犬が乳腺炎になった!乳腺炎と乳腺腫瘍の違いって?

犬 乳腺炎
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妊娠していなくともお腹にあるおっぱいが赤くなっていたりして腫れていることがあります。

触ってみると熱を持っていて痛がったりして、黄色に近い乳汁のようなものが出ることがあるのです。

発情期の犬が「偽妊娠」となってホルモン分泌の影響で乳腺が張り、このような炎症を起こします。

また、授乳中の母犬が仔犬の爪や歯で乳頭を傷つけられてしまい感染して炎症を起こすこともあります。

メス犬のお腹に左右5個ずつ10個ある乳首と周辺に炎症ができるのが乳腺炎で、固まり(しこり)ができることがあり、腫瘍化することもあります

ここでは犬の乳腺炎と乳腺腫瘍との違いも紹介しながら、予防についても紹介します。

 

乳腺炎とは?

母乳を出す乳腺が炎症をおこし、細菌によって感染を起こすこともあります。

 

授乳中の感染

産後に母乳が作られ過ぎて乳腺が詰まってしまい、炎症を起こすことがあります。

また仔犬たちが争っておっぱいを飲もうとしてあわてて噛んだりして、あるいは爪で乳首をひっかいて傷をつけてしまうことで、細菌が入り込んで炎症を起こすことがあり、授乳中の母犬がかかると、免疫力の低い仔犬に感染をうつしてしまい仔犬が命を落とす恐れがあります。

また、仔犬たちが離乳すると出どころを失った乳汁がたまってしまって炎症が起きることもあります。

 

偽妊娠による感染

発情期を終えて1、2ヶ月ほど経った女の子が、実際には妊娠していないのに、ホルモンのバランスによって身体が身ごもった時と同じ状態となってしまうことがあります。

その際に乳腺が急に発達したため腫れて熱を出すほか、やはり乳汁を詰まらせて炎症を起こすことがあるのです。

この時の女の子はぬいぐるみを自分の子のようにあつかったり、世話をしたりして母性本能を見せることがあります。

 

かかりやすい種類と年齢

  • チワワ
  • ミニチュアダックスフンド
  • トイプードル
  • ヨークシャーテリア

これらの小型のワンちゃんがかかりやすいとされています。

避妊をしていないワンちゃんであれば、種や年齢には無関係に発症するとも言われています。

また、授乳中にかかりやすいために、その間では家の中を清潔にしておくことが大切です。

なお、シニアになってからの発症は重症化しやすいとされていて、腫瘍に移行することがあるとされています。

 

乳腺炎の症状は?

主に見られる症状としてはこれらのことが現れます。

  • 乳房とその周りが熱くなっている
  • 未出産なのに乳房が張っている
  • 乳首を触ろうとすると痛みを感じているようで嫌がる
  • お腹にしこりができている
  • 乳汁の色がいつもと違っている(黄、緑、赤ほか)
  • 仔犬への授乳を嫌がるようになる
  • 全身の発熱がある
  • 元気がなくなりだるそうにしている
  • 食欲がなくなっている

これらのうちのどれか一つでも現れていたら、獣医さんに診察してもらいましょう。

授乳中の場合には乳汁を通して仔犬が細菌を口にしてしまいます。

この疾患がうつることはありませんが、彼らが細菌を口にしてしまうことはけっして良いことではありません。

授乳をいつ人工哺乳に変えるかどうかについては、獣医さんの指示しがたってくださいね。

 

犬の乳腺炎の治療方法とは?

乳腺炎はかかってしまうと自然に治癒することがなく、状況によって3つの治療方法があります。

検査によって細菌感染を起こしているかどうかを調べた上で

また、乳腺炎と診断されて治療を始めたら授乳を止めて、赤ちゃんワンコたちにはかわいそうだけど人工哺乳に切り替えてくださいね。

 

熱を持った部分を冷やす

細菌感染が起きていなければ熱を持っている部分を冷やし、炎症を抑えて痛みや不快感をとってあげることになります。

冷やすことで乳房部分へ血液が流れる量を減らすことができ、痛みがやわらいで楽になるでしょう。

 

薬を飲ませる

炎症だけしか起きておらず、冷やすだけでは熱や痛みが引かない時は消炎鎮痛剤を処方してもらいますが、状況に応じてホルモン剤が出されることもあります。

また、細菌が検出されて感染していることがわかったら、抗生物質を合わせて処方してもらうことになります。

これらの薬をお母さんワンちゃんに飲ませている間は、薬の成分がお乳を通して子供たちの口に入らないように母乳を与えないようにしてください。

 

乳腺を切除する

放置しておいたりして重症化してしまうと、炎症をおこしている部位が化膿してしまいます。

そうなるとそこから膿が出てたまり、その部位の皮膚や皮膚の下の組織が壊死してしまうようになります。

ここまで重症化してしまったら、手術によって死んでしまった組織と乳腺を取り除かなければなりません。

また、この際に切除したものを病理検査で調べて腫瘍が見つかることが多々あります。

良性のものであれば心配はありませんが、もし悪性だったら転移している可能性を否定できません。

退院した後、定期的に獣医さんの検診を受けるようにしてくださいね。

 

乳腺腫瘍ってどんな病気?

最初は乳腺炎かと思っていたのに、検査したら乳腺腫瘍だったということはよくあって、症状などが良く似ています。

違いがあるとすれば、乳腺炎で観られる乳房が熱を持つことや赤く腫れることなどがあまり見られないことくらいです。

そのために乳腺炎の検査では、触診で見つけたしこりの細胞をとって顕微鏡で観る細胞診(FNA)と呼ばれています)を実施して、腫瘍かどうかの確認をします。

この腫瘍は女性ホルモンが深く関係していて10歳前後のワンちゃんに多く見られます。

かかりやすい種はこれらです。

  • プードル
  • テリア種
  • スパニエル種

女の子のワンちゃんでは最も多く見られる腫瘍で、転移をしない良性のものが50%で、残り半分は悪性です。

悪性のものの中の半分(全体の25%)は炎症性乳癌であるとされていますが、これはとても悪性度が高くて余命が短く、発見から数カ月もたたず命を落とすこともあります。

一般的に下記のことが見られるケースでは、予後が悪く進行が早いとされています。

  • 腫瘍の大きさが直径で3cm以上ある
  • 腫瘍の境目がはっきりしておらずよくわからない
  • 腫瘍の上の皮膚に潰瘍が起きていて膿が出ている
  • ワンちゃんが高齢
  • 遠隔転移が見つかっている

 

乳腺に関する病気は予防できるの?

授乳と偽妊娠で、予防についてはそれぞれの考え方がありますが、いずれにおいても重要なのは早期の発見であり、そのためには飼い主さんによるまめなスキンシップが大切です。

胸からお腹をマッサージしてさすってあげるほか、まめにブラッシングをかけてあげることなどで異変を見つけてあげることができるのです。

 

授乳中の予防

授乳しているワンちゃんに対しては、授乳させる場所を決めていつも清潔にしておくことが大切です。

そして授乳させていない時には、胸やお腹のマッサージを兼ねてさすってあげながら、しこりの有無など確かめてあげると早く発見してあげることができますよ。

 

偽妊娠の予防

やはり発情中にマッサージなどをしてあげて異変を見つけてあげることが大事です。

この場合にはヒートが終わった後に発症するので、ワンちゃんのヒートの時期をきちんと把握しておくことも大切になります。

もし繁殖させることを望まないのでしたら、避妊をしておくことが一番の予防につながります。

何も悪くない時に子宮と卵巣をとってしまうことがかわいそうとの思いもあることと思いますが、発情するたびに炎症を繰り返すようになると腫瘍ができる確率が高くなるのです。

処置に最適な年齢に達したら避妊をすることをよく考えてあげてくださいね。

また、重症化した際には切除をしますがその際に、避妊することを勧められることがあります。

全身麻酔をかけての手術が1度で済むので、同時に施術してもらうと良いでしょう。

 

切除には費用がいくらかかるの?避妊では?

トイ・プードルのような小さなワンちゃんで見てみましょう。

腫瘍摘出のための手術では検査や入院も含めておおよそ10万円ほどの費用がかかります。

さらに、切除したものの病理検査の結果が悪性だと転移する可能性があり、再び手術をしなければならなくなるかもしれません。

さらに化学療法など併用することになれば高額な薬代が必要になるでしょう。

これに対して避妊手術は4~6万円ほどで施術してもらえます。

飼い主さんの経済的な負担もさることながら、ワンちゃんが発情のたびに苦しむことを防いであげられるならその方が良いのではないでしょうか。

 

犬が乳腺炎になった!乳腺炎と乳腺腫瘍の違いって?まとめ

犬の乳腺炎はメス犬だけでなくオス犬にも起こることがあります。

オスだから大丈夫などと油断せずに、男の子にもまめにお腹のマッサージをしてあげてくださいね。

メス犬の乳腺炎はお産後の授乳だけでなく、妊娠前の偽妊娠でも起こることがあります。

そして、繰り返したり放置したりしていると乳腺腫瘍になる可能性が高い病気ですが、避妊をしておくことで防ぐことができます。

繁殖させる予定のないメス犬では避妊しておくことが最も確実な予防方法となります。

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