【専門家監修】タバコを犬が食べた!犬がタバコを食べた時の症状や危険・対処法も紹介

犬 タバコ 食べた
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犬を室内飼いしていると、自分が届くところあるものには何でも興味を持って、目を放すといつのまにかイタズラしていることはよくありますよね。

どれほど注意をしていても愛犬の誤飲事故は必ずといってよいほど起こってしまいます。

散らかっているお宅ではもちろんのこと、片付いている家庭でもちょっとしたスキを突いて愛犬はいろいろなものを口にしては飲み込んでしまいます。

飲んだものに毒性がなく、ノドや消化菅にも詰まることなく排泄されてしまえば良いのですが、そうでなければ大変なことになります。

犬にとって危険物がさまざまある中で、犬が食べたら最悪なものが「タバコ」です。

ここでは愛犬がタバコを食べてしまった時の症状や対応などをご紹介します。

【専門家監修】若林あき子

専門家 監修
【動物関係の保有資格】

●JKC愛犬動物飼育管理士●愛玩動物救命士●JCSA動物看護士●犬のしつけインストラクター●犬の栄養管理士●ペット介護インストラクター●ドッグトレーニングアドバイザー…等

タバコを犬が食べたけど大丈夫?

「帰宅したら灰皿の中のタバコの吸い殻が散らかっていて、愛犬が食べたみたいだけど大丈夫かな?」

「愛犬が散歩中に落ちていた吸い殻を食べてしまったのだけど大丈夫なの?」

残念ながら、タバコや吸い殻を食べてしまった犬は大丈夫ではないと思われます。

タバコに含まれるニコチンは少量でも中毒症状を引き起こすことがあります。

犬が中毒を起こすニコチン量ははっきりとはわかっていませんが、一説によれば8~10mg/kgとされていて、体重5kgなら40mg~50mgのニコチンが必要となります。

たばこ1箱にはニコチンが10~30mg含有されているとされているので、1箱食べても死ねことはないといえますが、タバコを食べた犬には中毒症状が出るものとして対処してください

 

犬がタバコを食べたらこんな症状に注意

ニコチンの中毒症状は犬がタバコを食べてしまってから遅くとも1時間以内には発症するとされています。

その際の主な症状は以下のとおりです。

  • 吐く
  • 下痢をする
  • 呼吸や心拍が早くなる
  • よだれをたらす
  • 興奮したような状態になる
  • 脱力したようになり動かなくなる
  • けいれんが始まる

タバコを食べた犬の体内にニコチンが回ると、これらの症状は時間が経つとともに重症化していき、やがて呼吸困難となって最悪の場合は死にいたるとされています。

 

タバコを食べた犬がニコチン中毒になる原因

なぜ犬がタバコを食べたら中毒になるかというのは、脳、神経、筋肉などにあるニコチン受容体にニコチンが作用することにあります。

これらの受容体が反応することで消化器、呼吸器、神経、筋肉に前の項で書いた症状が出るのです。

それと、ニコチン中毒は検査をしても異常がない場合がほとんどなのです。

タバコを食べたところを見ていたか、犬が吐いたものにタバコや吸い殻が入っていれば良いのですが、その場が目撃されていないと原因が特定できないことがあります。

そうなると原因がわからないまま命を落とすなどという悲しい事態になります。

タバコを吸う飼い主さんは自分がいないところに絶対にタバコや吸い殻を置いておかないことが大切です。

また、散歩中は犬がタバコや吸い殻を拾わないように目を離さないことが肝心です。

 

犬がタバコを食べたらどうすればいいの?

犬が口にしたものは何か、どのような状況だったかで対処方法が違ってきます。

また、飼い主さんはあわてずにその量を把握しておくことも重要です。

そして、どのようなケースでもたとえタバコを食べた愛犬が元気でいたとしても、必ずかかりつけの獣医さんに相談しておくことが大切です。

 

タバコを舐めた

タバコ、吸い殻、灰などを舐めただけであれば、しばらく犬の様子を観察しましょう(ちなみにタバコの灰は無害とされています)。

ただし、仔犬や老犬の場合は念のため動物病院に連れていくことをおすすめします。

また、吸い殻を入れた水を舐めた場合は、早急に動物病院へ連れていきましょう(「吸い殻入りの水を飲んだ」の項をご覧ください)。

 

タバコや吸い殻をかじった 

かじっただけで飲み込んでいない、あるいは口にいれたけどすぐに吐き出したのであれば、舐めた場合と同じように犬の様子を観察して、異変があれば病院に行きましょう。

 

吸い殻入りの水を飲んだ

タバコに含まれるニコチンは水に浸けると水中に溶け出してします。

そのため吸い殻であっても何本も浸かっているような場合は、高い濃度の「ニコチン水」となっている可能性があるのです。

もし犬がタバコの吸い殻を入れた水を飲んでしまった場合は、症状が出ていなくともただちに獣医さんに連絡を取り状況を伝えて病院に連れていってください。

 

吸い殻を食べた

たとえ吸い殻であっても燃え残りの中にニコチンが残っています。

すぐに吐き出さない場合は、やはり獣医さんにすぐ連絡を取り病院で処置をしてもらってください。

その際に食べた量(本数)や時間などをできるだけ把握、記録して獣医さんに伝えてください。

 

タバコを食べた

未使用のタバコを丸ごと食べてしまったら、ニコチンが体内に回る前に処置をしてもらわなければなりませんので、急いで獣医さんに連絡を取り、病院に連れていきましょう。

なお、タバコを食べた犬に水や牛乳を飲ませることは厳禁です!

逆に腸内でニコチンが吸収されやすくなってしまいますので飲ませないでくださいね。

 

おさえておきたい!犬にタバコを食べさせないための注意点

タバコは常に必ず手元に持ちそこら辺に置かないことを、小さな子供さんのためにも徹底してください。

これは車の中も同様で、シート上やフタのないポケットの中に入れっ放しにしないでください。

また、水を張った灰皿を使用した後に放置せず、すぐに吸い殻を捨てて洗っておきましょう。

前の項でも書きましたが、散歩中は犬が歩く先に常に目を光らせて、吸い殻などに注意して事前に拾い上げてください。

なお、タバコとは別のニコチンを含むものとして、禁煙中の飼い主さんやご家族が「ニコチンパッチ」や「ニコチンガム」を使用している場合も厳格な管理が必要です。

このパッチやガムにはニコチンが含まれているので、タバコと同じで犬が食べたら中毒を起こす可能性が高いのです。

これらも含め、飼い主さんやご家族のタバコなどを犬が食べたりしないようにしっかり管理しておきましょう。

 

犬がタバコを食べた!まとめ

ここまでタバコを犬が食べた時の症状や対処方法などをご紹介してきましたが、タバコに限らず犬が異物を食べた時に自宅や路上で吐き出させようとするのは危険ですのでおすすめできません。

犬の口に指を突っ込むとかまれますし、口内を傷つけてしまうかもしれません。

また「オキシド―ルを飲ませるとすぐに吐く」との書き込みをネット上で見かけますが、オキシドールは刺激が強く犬の口や胃などがただれてしまいます。

吐かせようと右往左往している間に、動物病院に連れていくことをおすすめします。

また、最近ではタバコの副流煙による受動喫煙が問題となっています。

副流煙とはタバコから直接出る煙で、同じ部屋にいる人も犬もその煙を吸わされてしまいます。

副流煙のニコチン含有量は喫煙者が吐く煙の3倍とされていて、受動喫煙による「がん」の報告もあります。

犬がタバコを食べたりせず受動喫煙しないように、喫煙する飼い主さんやご家族には禁煙をおすすめします。

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