犬が認知症になった!? 初期症状や予防などを紹介

犬 認知症
Pocket

近年、犬の寿命は大きく伸びました。

犬種によっても異なりますが平均で10~13歳。

むかしは平均寿命が8歳にも満たなかったという調査結果もあるから驚きだね。

医療の発達はもちろんですが、フードの質が向上したことや犬の正しい飼い方が認知されるようになったことも大きく影響しているようです。

いまや犬は私たちにとって大切な家族。

長く一緒に暮らせるのは嬉しいことですね。

しかし、寿命が伸びたことで認知症になる犬が増えているという側面もあります。

ここでは犬が認知症になったときの症状や予防について解説していきます。

 

犬の認知症って何歳ころから?初期症状は?

 

犬が認知症になる原因は老化による脳の衰えや脳の萎縮、自律神経機能が低下するなどが考えられますが、詳細なことはまだ分かっていないのです。

国内の調査では、早いと11歳ころから発症し急増するのは13歳ころと言われています。

 

認知症の初期にみられる症状とは

病気やゲガの回復期に急に認知症を発症することもありますが、多くの場合は少しずつ症状が進行します。

認知症の初期症状はおもに以下のようなものがあります。

  • 眠っている時間が長くなる。
  • 活動的でなくなる。
  • 嬉しい、遊ぼうなどの表現が減る。
  • トイレを失敗をするようになる。
  • 時間や状況を認識できなくなる。

初期ではこのような症状が常にみられるわけではなく時々現れるので、見過ごしてしまうこともあるようです。

認知症じゃなくてもこういう症状がでる病気ってこともあるから、ヘンだと思ったらまず病院にいこう。

 

認知症が進行した症状とは

時々だった症状が次第に頻繁に現れるようになり、それに加えて以下のような症状も現れるようになります。

  • 無意味に同じところをぐるぐる歩き回る。
  • 後ずさることが出来ないで、行き止まりで動けない。
  • 昼と夜が逆転して、夜鳴きをする

この他に一日に何度もごはんを催促したり、名前を呼んでも反応しないなどの症状があります。

 

認知症の犬にみられる夜鳴きの症状。対処法は?

 

認知症が進行すると昼夜が逆転してしまい、昼間は眠ってばかりいて夜に徘徊したり夜鳴きをしたりするなどの症状が出ることがあります。

認知症の夜鳴きは遠吠えのような特徴的な鳴き方をすることが多いようです。

いずれにしても、一緒に暮らす家族は睡眠を妨げられてしまいますね。

これにはどのように対処すればよいのでしょう。

 

日中に活動させよう

昼夜が逆転してしまった体内時計をリセットしてあげましょう。

日中に散歩をしたり、日向ぼっこをさせたりして太陽の光を浴びるようにしてあげましょう。

午前中に陽ざしを浴びるとより効果的だよ。

歩くのが困難なコはカートに乗せたり、抱っこして歩くなどするだけでも刺激になります。

散歩に行けない場合も、昼間は寝てばかりにならないように起こして遊んであげましょう。

 

ご近所の理解を得よう

犬の夜鳴きが始まると近所迷惑になるのではないかと気になってしまいますね。

眠れないのと同じくこれもストレスです。

ご近所の方には事情を説明して理解を得ておきましょう。

犬を飼育する上ではご近所の理解も大切。

日頃から良好な関係を築いておくといいですね。

 

体の不調など認知症以外の原因があるかも

夜鳴きの原因が認知症だけではないこともあります。

他に原因があれば改善してあげましょう。

  • 皮膚病や外耳炎などで体のどこかが痒い。
  • 床ずれやベットが硬くて体のどこかが痛い。
  • 暑いまたは寒い。
  • のどが乾いた。
  • 排泄したい。

このような場合は病院で治療をしたり、環境を改善することで夜鳴きは減ります。

ワンコはしゃべれないから、何がツラいのか気づいてあげないとね。

 

犬の認知症は治るの?サプリや薬は?

 

現在のところ犬の認知症を治す特効薬はありません。

病院で症状を抑制する薬を処方することもありますが、日本では犬用の認知症薬が認可されていないため、海外からの輸入薬や人間の薬を使用します。

しかしこれらの薬には副作用もあるので使用には注意が必要です。

かかりつけのお医者さんとよく相談しましょう。

 

サプリメントで症状が改善することも

サプリメントも認知症を治療することはできませんが、症状の改善や予防効果が期待できます。

青魚に多く含まれるDHAやEPAは脳の機能維持に不可欠ですから、サプリメントで摂取することで認知症の症状が改善することがあります。

サプリメントはドラッグストアなどで購入できますが、犬に与える場合はかかりつけの病院で相談しましょう。

他の薬との飲み合わせや用量などはお医者さんの指示に従うようにしてくださいね。

人間用のサプリメントにはワンコによくない成分も入っているかもしれないから、動物病院でお勧めのサプリメントを紹介してもらうのが安全だね。

 

シニア期に入ったら認知症予防を

 

犬の認知症にはまだ解明されていないこともあり、絶対に認知症にならない方法というものはありません。

しかし、予防によいとされることはいくつかあります。

予防をすることで発症するリスクを減らすことができます。

すでに発症していても、初期のうちに予防をすることで症状を抑制したり進行を遅らせたりする効果が期待できます。

 

楽しみながら脳トレーニング

日頃から「おすわり」や「お手」などのコマンドを出して、上手くできたらおやつをあげるなどのコミュニケーションをとりましょう。

食欲旺盛なコには知育おもちゃを使った脳トレーニングもお勧めです。

おもちゃにおやつを隠して、脳と臭覚を使って探し出す仕組みです。

犬が楽しみながら認知症予防ができます。

 

食事にはボケ防止の栄養素を

脳細胞の働きを高める不飽和脂肪酸を摂ることはボケ防止の効果が期待できます。

とくにオメガ3とオメガ6は体の中で作られないので食事から摂る必要があります。

オメガ6は牛肉や鶏肉に含まれているのであまり意識しなくても摂取できそうです。

オメガ3は青魚やアマニ油、エゴマ油などに含まれる栄養素ですから、フードにトッピングするなどの工夫が必要です。

これらの栄養素が配合されたフードやサプリメントも販売されていますから、シニア期に入ったら取り入れてみるのもいいですね。

フードを変えるときははかかりつけのお医者さんにも相談するといいかも。持病があるコはとくにね。

 

愛情こめてスキンシップ

やさしくマッサージをしたり、話しかけながら撫でてあげることも脳の刺激になります。

皮膚からの刺激で脳の活性化が期待できますし、血行を良くする効果もあります。

特に目や耳が悪くなったコは不安になっていることが多いので、やさしく撫でてあげて安心させてあげましょう。

 

犬の認知症まとめ

 

子犬の頃から我子のように育ててきた愛犬も、私たちより早く歳をとってしまう。

愛犬に認知症の症状が現れると切ない気持ちになりますね。

夜鳴き、徘徊、おもらしなどの症状が出ると目が離せなかったり、世話がかかります。

それでも、長年私たちを癒してくれた愛犬ですから愛情を込めてお世話したいものです。

お世話の負担を軽減できるツールも様々ありますから、そういうものを上手く利用しながら人も犬も快適に過ごせるように工夫しましょう。

  • 夜鳴き対策に

寝たきりで体が辛くて夜鳴きをするコには、床ずれ防止ベットやクッションがあります。

ベットを快適にすることで夜鳴きが減ることもありますよ。

  • 徘徊には

認知症が進むと壁に突き当たって動けなくなったり、障害物にぶつかってしまうこともあるので危険です。

家事や仕事で目を離すこともあると思いますが、そんな時には柔らかい素材の円形サークルを利用しましょう。

ぶつかってケガをするのを防げます。

子ども用プールで代用する人もいるみたいだね。
  • おもらしで困ったら

認知症になるとトイレを失敗することが増えます。

部屋のあちこちでオシッコしたり、ベットでおもらししてしまうことも。

これはトイレが分からなくなったり自力で動けなかったりすることによるものですから仕方ないですね。

犬用のおむつは様々な種類が販売されていますから、合うものを選んで利用しましょう。

ベットに敷くオシッコ用マットも優れたものが販売されていますから、こういうものを積極的に活用して、愛犬がおもらししても叱らないであげましょう。

犬の介護用グッツはいろいろあるから調べてみよう。

認知症になっていなくても、犬は歳をとると寝ている時間が増えます。

若い時より散歩に行きたがらなくなるかもしれません。

シニア犬には充分な休息も必要ですから過剰に運動をさせる必要はありませんが、放っておくと認知症のリスクが上がってしまいます。

日中に散歩をして太陽の光を浴びるようにしたり、一緒におもちゃやボールで遊んであげるなどのコミュニケーションをとって五感を刺激してあげましょう。

日頃のこうした意識が愛犬の認知症リスクを下げることに繋がるのです。

こちらの記事もチェック>>犬が血尿になった?!ポタポタ止まらない場合どうすればいい?治療費の紹介