【獣医師監修】犬は昆布を食べても大丈夫?役立つ栄養がいっぱい!

犬は昆布を食べれる
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犬は昆布を食べれる

だし昆布をはじめ、とろろ昆布、おしゃぶり昆布、塩昆布など、昆布にはいろいろな種類があります。

その用途はいろいろで、出汁(だし)をとるための昆布や、煮物に適している昆布など、特に和食との相性が良く、「昆布ほど、どんな食材との相性も良い出汁はない!」と言われるほど。

実は、100年以上前には、だし昆布の中から旨味物質(グルタミン酸)が発見され、その存在が科学的に証明されたのはご存知でしょうか?

そんな日本人なら馴染み深い「昆布」。

一見すると、犬に昆布?と思ってしまいますが、実は犬にとって役立つ栄養が含まれているのです。

 

今回は、昆布が犬に与えるメリットと与え方の注意点について説明していきます。それでは早速見ていきましょう!

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

犬に昆布を与えるメリットはなんだろう?

犬は昆布を食べれる

水溶性食物繊維

食物繊維は大まかに分けて、水に溶ける「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」の2種類があります。

昆布を煮た時などに出てくる独特のねばり成分は「アルギン酸」や「フコイダン」といった海藻特有の水溶性食物繊維で、昆布にはそれが豊富に含まれています。

これらの水溶性食物繊維には…

  • 腸内の有害物質を体の外に排出する効果
  • 免疫力アップの効果
  • コレステロールの抑制効果

その多くは犬の腸内で善玉菌のエサになるので、腸内環境を整えるのにとても効果的な働きがあります。

 

ビタミンK

ビタミンKって、あまり聞きませんよね?

ビタミンKの役割は、出血した時に血液を固めて止血する働きがあるほか、骨に存在するタンパク質を活性化し、骨の形成を促す作用があります。

犬は腸内細菌によってビタミンKが合成されるといわれてます。しかし、それだけで1日の必要量を補えないともいわれていますので、普段の食事からも補ってあげるのも大切です。

 

ヨウ素

ヨウ素は、甲状腺ホルモンの合成に必要な成分。

甲状腺と言われても、どこにあるのかピンとこないかもしれませんが、喉に手を当てて「あ~~~」と声を出したときに振動するのが喉仏で、その下に位置するところが甲状腺です。

ちなみに、正常な甲状腺は、外から手で触ってもわかりません。(;´Д`)

 

甲状腺は、甲状腺ホルモンという、代謝を促すのに大切な物質を作って血液中に流しています。

甲状腺に異常が起きてホルモンが減少すると、基礎代謝の低下、皮膚のトラブル、体温調節がきかなくなったりする、などの影響が出ます。

 

出汁でドライフードをふやかすのがおすすめ!

犬は昆布を食べれる

一般的な乾燥昆布から出汁をとるのは手間がかかります。

しかし、噛む力や歯が弱くなった高齢犬、食欲不振の場合など、ドライフードに昆布のだし汁をかけることで風味が強くなり、食欲増進につながりますので、おススメです♪

 

犬が水分をあまり取らない場合にも、出汁でふやかすことで餌と一緒に水分補給ができるというメリットもあります。

難しいテクニックや調理は必要ありません、茹でた昆布の出汁をフードにかけるだけ!(水から昆布を浸しても出汁は取れますので、それを与えてもOK!)

それと、だし汁を加える場合は、手でさわっても熱くない温度(人肌に近い38~40度ぐらい)で与えるのも大切です♪

 

また、「もっと手軽に顆粒タイプの昆布だしではダメなの?」と、考える方もいらっしゃるかと思いますが、顆粒タイプの昆布だしを使用する場合は結構な塩分を含んでいますのでおすすめできません。

 

商品によってばらつきはあるものの、顆粒だしの成分は「食塩が30%」「糖分が25%」「化学調味料が30%」「風味原料などが15%」と、その半分が食塩や砂糖でできています。

手間を掛けずに出汁を与えたい場合は、無塩昆布を使用するようにしましょう。

 

犬に与える前に知っておきたいこと

犬は昆布を食べれる

食べやすいよう細かくして与える

茹でた昆布はやわらかい「葉」の部分とコリコリと歯ごたえがある「茎」の部分があります。

どちらを与えても問題ありませんが、消化に優しく細かく刻んでから与えるようにしましょう。

 

また、ほとんどの方が乾燥昆布を購入するかと思いますが、生の昆布が手に入った場合、鮮度落ちが早いので一気に下茹でします

愛犬に与える際は、食べやすさに加えて鮮度の良いものを与えましょう。

 

与えすぎには注意が必要です

昆布にはアルギン酸やフコイダインという水溶性食物繊維が豊富に含まれています。

食物繊維の摂取は腸内環境を整える働きがありますが、大量摂取するとお腹が緩くなり下痢になってしまうことがあります。

 

また、昆布メインの食事は栄養バランスの乱れにもなりますので、与えすぎないよう注意しましょう。

 

 

まとめ

犬は昆布を食べれる

いかがでしたでしょうか?今回のお話をまとめてみると、

  • 昆布には、水溶性食物繊維、ビタミンK、ヨウ素といった、犬とっても必要な栄養素が豊富。
  • 出汁をフードに加えてあげると、食欲増進、水分補給などのメリットがある。
  • 昆布は消化を考え、細かく刻んでから与えるのがベスト!
  • 大量に昆布を与えるとお腹が緩くなって下痢になることを知っておく。

 

昆布は料理としての主役になることは少ないですが、逆を言えばどんな料理にも合う名わき役とも言えます。

愛犬の食欲が低下気味の時など、人間でいう『お茶漬け』感覚で出汁をフードに加えてみるのも良いかもしれません♪

昔から、「昆布=よろこんぶ」という語呂合わせで縁起がよいとされていて、結婚式やおめでたごとにも欠かせない食材であることは有名ですよね。

愛犬の誕生日や特別な日に、縁起のよい昆布を手作りメニューなどに取り入れてみてはいかがでしょうか♪

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