散歩中に犬同士が会って互いのおしりをクンクン…
人間からするとおしりなんて他人に見せる部分じゃないし、汚いし臭いのに何してるのと思う人がいるでしょう。
これは犬にとって挨拶なのです。
Contents
犬がおしりの匂いを嗅ぐ理由って?
犬の挨拶
人間は生活するのに視覚を頻繁に使っています。
他人を覚えて誰と認識するには顔や格好を見ますね。
外見がいつもと違っていたら聴覚を使い、声で認識することもあるでしょう。
嗅覚が発達している犬は、このようなときも匂いに頼ります。
犬のおしりには肛門腺があり、そこから分泌される匂いは人間が顔を見分けるのと同じくらい犬よって違うようです。
犬は嗅覚が発達していますが、視覚はそうでもありません。
人間なら遠くからでも視覚で相手が誰と認識できますが、犬は知り合いであってもわからないことがあります。
他の犬と会ったら挨拶としておしりの匂いを嗅ぎ、前に会ったことがあるかなどを確認しているのです。
犬同士のマナー
おしりを嗅ぐという行動ひとつで、その犬が社会化できているかどうかがわかります。
社会化ができていない犬、例えば子犬は年上の犬が怖くて近づけなかったり相手に近寄らないでと吠えたりします。
相手のおしりは嗅いでも自分のは嗅がせられない犬は、挨拶は知っているけど恐怖を感じていると読み取れます。
またしつこくおしりを嗅いでいると自分の方が優位だと示したことになり、失礼に当たります。
相手の犬が怒るかもしれません。
人間にはおかしく見えますが、おしりを嗅ぎ合ったあと仲良く遊ぶのはマナーの良い犬同士なのだとわかります。
肛門腺とは?
おしりを嗅ぐと言ってもウンチのニオイを嗅いでいるわけではありません。
トリミングサロンで肛門腺という言葉を聞くことがあると思います。
肛門腺とは犬のおしりにある器官でここから匂いのある分泌液を出しています。
スカンクはここが発達していて強烈な匂いの液を出すことができます。
犬はそこまで発達していませんが、分泌液の匂いから犬は相手の年齢・性別・体調・気分といったたくさんの情報が得られます。
犬にはこれが臭いという感覚はありません。
臭いという感覚は後天的なもので、人間でも赤ちゃんなら排泄物の匂いを気にしないようです。
犬とっておしりの匂いは指紋のようなもの。
全く匂いを区別できない人間は汗の匂いだけでも嫌がります。
しかし汗も犬には情報のひとつであり、その人の特徴という感じで嫌うべきものではありません。
犬は人間のおしりも嗅ぐの?
恥ずかしいですが人のおしりや股間をしきりに嗅いでしまう犬がいます。
相手が女性であればもしかして生理か妊娠中かもしれません。
前に会ったことがあるのか、敵意があるのか、体調の変化までもわかります。
嫌がる人がいると思いますが、ここで相手は逃げたり騒いだりしてはいけません。
犬は喜んでいると勘違いしてますますやるようになります。
嫌がる人にはやめさせるべきですが、犬に何も情報がないと警戒心がとけません。
理由を話して代わりに手の匂いを嗅がせてもらい、少しでも情報を与えてもらって安心させましょう。
猫もおしりの匂いを嗅ぐの?
猫も同様におしりの匂いを嗅ぐことが挨拶です。
犬ほどではありませんが、猫も人間と違って嗅覚が発達しています。
最近では外に出さない飼い主が増えましたが、猫は普段自由に歩きまわり、顎の下を物にこすりつける姿を目にしますね。
これは自分の匂いをつけて縄張りを主張しているのです。
顎の下には臭腺があり、ここから匂いを発しているのですが、おしりからはもっと強い匂いを出しています。
匂いを嗅ぐことで相手の縄張り・性別・体調などの情報を得て、穏やかな暮らしを保っているのです。
犬の嗅覚
犬の鼻の仕組み
動物には鼻腔があり、犬は人間よりも広いです。
ここに空気が溜まって嗅神経を刺激し、脳にある嗅球に伝わります。
犬は鼻腔内にある嗅上皮の面積が人間より広く、細胞も多いです。
更に嗅球も大きいので人間とは比べ物にならないほどの匂いを嗅ぎわけられるのです。
気になる匂い
人間は視覚に頼っているので、寝る前に目を閉じてしまえば情報をシャットアウトできます。
ところが犬は鼻を閉じられないため、常に何かしらの匂いを感じながら生活することになりますね。
一見辛そうですが、臭いと感じる基準が犬は違うようです。
自然の草花の匂いはあって当たり前なので気にしておらず、鈍感だと思われます。
生まれたばかりの子犬は敏感かもしれませんが、化学物質であっても家の中にあるものの匂いに関しては気にしていません。
では何に敏感になるのかと言うと、動物が発する匂いです。
犬の先祖は獲物の匂いを追って狩りをし、自分も敵に狙われながら生きていました。
近くにいる動物の体液や排泄物の匂いは重要なものであり、嗅ぎわけられるかどうかで命に関わってきます。
嗅覚を利用して働く犬として警察犬や災害救助犬が有名です。
最近ではガンを見つける犬がいることが知られています。
普通のペットでも飼い主の体調が悪いときにいつもと態度が違ったという経験はありませんか?
筆者が今までに飼った犬は、家族が風邪をひいたときにやたらと体を嗅いでいたようです。
まとめ
人間は生活する上で視覚を主に使っていますが、それだけではわからないことはたくさんあります。
例えば病院で診察を受けるとき、年齢・体調の良し悪し・持病があるかなどは聞いてみなければわかりません。
犬はこれらの情報が匂いでわかってしまいます。
失明した犬でも元々嗅覚に頼っているので、人間のようには不自由を感じていないようです。
犬を飼うと社会化させなければいけないと言いますが、実は人間社会が特殊で犬の方が自然な生き方を知っているのかもしれません。