 

8種混合ワクチン(5種混合ワクチンに加えて)

  • 犬レプトスピラ感染症(カニコーラ型)
  • 犬レプトスピラ感染症(イクテロヘモラジー型)
  • 犬コロナウィルス感染症

なお、犬レプトスピラ感染症は人にも伝染する人獣共通感染症です。

 

ワクチン接種プログラムの1例(狂犬病ワクチン含む)

  1. 生後8週間~:5種混合ワクチンを接種
  2. 生後11週間~:5種混合または8種混合ワクチンを接種
  3. 生後14週間~:5種混合または8種混合ワクチンを接種
  4. 生後110日:狂犬病ワクチン

なお、狂犬病ワクチンについては生後91日以降に接種することが義務付けられています。

 

コアワクチンで予防できる疾患ってどんなもの?

5種混合のコアワクチンで予防できる疾患のうち、犬伝染性肝炎と犬伝染性喉頭気管支炎は先にご紹介しましたので、そのほかの3つの疾患について解説します。

 

犬ジステンパー

ウィルスによるこの感染症は強い伝染力と高い致死率の恐ろしい疾患です。

脳炎を併発してしまうことや、神経症状の後遺症が残るなど予後も悪いことが知られています。

かつては日本でも猛威を振るったウィルスですが、ワクチンの普及で最近の日本ではあまり聞かなくなりました。

ウィルスを叩くことができる薬がありませんので、ワクチンで防ぐしかありません。

仔犬の時にしっかりワクチン接種を受けておかないと、成犬になって感染することがあります。

 

犬パルボウィルス感染症

このウィルスも感染力がとても強く、しかも消毒などが効かず感染しない状態でもしばらく生き残っているやっかいなウィルスです。

やはり免疫を持たない仔犬で感染しやすく、致死率が高い危険な感染症なのです。

腸炎に似ていて、感染すると数日から2週間ほど潜伏してから以下の症状を引き起こします。

  • 元気がなくなる
  • 食欲が落ちる
  • 発熱する
  • 嘔吐する
  • 下痢をして血便も出る

ほかのウィルス感染症と同じく、弱って免疫力が落ちたところで細菌などによる二次感染が起きやすく、敗血症で命を落としたりすることがあります。

これにも特効薬はなくワクチン接種による予防が、愛犬を守る全てです。

 

犬パラインフルエンザウィルス感染症

これもまた感染食が大変強く、CAV-2とともに「ケンネルコフ」の病原体のひとつとされています。

ただ、単独で命を奪うほどでななく軽い症状で済むことがあります。

しかしだからといって、重症化してしまうとワンちゃんの体力を消耗させて二次感染を引き起こしますので楽観視できないウィルスなのです。

 

アデノウィルスは2種類あるのになぜワクチンは1種類なの?

5種混合ワクチンは5つのウィルス感染症を予防するワクチンですが、実は4種類のワクチンの混合で、アデノウィルスCAV-1とCAV-2は同じワクチンなのです。

当初、肝炎にはCAV-1から作られたワクチンを使用していました。

予防効果はかなりあったとされていますが、このワクチンを使用することで角膜が青白く濁ってしまうブルーアイが頻発することが問題となっていたのです。

その後、CAV-2を変異させて作られた生ワクチンがCAV-1にも効果があることがわかって、このアデノウィルス2種に対しては1種のワクチンで良いことになっているのです。

現在のこのワクチンによって、伝染性肝炎も伝染性喉頭気管支炎においても、ブルーアイが出現することなくしっかり予防されています。

 

犬が伝染性肝炎になった!犬伝染性喉頭気管炎の症状って?まとめ

犬アデノウィルスによる犬伝染性肝炎と犬伝染性喉頭気管支炎は、どちらも仔犬の時のワクチン接種で防ぐことができる疾患です。

アデノウィルスのみならず、人の新型コロナ感染のようにウィルスを叩く特効薬がありません。

かかってしまったら今出ている症状を抑えるしかない病気であることを理解しておかなければならないのです。

しかし、犬伝染性肝炎も犬伝染性喉頭気管支炎も同じワクチンで予防することが可能です。

5種混合ワクチンによる予防接種を仔犬のうちにしっかり受けさせておけば、成犬になっても安心することができます。

面倒がらずに、愛犬のワクチン接種をしっかりやってあげておいてくださいね。

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