犬の感染症の1つであるパルボウイルスをご存知でしょうか?
わんちゃんを飼っている方なら1度は耳にしたことがあると思います。
混合ワクチンにも含まれている病気ですね。
では、パルボウイルスがどのような病気であるか詳しく知っていますか?
この病気は感染力が非常に強く感染すると死に至るケースもあります。
また、この病気の特効薬はありません。
しかし、多くの感染はワクチンによって未然に防ぐことができます。
大切な家族の一員である愛犬を守るためにも、病気の知識をつけておくことは大切なことでしょう。
今回は、恐ろしい感染症である犬のパルボウイルスについて書いていきます。
大切な愛犬のためにも、当記事の知識をお役立てくださいね。
Contents
犬がかかるパルボウイルスとは?
出典元https://www.naro.go.jp/
犬パルボウイルスに感染することで発病します。
この病気は別名「犬コロリ病」と言われるほど、死亡率及び感染率の非常に高い恐ろしい病です。
元々はペットショップやブリーダーの間で流行した病気であるといわれています。
子犬が感染した場合は、数日で死に至る場合もあるようです。
犬がパルボウィルスにかかった!?症状・原因や消毒、検査は?
出典元:https://www.royalcanin.com/
犬のパルボにかかった時の症状と潜伏期間
- 嘔吐
- 下痢
- 血便(トマトジュースのような)
- 衰弱
- 脱水症状
- 呼吸困難
この病気は、2~6日の潜伏期間(7~14日とされる場合も)ののち、上記の症状が出始めます。
初期では、激しい嘔吐や下痢を繰り返すようになり、その後血便といった症状がみられるでしょう。
進行の早い病です。
中期では、食欲・元気がなくなり、脱水症状を起こし衰弱します。
やがて呼吸困難となり、心筋炎を起こすケースもあるでしょう。
ここまで来てしまうと放置すれば、3日ほどで死亡してしまう恐ろしい病気です。
犬がパルボウイルス感染症にかかる原因
主に、犬パルボウイルスは、感染しているわんちゃんの排泄物などに大量に含まれています。
そのため、感染しているわんちゃんの排泄物に近づけないようにしなくてはなりません。
感染の原因の多くは、経口感染ともいえます。
感染しているわんちゃんの排泄物及び吐しゃ物の匂いを嗅ぐ、舐めるといった行動により、口や鼻から感染してしまうのです。
また直接的な接触も感染につながるため、感染してしまったわんちゃんは隔離しなければなりません。
犬がパルポウィルスにかかった時の消毒方法
犬パルボウイルスは、1度ウイルスがばらまかれるとその環境に約6か月以上も生存し続けます。
しかもその間に感染力も失いません。
このため徹底した消毒を行わなければなりません。
消毒には、アルコールは無効です。
次亜塩素酸ソーダを30倍に薄めた消毒液が最も効くとされています。
または塩素系漂白剤での代用も可能です。
いずれも危険な薬品なので、扱う際には気を付けましょう。
感染しているわんちゃんが過ごすスペース、吐しゃ物や排泄物で汚れた場所、舐めたり歩き回った場所を徹底的に消毒します。
また感染しているわんちゃんに触れる際は、使い捨てのゴム手袋などを着用することが望ましいでしょう。
多頭飼いをしている場合、感染しているわんちゃんを隔離して、他のわんちゃんと接触させないことも大切です。
犬がパルポウィルスにかかった時の検査方法
- 血液検査
- 検便
感染すると、血液中の白血球が減少するため、血液検査から診断されます。
または、便中にウイルスが混在するため、検便(抗原検査)を行う場合も多いです。
感染から4~5日ほどで検出可能となります。
犬パルボウイルスは人間にうつるの・・・?
出典元:https://inurepo.net/
答えは、犬以外の動物や人間にうつることはないようです。
猫パルボウイルスもありますが、ウイルスの型が異なるので、犬・猫で感染しあうということはありません。
しかし、人間が感染の媒体となってしまう可能性はあります。
感染しているわんちゃんを触り、別のわんちゃんを触ってしまった場合などです。
またウイルスの付着した箇所に触れたのち、わんちゃんと接触してしまった場合。
もしくは、靴裏などに付着したウイルスがわんちゃんに感染してしまうケースもあります。
よって、人間に移ることはありませんが、感染の媒体となることには気を付けないといけません。
万が一、感染しているわんちゃんとの接触があった場合は、徹底した消毒をすることが求められます。
パルボウイルスとペットショップの関係性
出典元:https://ameblo.jp/
ペットショップやブリーダーの施設や犬舎などでは、日常的な予防・消毒、衛生管理を積極的に行っていかなければならないでしょう。
この病気は、成犬でも感染の可能性はあります。
しかし、子犬は特に抵抗力がないので、感染すると重症となる危険性が高いです。
そのため、多くの子犬を飼育・販売するペットショップやブリーダーは、感染防止に努めることが重要でしょう。
万が一、これらの施設でわんちゃんが感染してしまった場合、周辺のわんちゃんの多くにも感染が拡大していると言えます。
ペット関連の従事者は日常的に感染防止に努めることが大切です。
犬のパルボウイルスにかかった時の治療と後遺症
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治療
犬パルボウイルスの特効薬は現時点ではないです。
そのため、症状に応じて治療を施すしかありません。
(これを対処療法といいます。)
多くは、脱水症状に陥っているため輸液が必要です。
下痢や嘔吐を止める薬を飲ませたり、抗生物質の投与がなされます。
免疫を高めていく必要もあるでしょう。
また食事療法も行い、正常食にもどるには時間を要します。
この間、二次感染を防ぐことも大切でしょう。
この病気は、死亡率が高く病気の進行も早いです。
できるだけ早く、適した治療を行うことが重要であるといえます。
犬のパルボ対策。ワクチン予防
この病気は、ワクチンの接種で防ぐことのできる病気です。
特に、子犬期に適切なワクチンを受けることが最も重要といえるでしょう。
混合ワクチンの中に、犬パルボウイルスのワクチンが含まれています。
子犬を迎えたら、獣医師と相談の上、時期を見て適切なワクチンの接種が必要となるでしょう。
パルボにはタミフルが効く・・・!?
犬パルボウイルスについてのブログの中には、タミフルが効くという内容を見かけます。
タミフルは人間用の内服薬で、インフルエンザの治療で使われることが多いことでしょう。
このタミフルを、感染しているわんちゃんに服用させると有効であるといったデータがいくつかあるようです。
服用の条件は、人間と同様で、発病してから48時間以内に飲ませ、5日間服用させる必要があるそう。
しかし、治療法として、タミフルを与えることは確立していないようです。
また治療時に、タミフルが処方されることも現段階ではないでしょう。
そのため、安易に人間用のタミフルを自己判断で服用させてはなりません。
パルボウイルスにかかった犬の完治と後遺症
この病気の感染力が強いこと、進行スピードも非常に速いということはお伝え出来たかと思います。
子犬が感染し、下痢や嘔吐が止まらない症状の場合、手遅れになることが多いです。
そのため、迅速な集中治療が必要となります。
中程度の症状であれば3~5日ほどで完治するケースも。
しかし、感染により腸の内壁は相当弱っていることでしょう。
その他消化器官にも影響が出ている恐れが大いにあります。
完治といっても、その後免疫を高め、飼育する環境を整えていくことに時間はかかるでしょう。
後遺症はあまりないようですが、発病することで様々な症状が出るため注意が必要です。
重篤な場合は、奇跡的に生き残ったとしても、何かしらの影響が及ぶ場合もあります。
まずは、ワクチンの接種を徹底し、感染させないことが大切です。
子犬期のワクチンは数回接種する必要があります。
免疫・抵抗力のない子犬のうちは、頻繁に病院に通い、獣医師と連携を取っておくことも大切でしょう。
ワクチンの接種を怠ることなく、愛犬を感染から守ってあげましょうね。
犬がパルボウィルスにかかった!?原因や消毒、検査は?まとめ
出典元:https://www.hanaoka-ah.jp/
ここまで、犬パルボウイルスについて書いてきました。
パルボウイルスは犬にとって、非常に恐ろしいウイルスであることがお分かりいただけたと思います。
まとめると・・・
- 犬パルボウイルスは感染力が非常に強いウイルス
- その感染力は、1度ウイルスがばらまかれた箇所は約半年にわたりウイルスが生き続けるほど
- 感染しているわんちゃんとの接触や、糞・嘔吐物から感染する
- 免疫のない子犬が感染した場合、その多くが重篤化し、死に至ることが多い
- 万が一、愛犬が感染してしまったら、迅速な治療が求められる
- パルボウイルス自体に効く薬はない
- 症状に応じた治療を行い、飼育する環境を整え、二次感染を防ぐため消毒を徹底することが大切
- 適切なワクチンの接種で防ぐことのできる病気
- 私たち飼い主は、愛犬のためにもワクチン接種を怠ってはいけない
- ペット関連の事業者・従事者は日常的に消毒を心掛け、感染予防に努める必要がある
いかがでしたでしょうか。
恐ろしい病気であっても、ワクチンで防ぐことができると知れば、少し安心ですね。
ワクチンの接種は飼い主の義務でもあります。
自分の愛犬を守るだけでなく、他のわんちゃんへの感染を防ぐことにもつながるのです。
愛犬家として、適切なワクチンの接種と定期健診・様々な病気の知識をつけることは重要ではないでしょうか。
わんちゃんを迎えたら、必ずワクチンを接種し、大切な愛犬を守ってあげましょう。