犬が血尿になった?!ポタポタ止まらない場合どうすればいい?治療費の紹介

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もし愛犬に血尿の症状がでたら?

なにか深刻な病気ではないかと心配になりますね。

血尿が出るのは体のどこかから出血があるということですが、その原因は様々です。

なかには緊急に処置が必要な病気もあります。

「オシッコが赤い!血尿かも?」と異変に気づいたらなるべく早い段階で病院の検査を受けましょう。

その時の尿の色や他にどんな症状があるのかなど詳細に伝えられるようにしておきましょう。

オシッコの色はスマホで撮影しておけば診察で役立つかもね

ここでは血尿をともなう犬の病気と治療費などについて紹介していきます。

 

犬の血尿はまず膀胱炎を疑え

犬の血尿の原因となることが多いのは膀胱炎です。

泌尿器に炎症が起きる病気で、高齢の犬やメス犬は発症リスクが高くなります。

その要因も様々ですが、おもに感染症・結石・腫瘍などによって炎症が起きて膀胱炎になります。

膀胱炎にも色々なケースがあるんだね

 

細菌感染が要因の膀胱炎

体の外から入った細菌が増殖して膀胱に炎症を起こします。

血尿以外に、オシッコを出すのが困難になるなどの症状があります。

高齢の犬は若い犬にくらべて免疫力が低下していますから、とくに感染が起きやすくなります。

また、オスよりもメスのほうが細菌感染による膀胱炎を発症しやすくなっています。

メス犬はウンチから感染することが多いみたい。やわらかいウンチをした時はとくにしっかり拭き取ってあげましょうね

細菌感染による膀胱炎は抗生剤を与えて治療します。

 

尿路結石が要因の膀胱炎

尿路とはつまり尿が通る道のことで、腎臓・尿管・膀胱・尿道を指します。

その尿路のどこかに結石ができると、膀胱が傷ついたり結石が詰まるなどして炎症をおこし、血尿のほかオシッコが出にくくなったり排尿時に痛がって鳴くなどの症状が現れます。

体質や生活環境によって尿のphバランスが崩れることで結石ができます。

ミネラルやタンパク質の多い食事やおやつを摂取することで発症リスクは高くなりますし、細菌感染が原因で結石ができることもあります。

治療には専用のフードやサプリメントを与えて石を溶かします。

フードやサプリメントで溶かせない種類の結石や大きいものは外科手術で摘出する場合もあります。

愛犬が痛い思いをしないように、日頃から食事に気をつけて予防してあげたいね

 

腫瘍が要因の膀胱炎

前立腺肥大や膀胱腫瘍も膀胱炎の要因になります。

はじめは排尿困難や血尿などの症状が出ますが、症状が進むと尿道を圧迫してオシッコが全く出せなくなってしまうことがあります。

そうなると命に関わりますから早急に処置が必要です。

愛犬のオシッコがちゃんと出ているか、日頃からしっかり観察しよう

 

血尿? 犬のトイレにポタポタ血が垂れている

発情期出血

メス犬の場合は発情期出血(人間でいう生理のようなもの)があります。

発情期(ヒート)による出血は生まれて約7ヵ月頃から数週間にわたります。

メスの発情期はだいたい半年に1度だよ

この出血は血尿とは違いますが、トイレシーツや床に血液がポタポタと落ちていたり、血が尿に混ざっていたら血尿と間違えてしまうこともあるかもしれません。

これはもちろん病気ではないので治療をする必要はありませんが、子どもを産んでいない犬や高齢の犬にこのような症状が見られた場合、病気の可能性がありますので病院で検査をしてもらいましょう。

 

子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は子宮内に入り込んだ細菌によって、子宮に膿がたまってしまう病気です。

この病気は避妊していない高齢犬に多く発症します。

陰部からポタポタと出血があるという症状からヒート出血と間違えそうですが、血に膿が混ざっていたら病気を疑いましょう。

オシッコの量が増えて、水を飲む量が増えるなどの症状もあります。

子宮蓄膿症は緊急の手術が必要になる場合が多く、放置すれば命に関わります。

病気ではない出血と重大な病気の症状が似ているなんて!注意深く観察をしないとね

 

老犬の血尿は重大な病気のサインかも

膀胱腫瘍

膀胱腫瘍は膀胱にできる腫瘍で、良性と悪性がありますが多くは悪性(移行上皮癌)です。

これはオスの老犬に発症するリスクが高い病気です。

症状は膀胱炎と似ていますが腫瘍が尿道を塞ぐとオシッコが出せなくなり、急性腎不全から命を落とすこともあるのです。

気になる症状が出たら早めに病院で検査をしてもらいましょう。

膀胱腫瘍の治療は投薬による内科療法か腫瘍を摘出する外科療法のどちらかを選択します。

場合によっては抗がん剤や放射線治療を行うこともあります。

 

前立腺炎

前立腺炎は細菌感染が原因で前立腺が炎症を起こす病気です。

去勢をしていないオスの高齢犬に多く発症します。

前立腺炎には急性と慢性があります。

急性の場合は血尿のほか嘔吐や発熱とともに強い痛みがありますが、慢性は軽い症状が長く続きます。

放置すると重症化することもあるので、早期に治療することが大切です。

前立腺炎の治療は抗生剤の投与を少なくとも1ヵ月続けます。

去勢をしていない犬の場合は症状が落ち着いてから去勢手術を行います。

前立腺炎や前立腺肥大は去勢手術をすることで防げる病気なんだ

 

前立腺腫瘍

前立腺腫瘍はオス犬の前立腺にできる腫瘍でほとんどが悪性です。

発症すると血尿や血便などの症状がでますが、犬の前立腺腫瘍は稀ですから直ちにこの病気を心配する必要はないでしょう。

 

犬に血尿の症状。治療費はいくらかかるの?

愛犬に血尿の症状が出たら、病院で検査をしてもらいましょう。

尿路のどこかに出血の原因(炎症、結石、腫瘍など)があるか調べます。

この検査(尿検査・血液検査・超音波検査・X線検査など)に約2万円~3万円かかります。

治療は投薬などの治療で済む場合と手術が必要な場合があります。

投薬治療には約5千円~1万円、手術は約10万円~20万円ほどかかります。

検査費と治療費を合せると

  • 投薬などの内科的治療は約2万5千円~4万円
  • 手術などの外科的治療は約12万円~23万円
薬の治療にくらべて手術は高額になるね

未去勢のオス犬が前立腺炎や前立腺肥大を発症した場合はこれに加えて去勢手術を行うこともあります。

去勢手術の費用は約2万円~3万円です。

 

犬のおしっこが赤くても血尿とは限らない

中毒

犬にとって毒性があるネギ類やぶどうなどは犬に与えてはいけない食べ物ですが、これらを誤って食べてしまい中毒を起こすと、嘔吐や下痢などの症状を伴って赤いオシッコが出ます。

これは血色素尿といい、赤血球が壊されて血色素が尿に混ざり排出されることで尿が赤やオレンジに見える症状です。

厳密には血尿ではありませんが早急に処置をしなければ命に関わります。

 

バベシア症

バベシア症はマダニから媒介するバベシア原虫に感染することです。

溶血性貧血をおこし、発熱、黄疸を伴って赤いオシッコが出ます。

これも血色素尿で血尿とは違いますが早急に処置をしなければ命に関わります。

血色素尿が出る時は緊急事態なんだね

 

犬に血尿の症状!でも元気なら大丈夫?

愛犬に血尿が出ているけど元気な様子だし、ごはんも残さず食べる。

大丈夫かな?と思いがちですが、元気でも病気が潜んでいる可能性があります。

血尿が出るということは必ず何か要因があるはずです。

たとえばオスの前立腺肥大は初期には目立った症状もなく、食欲も落ちないので普段と変わらず元気に見えます。

元気に見えても、血尿を見逃してはいけないんだね

 

犬の血尿がすぐ治った。病院には行かなくて大丈夫?

「愛犬に血尿の症状が出たけどすぐに治ったから大丈夫」なんて思ってはいけません。

血尿といっても、ひと目でわかるような赤い尿ばかりではないからです。

一時的に出血量が減ったりすると、肉眼では分からないくらいの色になりますし、出血している場所によっては茶色かったりします。

素人判断で治ったと決めるのは危険です。

一度でも血尿に気づいたら、病院でしっかり検査をしてもらいましょう。

血尿を見分けるのは意外と難しいね

 

犬の血尿まとめ

犬の血尿の原因は泌尿器のトラブルによるものです。

この記事でご紹介したように、要因は様々ですが泌尿器のどこかが出血しているというサインです。

加齢や体質によって発症する病気は防ぐことが難しいですが、食事や生活環境でリスクを減らせる病気もあります。

尿のphバランスが崩れないように毎日の食事に気を配ったり、適切な水分補給と排泄をさせることで発症のリスクは減らすことができます。

尿のバランスをコントロールするドッグフードも販売されていますので、結石ができやすい体質の子にはこのようなフードで予防をしてあげるのもいいですね。

いつでも清潔な水が飲めて、オシッコを我慢させないような環境をつくってあげよう

膀胱炎の原因となる感染症のリスクを減らすには免疫力をつけることも大切。

ストレスを溜めないように毎日十分な散歩をしてあげましょう。

そして家では安心して休息できる環境を作ってあげてください。

犬は体の不調を言葉で訴えることは出来ません。

血尿は体からのSOSととらえて、早急に検査をして適切な治療をしてあげましょう。

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