【専門家監修】犬が缶詰しか食べない?犬用缶詰の温め方、保存方法などをご紹介

犬 缶詰
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犬はグルメな子が多く一度覚えた美味しいものについてはずっと覚えています。

ご飯と言えばカリカリが一般的ですが、缶詰にもさまざまな種類が販売されるようになってきました。

犬の好みはやはりカリカリより、缶詰の方が多いようです。

しかし、メリット・デメリットを踏まえるとできればカリカリで落ち着いて欲しいというのが本音ではないでしょうか。

一度試しに缶詰をあげただけなのに次の日に出したカリカリを食べてくれなくなったとよく聞きます。

そこで、犬が缶詰しか食べてくれない場合はどう対処すればいいのかを解説していきます。

【専門家監修】宮腰 里知子

専門家 監修
【動物関係の保有資格】愛玩動物飼養管理士、アニマルリハビリテーターなど。動物専門学校ペットビジネス科卒業後、ブリーダーの犬舎に就職。ドックショーにも出陳。ペットショップで販売を経験しました。ペンギン、カピバラ、フクロウなどの飼育にも携わりました。

 

犬が缶詰だけしか食べない時の対処法

缶詰をメインにしている方もなかにはいますが、デメリットを考えるとできればカリカリを食べるようになってほしいと願っている方が多いかもしれません。

ここでは缶詰しか食べない時の対処法についてご紹介していきます。

 

ふやかす

カリカリを与えても全く興味を示す気配がない場合は、ぬるま湯などでふやかしてみてください。

ふやかすことで柔らかくなりますし、風味も増して意外にあっさり口にしてくれたという声を多く聞きます。

 

トッピングや缶詰を混ぜる

ふりかけや缶詰などのトッピングを混ぜることで、興味を引き付けカリカリも一緒に口にしてくれる可能性が出てきます。

しかし、ふりかけの形状などによってはカリカリにうまく絡まずふりかけのみが無くなっているということも。

それに、トッピングあり=食べる、トッピングなし=食べないとなったら結局ずっとトッピングをし続けないといけないことになるかもしれません。

そう考えると経済的にも負担が大きいですし、一時しのぎになってしまうので根本的な解決法にはなりません。

トッピングをしてでも口にしてもらいたい時は、徐々にふりかけや缶詰の量を減らしカリカリの割合を増やしていくようにしてください。

 

食べない場合は、すぐに片付ける

ご飯を常に出しっぱなしにしている方がいますが、これはNG行動です。

理由としては「お腹が空いたらいつでも食べられる」と勘違いするからです。

ご飯の時間をある程度決めておき、ダラダラと時間がかかったり興味を示さない際は、すぐに片付けるようにします。

わがままや体調不良であっても関係ありません。

それよりも「すぐに食べないとなくなる」という意識付けが重要なのです。

 

カリカリ以外のものを与えない

一番効果的な方法がカリカリ以外のものを与えないようにすることです。

カリカリを口にしない理由で一番多いのは「わがまま」です。

「これを食べなかったら大好きな缶詰が食べられるかも」ということがわかっているのです。

カリカリを食べさせたい時は、それ以外のものを与えずカリカリだけを与え続けることが一番になります。

お互いの我慢比べになりますが「これしか出てこないんだな」と理解できればしぶしぶ口にしてくれるようになるでしょう。

 

犬がシニア犬になったら缶詰を上手に活用しよう

シニア年齢になってきても歯の健康を保つためには可能な限りカリカリを食べて欲しいものですね。

ですが、噛む力や飲み込む力がどうしても衰えてしまい食べたくても食べられない状況になることが出てきます。

そんな時に缶詰を活用することで改善される可能性が高いです。

また、水分摂取量も減っていきます。

そうなると、脱水になりやすい状況に陥り水分含有量が少ない主食より缶詰の方が水分摂取も一緒に行えるというメリットもあります。

しかし、缶詰の場合は歯垢が付きやすい傾向にありますので歯のケアはしっかり行うようにしてくださいね。

愛犬のその日の状況に合わせてカリカリと缶詰を使いわけることが望ましいでしょう。

 

犬に缶詰を与えるメリット・デメリット

犬に缶詰を与えるとカリカリを口にしてくれないというデメリットはありますが、他にもメリット・デメリットがありますのでご紹介します。

 

犬に缶詰を与えるメリット①柔らかい

缶詰には少し肉に近いような歯ごたえがあるものや、離乳食のように柔らかい形状のものまで様々な種類が販売されています。

歯が弱くなってきた子や病気の子にも食べやすい形状のものなので、愛犬に合った缶詰を選んであげられる点はメリットの1つと言えるでしょう。

 

犬に缶詰を与えるメリット②:興味を示してくれる

缶詰は水分量が多く、香りも強いですし食感も良いので大抵の子はとても食いつきがいいでしょう。

食欲が少し落ち着いてきている子にはカリカリに混ぜて与えてあげれば、興味を示してくれるようになります。

 

犬に缶詰を与えるメリット③:高カロリー

缶詰はカロリーが高く、シニア犬や病気の子にカロリーを摂らせたい際におすすめです。

選ぶ際に注目して欲しいのがラベルです。

「一般食」「副食」と書かれているのは人間でいう「おかず」にあたり、「栄養補助食」「特別療法食」と書かれているのは子犬やシニア犬、病気の子などに食べさせるものとなります。

ですので、缶詰だけで生活させる場合には「総合栄養食」と書かれているものを選ぶようにしてください。

現在は体質や体型で気になる部分に気遣った缶詰も販売されているので、愛犬に合ったものを色々試してみても良いかもしれません。

 

犬に缶詰を与えるメリット④水分量が多い

犬の中には水分摂取量が少ない子もいます。

水分摂取が少ないと脱水や便秘、尿路結石になりやすいため、できるだけ摂取して欲しいと思うものです。

普通に水を飲むことができれば問題ないのですが、あまり飲まない子や飲めない子のために水分量が多い缶詰を活用することも一つの方法です。

 

犬に缶詰を与えるデメリット①保存ができない

先ほどおご紹介しましたが缶詰は開封すると菌が発生しやすいため24時間以内食べきることを前提に作られています。

その日のうちに食べるにしても缶のまま保存するのではなく、必ず密閉容器に移し替えて冷蔵保存するようにしましょう。

それ以上に日数放置したものは勿体ないと思うかもしれませんが愛犬に害を与えないためにも処分してください。

 

犬に缶詰を与えるデメリット②高い

缶詰はカリカリに比べると価格が高いです。

それを毎日朝晩2回与えるとなると結構な経済的負担になってくるでしょう。

最初は缶詰を与え経済的に厳しいからと途中からカリカリに変えると愛犬が食べてくれなくなる可能性が高くなります。

そのため、缶詰をメインで与えるのであれば継続して与えることができるかどうかを考慮しておく必要があるでしょう。

 

犬の缶詰の温め方

犬の缶詰はそのままでも十分食べられるのですが、少し温めるだけで香りが良くなり愛犬の食欲が増します。

缶詰を温める時はやけどの可能性も出てきますので人肌程度の40度ほどが理想です。

また、栄養素である酵素は60度の熱を加えれば破壊されるということなので、60度以上に加熱するのはやめましょう。

そして、温めた後は実際に指で触って熱くなりすぎていないかを必ず確認してください。

温めた後の缶詰から変なニオイがする時は原料が良くない証拠なので温めることで品質チェックも可能になります。

 

犬の缶詰の保存方法と開封後どれくらいで食べきるのがいいの?

犬に缶詰を与える際には保存方法や開封後の扱いにも注意しなければいけません。

保存方法として一番良いのは缶詰のままではなく、タッパーや真空パックに入れて冷蔵庫へ入れることです。

その他、ガラス製品やプラスチック製品、陶器でも構いません。

缶詰に入れたまま保存すると雑菌の繁殖だけではなく、缶詰が空気に触れることで缶の金属が酸化し金属腐敗が起こって缶詰の中身を取り出す際に混ざって愛犬の体内に入り込むことになってしまいます。

少量入るくらいであれば影響はないのですが大量に体内に入ると人間ではめまい、頭痛、吐き気などが起こると報告されており、犬であれば症状がもっと強く出てきますので注意しましょう。

そして、缶詰には防腐剤が入っておらず、一度開封してしまうと24時間以内に食べきることを前提に与えるようにしてくださいね。

 

犬が缶詰だけしか食べない:まとめ

今回は犬の缶詰についてご紹介してきました。

愛犬にとってご馳走となる缶詰は毎日食べられると思うと食事の時間が待ち遠しくて仕方がないでしょう。

しかし、缶詰ばかりを与えているとメリットもありますが、デメリットもあるためその点を考慮しながら与えるようにしましょう。

また、缶詰は取り扱いに注意が必要です。

記事内では缶詰の保存方法や温め方、メリット・デメリットなどもご紹介していますので、愛犬に缶詰を与える際の参考にしてもらえればと思います。

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