犬が前庭疾患で死亡する?犬の老衰について

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犬の前庭疾患は老犬にさしかかる年齢になるとかかりやすいと言われている病気です。

眼球が小刻みに揺れたり、同じ場所をクルクル回ったりしだしたら要注意。

初めて見る人は「老化現象だろうな」と軽い気持ちで考える人が多いみたいだけど、れっきとして病気だからしっかり診察してもらう必要があるよ。

 

犬の前庭疾患について

前庭疾患の「前庭」とは、平衡感覚をつかさどる領域が侵されることにより神経症状が表れた状態です。

まずは、前庭疾患についてくわしく解説していきます。

 

【犬の前庭疾患】寿命や余命は?

前庭疾患の原因はさまざまで、数週間で回復するものから余命宣告を受けるものまであります。

特に腫瘍が原因で発症した場合、予後が悪くなる可能性も。

腫瘍にしてもそれ以外の原因であってもとにかく早期発見・早期治療ができれば、寿命や余命も変わってくると言われています。

少しでもおかしいと思う行動が見られたらすぐに受診してください。

 

【犬の前庭疾患】寝かせ方は?

犬の前庭疾患は「常に目が回っている状態」で人間でいえば「メニエール病」がわかりやすいでしょうか。

常に目が回っている状態ということは、症状の度合いにもよりますが、吐き気を催していることが非常に多いです。

動き回ると障害物にぶつかりケガをする恐れがあるため、落ち着いて寝れる場所を確保してあげましょう。

また、寝ながらでも目が回っているのでゴロンゴロンと転がることあるため、周囲には何も置かないようにすることも大切です。

ケージがクレートがあればそこに入れてあげるか、なければ飼い主さんがしっかりホールドして動けないようにしてあげてください。

そして、寝室はできるだけ暗く、できれば真っ暗にすることが良いでしょう。

しかし、一人で寝かせておくと恐怖や不安が増す一方なのでできるだけ飼い主さんがそばについて一緒に寝てあげてくださいね。

 

【犬の前庭疾患】マッサージ方法

前庭疾患はマッサージで改善すると言われています。

よろめきや斜頸などの症状が幾分改善ことがあるためです。

寝たきりの場合は、床ずれや脚の関節の硬直を防ぐ効果もあるでしょう。

ただし、適当にマッサージをすると逆に症状が悪化することがあるため、かかりつけの先生にしっかり指導を受けて行うことが大切です。

自宅でできるマッサージ方法をご紹介していきましょう。

  1. 40℃程度のぬるま湯を洗面器に用意し、ハンドタオルなどを濡らし愛犬の首の筋肉をほぐしてあげます。
  2. 次に体にタオルを当て、温め血行をよくして体をほぐします。
  3. 肉球も1個ずつ指圧をするようにマッサージ

といった流れです。

無理やり行うとストレスになってしまうので、嫌がる場合はしないでください。

また、空腹及び食後は避けて、それ以外の時間で行うようにしましょう。

 

【犬の前庭疾患】ご飯を食べなくなる?

前庭疾患は常に目がグルグル回っている様態なので、ご飯を食べなくなるというより、吐き気のため気持ち悪くてご飯が食べられないという子が多いでしょう。

前庭疾患の原因にもよりますが、早期発見・早期治療を行えば数日から数週間で改善し、症状がなくなることが多いため、食欲は戻ってきます。

ですが、後遺症が残ったり再発する可能性もゼロではないので、一度発症したら定期的な受診は欠かせないようにしてくださいね。

 

【犬の前庭疾患】安楽死の選択肢も?

前庭疾患は元々死に至る怖い病気ではありません。

しかし、何の前触れがないことが多く、症状が重症化すると入院治療も必要です。

24時間点滴、服用、注射。

以上のことを行ってもご飯をほとんど食べられない、症状が改善しない状態が続くようであれば、衰弱してしまい体力が持ちません。

かかりつけの先生はよほどのことがない限り安楽死を勧めることはしませんが、症状が改善しないと判断された場合、安楽死の選択を迫られることもあるでしょう。

安楽死という選択肢は本当に辛いものだと思う。けど毎日辛い思いをしているのは愛犬なんだ。改善できないと先生から言われたら愛犬にとってどうしてあげれば幸せなのかを考えて決めてあげてね。

 

【犬の老衰】死の兆候はある?

犬は人間よりはるかに速い速度で年齢を重ねていきます。

当然、死に直面するのも飼い主さんより早いでしょう。

犬ん老衰が進むと普段とは違った様子を見せることがあります。

全ての子に当てはまるわけではないですが、ここでは老衰による死の兆候についてご紹介いきたいと思います。

 

ご飯を食べなくなる

老衰で死が近くなると体のだるさから食欲が落ち、最終的にご飯を食べなくなります。

食べたくないのではなく、食事は多くのエネルギーを使用するため体力がなくなると食べたくても食べられないというのが真実です。

もし食事を食べなくなったらフードに水分を加えたものや流動食などを試してみてください。

また、流動力を与える場合は食道や気管に詰まらないよう頭を高くした状態で与えると良いでしょう。

そして、しっかり飲み込めているのか確認しながら少量ずる与えてくださいね。

 

寝ている時間が多くなる

老衰で体が弱ると寝ている時間が多くなります。

急に寝ている時間が増えたなという場合は要注意。

声をかけても寄ってこない、散歩より寝ることを選ぶ場合は病気が隠れていることもありますし、場合によっては寝たきりになります。

特に大型犬はずっと寝ていると床ずれができやすくなるため、毎日数時間おきに体位変換が必要です。

 

体温が下がる

犬の平均体温は38度~39度。

ですが、体内の代謝が下がると体温を維持できなくなります。

死の直前には人間よりも体温が下がり冷たくなっていくでしょう。

このような場合は、毛布や湯たんぽなどで温めてあげてください。

特に首や脇の下・太ももの付け根など太い血管が集中している場所を温めてあげると効率よく体全体の体温が上昇することがあるでしょう。

 

下痢や嘔吐をするようになる

体が弱ってくると神経系が調整できなくなることで思うように筋肉の制御がきかなくなります。

固形のフードを食べられなくなると、便が下痢になるでしょう。

その便が肛門から漏れることがあったり、嘔吐することも。

もし体が汚れてしまったらきれいに拭いてあげてください。

 

痙攣を起こすようになる

死の直前のタイミングで、少し触っただけでも過剰に反応したり痙攣を起こしやすくなります。

飼い主さんから見れば愛犬が苦しそうに見えるため、驚いてしまうかと思いますが、慌てず無理に抱き上げたりしないでください。

押さえつけるのもNG。

頭や体をぶつけることがないよう、周りに柔らかい素材のものを置き様子をみながらかかりつけの先生に連絡を入れてください。

 

呼吸が不規則になる

死の直前の呼吸にも注意が必要です。

死の直前には浅い呼吸や深く速い呼吸など不規則になってきます。

場合によっては、短期間の呼吸停止が起きることもあるのです。

特にいよいよ最期というときは苦しそうに息をすることが多くなってきます。

死は生きていれば必ず直面する。後悔しないようにするためにも、看取り方をしっかり考えておくことが大切だよ。

 

【犬の老衰】突然死する可能性は?

上記で解説した通り、老衰で亡くなる場合は前兆が見られることが多いでしょう。

老衰が原因で突然死する可能性は低く、可能性があるとすれば心臓に疾患を持っている老犬と考えられます。

突然死が考えられる心臓の病気といえば

  • 僧帽弁閉鎖不全症
  • 致死性不整脈

です。

それぞれの疾患について詳しく解説していきます。

 

僧帽弁閉鎖不全症

犬の心臓病のうち最も多い疾患と言われています。

左心房と右心房の間にある僧帽弁は、血液の逆流を防ぐ役割を担っていますが、機能が衰えてくると血液が逆流する病気です。

中~高年齢で発症することが多く、加齢に伴い進行していきます。

初期には症状がでにくいため、気づかないまま進行し急激に悪化し突然死に繋がります。

症状としては、動きが鈍くなったり、食欲や元気がなくなる、運動をしたがらないなどがあげられるでしょう。

これらの症状が見られたときには既に進行している可能性が高いので、すぐに受診してください。

老犬だと軽くみないことが重要です。

 

致死性不整脈

心拍のリズムが崩れることを不整脈と言いますが、放置して問題ものとすぐに治療が必要なものに分かれます。

心臓がうまく血液を全身に送り出せなくなり、命の危険が迫るような不整脈を致死性不整脈を呼びます。

症状としては、その場で動かなくなったり、意識を失ったり、呼吸が荒くなるなどが見られるでしょう。

すぐに治まることもあるので「大丈夫」と勝手に判断するのは危険。

症状が見られたらできるだけ早めの受診をおすすめします。

老犬も人間と同じで心臓は弱くなっていくから、老衰で突然死することはなくても心臓病を患っている子は突然死する可能性があるよ。

 

犬が前庭疾患で死亡する?まとめ

今回は、犬が前庭疾患で死亡する可能性や老衰について解説してきました。

死はいつか必ず直面するものです。

ですが、どのような最期を迎えるかで愛犬も飼い主さんも後悔しないようにすることができます。

老衰と前庭疾患は紙一重な部分があるね。どちらも「老犬だから仕方ない」と勝手な判断で諦めないで!

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