犬が肉球の怪我をした時の処置って?肉球がパンパンになった時の対処法を紹介

犬 肉球 怪我
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肉球って、見ていてついプニプニと触りたくなりますよね。

仔犬のそれはやわらかくていつまでも触っていたいと思うほどですが、飼い主さんのためにあるわけではありませんよ。

大切な働きを担っていて、滑り止め、クッションとしてないと困る組織です。

しかし、地面と接するために犬の肉球は怪我しやすい部分でもあり、その際は歩けなくなるので、すぐ治してあげなければなりません。

また、散歩から帰って剥がれ落ちてしまっていることを見つけることは珍しくありません。

2週間もすれば再生しますが、初めて見るとビックリしてしまうと思います。

ここではそんな犬の肉球の構造などを解説して、怪我をした時の対処などをご紹介します。

 

どんな構造なの?

4本の脚それぞれの中心に1つの大きい球があり、そのほか爪にそれぞれ4つの小さい球が付いています。

前脚の大きい球は「掌球(しょうきゅう)」、小さい球は「指球(しきゅう)」です。

また、このほかに前脚に「狼爪(ろうそう)」という退化した爪があり、離れたところに「手根球(しゅこんきゅう)」と呼ばれるものがあります。

これらは歩行には使われないのですが、長いものをかじる時や、頭や顔を掻く時にはこの爪を器用に使うワンちゃんもいます。

ただ、後脚は生まれてすぐに切除されることがあり、退化している種類もあるとされています。

なお後ろは、大きい球が「足底球(そくていきゅう)」、小さい球は「趾球(しきゅう)」と名前が付けられています。

 

肉球の働きとは?

角質でおおわれていて、少しザラザラしています。

中身の成分は主に弾性繊維やコラーゲンに脂肪で、弾力を保ちながらも柔らかい、あの思わず指で触ってプニプニしたくなる手触りになっているのでした。

 

クッションとしての働き

このプニプニした弾力は、飼い主さんを喜ばせるためにそうなっているのではなく、ワンちゃんの脚のクッションとして大事な働きをしているばかりでなく、脚の骨や関節を保護しているのです。

 

すべり止めとしての働き

正面の硬い角質層は小さな円錐の形をした突起が集まっていて、すべり止めの働きをしています。

また、走っている際のブレーキの役割も持たされています。

 

体温を調節する働き

球の周りには汗腺があって、汗をかくことで体温を調節する機能もあります。

口から舌を出してハアハアするパンティングだけで調節ができなくなるような時は、この汗腺から汗を出してサポートするにようにできているのです。

ちなみにワンちゃんの汗腺は肉球と鼻の頭にしかないとされています。

 

地面からの熱を遮断する働き

また、角質層によって、夏は熱い路面での火傷を防ぎ、熱を身体に伝えないよう守っています。

また、冬には冷たさを遮断して身体の熱が奪われるのを防いでくれます。

冷めたくなっても動脈の温かい血ですぐに温められるので雪道でソリを曳くことができるのです。

このように運動面でたくさんの役割が与えられていて、身体のパーツとしてとても大切なのです。

 

肉球のトラブルについて

室内飼いのワンちゃんは猫と同じように柔らかくスベスベで、仔犬は歩いているだけで小石やガラス破片でケガをすることがよくあります。

このような切り傷のほかにも下記のことが起こるとされています。

 

剥がれ落ちる

切り傷のほかにひび割れができ、一部が剥がれ落ちるトラブルが起こることがあります。

血が出ている時は、まず流水できれいに洗ってから清潔なガーゼなどで押さえて、出血を止めましょう。

ただ、消毒についてはネットを見ると賛否両論がどちらも出ています。

「化膿を防ぐにはオキシドールなどで消毒をする」との声があれば「消毒液が逆に刺激して悪化させるからしない」との意見もあります。

消毒をしたかどうかはともかくとしても、治り具合を見ながら獣医さんと連絡を取って指示を仰ぐと良いでしょう。

 

火傷(やけど)

真夏のアスファルトや砂浜では、見た目よりもかなり高温ですので、気をつけなければなりません。

うっかりすると火傷させてしまうことがよく起きるからです。

もし、うっかり火傷をさせてしまったら、水に浸したタオルや手元に保冷剤があればタオルで包んで冷やしてあげてくださいね。

冷やした後、脚を引きずるなどして歩くのを嫌がるそぶりを見せるようなら、足の裏を見てあげましょう。

黒ずんでいたり、赤くなっていたりほか、腫れ水ぶくれができていませんか?

このように水ぶくれになってしまっていると深い火傷を負っているので、急いで獣医さんに診てもらってください。

 

指間炎

足の指の間をやたらに舐めるような時は、指の間に炎症がおきています。

足先が濡れたままで放っておくと、犬がそこを気にして舐めているうちにかぶれてしまうのです。

汚れが残る事が炎症の誘因ですので、足の裏はいつも清潔にしておきましょう。

舐め続けているようならば、獣医さんに診てもらい抗炎症剤や抗生物質などを出してもらいましょう。

 

腫瘍

腫瘍は肉球だけではなく指間のところにもできることが知られています。

  • やたらに舐める
  • いつも血が出ている
  • いつもより腫れている
  • 歩くのを嫌がる
  • 歩行が困難になっている
  • 足先を触らせない

これらが盛んに見られていたら、球の周囲もふくめてよく観察してみてください。

いつもマッサージをしてあげていると、しこりなどを早く見つけることができますよ。

手遅れになると指や脚を切断しなければならなくなるかもしれませんので、日ごろからチェックしてあげてくださいね。

 

治したあとのフォローはどうしたらいいの?

止血などの処置をして、痛がるふうでもないようであれば様子を見ていくことになります。

 

やたらと舐める

舐めて治すのがワンちゃんですが、舐め過ぎると治りが遅くなることがあります。

そのような時はエリザベスカラーを着用して、治るまでは舐められないようにすると良いでしょう。

ただし、いつまでも着用しているとワンちゃんがストレスをためてしまいますので、早めに外してあげるようにしてくださいね。

 

切れたところがいつまでもジクジクしている

舐めていないのにいつまでもジクジクしたままであるのは、化膿してしまっている可能性があります。

獣医さんに見せて消毒や抗生物質や抗菌薬の内服薬をもらうなどの処置をしてもらってください。

 

散歩に行きたがるけど大丈夫?

跡が塞がっていればさせても大丈夫です。

アスファルト路面を歩かせないようにして、土や草の柔らかいところを歩かせてあげてください。

そして、帰宅したら必ず足裏をきれいに洗ってあげて、きれいな布で拭いて乾かしてあげましょう。

もしワンちゃんが嫌がらなければ、犬用のシューズやソックスを履かせて歩かせても良いですね。

ただし、歩いていたら血が出てきた、あるいは行くたびに血が出て治りが悪い場合には獣医さんに相談してください。

また、歩くことを嫌がるしぐさが見られたら、目には見えない痛みか何かが発生しているかもしれませんので診察してもらいましょう。

 

ふだんのケアはどうすればいいの?

いつも元気に走り回ることができるように、飼い主さんのお手入れでケアをしてあげてください。

ケアで大切なことは保湿と血行促進と言われています。

 

ケガを防ぐために

可能であればシューズを履かせてあげれば、小石やガラスを踏んでも切り傷を避けることができるのです。

ただ、角質は鍛えると厚くなってさらに丈夫になることがわかっています。

傷が治っているのならば、ふつうに何も履かさずに歩かせた方が良いかもしれませんね。

 

ひび割れや剥がれ落ちるのを防ぐために

防ぐには保湿が重要で、冬場では乾燥から守ることで、ひび割れや剥がれ落ちを防げます。

専用クリームが市販されていますから、獣医さんにも聞いてワンちゃんに最適なクリームを選んでください。

 

血行促進にはマッサージが有効

マッサージをしてあげると、気持ち良いのかリラックスしてくれるようになります。

やり方は以下の通りです。

  1. ぬるま湯で少しだけ指先を濡らし、肉球を優しくなでる
  2. 専用クリームを手で人肌に温めて、両手で広げながら塗り込む
  3. 塗り込みながらマッサージをする
  4. 間の部分も塗り込みながらマッサージをする
  5. 終わりの合図に、足先全体を軽く包み込むように握る

始めのうちは触られるのを嫌がるかもしれませんが、あきらめずに続けましょう。

リラックスの表情を見せるようになったら、足1本にこのサイクルで何回かを10分くらいかけて実施してあげてください。

 

犬が肉球の怪我をした時の処置って?肉球がパンパンになった時の対処法を紹介・まとめ

犬の肉球は飼い主さんにとって心の癒しポイントであり、犬にとってはとても大切な組織です。

散歩くらいで愛犬の肉球が怪我しないよう、日ごろからケアをしてあげることで、立派な肉球を作ってあげてくださいね。

マッサージは健康で丈夫な肉球を維持することができるばかりか、飼い主さんがプニプニの肉球の感触を楽しみながらコミュニケーションを取る絶好の機会でもあります。

リラックスの表情を見せる愛犬の肉球を「怪我しないように」と祈りながら、優しくマッサージしてあげてくださいね。

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