【専門家監修】犬がレーズンを食べるのは危険!原因と注意点について

犬 レーズン
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人間が食べても健康に問題がなかったとしても、犬には有害になってしまう食べ物がいくつかあります。

チョコレートやコーヒーなどは有名ですが、干しブドウであるレーズンも犬にとって危険だということはご存じでしょうか?

中毒症状が出て、時には命に関わる事態になることもあるため絶対に食べさせてはいけません。

今回は犬にレーズンが危険な理由と、もし食べてしまった時に見られる症状とその対策についてお話していきます。

【専門家監修】応武 梓

専門家 監修
【動物関係の保有資格】アニマルヘルステクニシャン、ペットグルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナー

 

犬にレーズンを絶対に与えてはいけない理由

犬 レーズン

掲載元:hotto.me

レーズンとは、天日や熱風によって乾燥させたブドウの果実のことです。

独特の甘酸っぱさがあり、人気のドライフルーツですよね。

パンに入っていたり、そのままドライフルーツとしても人気の食べ物です。

人間が美味しそうに食べていると愛犬が足元で物欲しそうにこちらを見てきますよね。

少しくらいならあげちゃってもいいかな・・。

なんて思ってしまう飼い主さんの気持ちもよくわかります。

 

でも、犬には絶対に与えてはいけません。

その理由として、犬がレーズンを食べると急激に腎臓の組織が壊されてしまう急性腎不全を引き起こしてしまう可能性があるからなんです。

場合によっては命に関わる事態になるため、少しでも食べてしまったらすぐに獣医さんに連絡し対応を相談することが必要です。

 

犬にレーズンを与えるのは危険!理由について

中毒症状や急性腎不全を引き起こす原因として、以下のことが考えられています。

  • オクラトキシンというカビが作り出す毒素
  • タンニン
  • ポリフェノール
  • フラボノイド

などが原因として考えられていますが、原因としてははっきりわかっていません。

しかし、実際に食べた後に症状が出たり亡くなってしまう犬が存在することは事実です。

アメリカのPET  POISON  HELPLINEでも実際の症例と警告文が明記されています。

愛犬が突然苦しんで亡くなってしまうなんて、飼い主としてはやりきれない気持ちになりますよね。

 

犬がレーズンを食べて起こる急性腎不全とは?

犬 レーズン

 

犬の急性腎不全とは?

腎臓は尿を作り出したり体の中の老廃物や毒素を尿中に排出したり、ホルモンの分泌を行う臓器です。

腎臓が障害を受けて機能が不十分になると、嘔吐や多飲という水を飲みまくる行為をするようになったり、尿閉といって尿を作り出すことができなくなる症状が見られるようになります。

このような状態に陥ることを急性腎不全といい、命に関わる病気です。

 

犬の急性腎不全で見られる症状

犬が急性腎不全になると、以下の症状が見られるようになります。

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 食欲不信
  • 傾眠
  • 多飲多尿
  • 尿閉
  • 痙攣

レーズンを食べてしまったあと約2〜3時間で症状が現れると言われていますが、13時間後に突然死んでしまった事例もあります。

犬がレーズンを食べてしまった後は獣医さんの指示に従って、愛犬の様子をしっかり観察してあげるようにしましょう。

 

急性腎不全の治療

急性腎不全になってしまった時に、実際に病院でどのような治療が行われるかについて見ていきます。

・催吐処置

動物病院で実施される異物を吐かせる処置です。

自己判断により自分で吐かせようとすると、嘔吐したものが気管に入ってしまうことがあるのでやめましょう。

多量の水などを飲ませ、食べてしまったものが出てくるまで吐かせます。

犬にとっても負担の大きな処置になります。

・活性炭

毒素の吸着を目的に、犬に活性炭を投与します。

腸からの毒素が吸収されないように行う処置です。

味がかなり苦いとのことで胃カテーテルを使って投与します。

犬にとっても負担が大きくなります。

・胃洗浄

犬の口や鼻からチューブを差し込み、胃の中に直接生理食塩水を強引に流し込むことで胃の中を洗い流す処置です。

流し込んだ生理食塩水は、犬の口から吐き出されます。

これを吐いた生理食塩水が透明になるまで15回前後行います。

・点滴

急性腎不全では腎臓の機能が一気に低下するため、腎臓を保護するために点滴を行うことがあります。

中毒症状の緩和にも効果があり、48時間〜72時間と長時間の点滴が必要になることもあります。

一時的に回復したとしても壊れた腎臓の組織は元に戻らないため、慢性腎不全に移行することもあります。

慢性腎臓病になると腹膜透析や血液透析が必要になることがあります。

 

レーズンに近い食べ物も犬には危険がある

干しブドウがダメならブドウも危険なのでしょうか?

プルーンだとどうでしょうか。

似ている果物についても見ていきましょう。

 

犬にブドウも危険

生のブドウも、犬にとっては危険な食材です。

実際に中毒症状を起こしたり、死んでしまった事例も認められています。

果実よりも皮の方が毒性が強いと言われていますが、詳しいことはこちらもはっきりとわかっていません。

ブドウは人間にとって馴染みのある果物ですよね。

ブドウジュースやアイスのブドウ味などにも注意が必要です。

こちらに詳しい記事がありますので参考にしてください。

>>犬にマスカットを食べさせても大丈夫?ブドウ中毒と対処法を知っておこう

 

犬にプルーンも危険

プルーンはレーズンに似ていますが、西洋スモモの果実からできています。

プルーンを食べても急性腎不全にはなりませんが、青酸中毒を引き起こす可能性があります。

青酸中毒では嘔吐や下痢、呼吸困難などが見られ、死に至ることもある恐ろしい中毒です。

プルーンも、犬に与えてはいけない食品ですので注意しましょう。

こちらに詳しい記事がありますので参考にしてください。

>>犬はプルーンを食べても大丈夫?犬は避けた方がよい果実?その理由

 

 

犬がレーズンを食べてしまった!対処法

犬がレーズンを食べてしまった!

生活しているとどこからともなく愛犬が現れ、飼い主の食べ物をパクッと食べてしまうことはあると思います。

実際に犬がレーズンを食べてしまった場合の対処法について見ていきます。

 

とにかくすぐに獣医さんに電話する

慌てて吐かせようとするようなことはせず、獣医さんに電話しましょう。

食べた量にもよりますが犬が小柄だったり、レーズンパンを食べてしまいレーズンの量がわからないことがあったりすると、事態は一刻を争います。

 

食べてしまった量と今の犬の状態を伝える

獣医さんに相談する際には、食べてしまったレーズンの量と今の犬の状態について必ず伝えるようにしてください。

明らかに中毒症状が出ていたり、多量に食べてしまった場合などは受診の指示が出るはずです。

獣医さんの指示に従って落ち着いて行動しましょう。

 

応急処置は基本的に獣医さんにしてもらう

電話での相談で、「水を飲ませてください」などの指示が出ることもあります。

基本的に応急処置は獣医さんに任せ、自己判断で吐かせたりしないようにしましょう。

このような事態もいつ起こるかわかりませんので、かかりつけ医を決めておくことが大切です。

 

犬がレーズンを食べないよう気をつけること

犬 レーズン

犬がレーズンを食べてしまうと中毒症状や急性腎不全が引き起こされることがあり、病院での処置でも愛犬が苦しむことになってしまいます。

飼い主が責任を持って、犬が間違って食べてしまうことがないようしっかりと管理することが大切です。

飼い主が気をつけるべき注意点について見ていきます。

 

犬が届くところに食べ物を置かない

犬は何にでも興味を持つ動物です。

気になったものをつい口に入れてしまう習性があり、そこに置いてあったものを食べてしまっても犬のせいではありません。

小型犬でも椅子にジャンプして机によじ登ったりする可能性も十分に考えられます。

大型犬にもなると、立ち上がればキッチンに届く背丈の子もいるかもしれません。

テーブルやキッチンカウンターの上に食べ物を置きっぱなしにせず、引き出しなど犬が開けられない場所に保管しておくべきです。

 

この食べ物は犬は食べられるのか?と常に意識する

愛犬との暮らしに慣れると、少しずつ犬に人間の食べ物をあげるようになってしまうのは、同じく愛犬を飼っている身としてよくわかります。

犬は長い年月を人間と共に過ごしてきた動物なので、人間が食べる食べ物の多くを一緒に食べることができます。

しかし、人間には無害でも犬には有害な食べ物もあるということを人間が十分に理解しておく必要があります。

犬は、与えられたら食べてしまいます。

「これって食べても大丈夫なのかな?」と一度立ち止まって調べることを習慣にしてください。

そんな時にこちらのブログを参考にしていただいてもいいですし、インターネット上に情報は溢れています。

自分が与えたもので愛犬が命を落とすかもしれないということを、理解しておいてくださいね。

 

犬にレーズンを与えてはいけないまとめ

今回は犬には危険な食べ物であるホシブドウについてと、食べてしまった時に見られる症状や対処法についてお話してきました。

飼い主が、犬が食べられる食材についての知識を持つことはとても大切です。

愛犬との幸せな生活が突然脅かされることがないよう、正しい知識を持って愛犬と美味しい食事を楽しんでいきたいですね。

>>こちらの記事もチェック!犬がチョコレートを食べた?!チョコの危険性と体への影響とは?