落ち着きのない犬が他の犬や人に覆いかぶさって「やめなさーい!」と怒られる光景、目にしますね。
クッションやぬいぐるみにもまたがって腰を振ることがありますが、これはマウント行為です。
マウントにはどんな意味があるのでしょう?
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マウントってどういう意味でするの?
マウンティングには性行動以外に喜びや遊び、上下関係を示す、ストレスの発散など意味は様々。
犬は言葉を話せませんが、行動で表しています。
喜びや遊び
人や犬に対して「遊ぼう」と飛びついていくのは喜んでいるときです。
よく人の足に抱き着いている犬いますね。
男性よりも女性の方が優しそうなのでマウントされやすいようです。
嬉しくて遊んでほしい気持ちを表現しているのですが、もし相手がお年寄りや子どもだった場合、飛びついてケガをさせるかもしれません。
事故を防ぐためにも、しつけをしてやめさせましょう。
仲の良い犬同士ならそのままじゃれあって遊びます。
このときの犬は自分と同等であり、上下関係は存在しない気を遣わずにすむ相手です。
出典:https://o-dan.net/ja/
上下関係
マウントとはオスがメスにするものというイメージがありますが、実は同性でもマウントをすることがあります。
それは上下関係を示すときで、立場が上の犬が下の犬に乗って「自分が上だ」と表現しています。
若い犬や大人しい性格の犬がマウントされることが多いでしょう。
犬は群れで暮らしてきた動物で、祖先は上下関係を大切にしてきました。
飼い主へのマウントは信頼関係が築けていない証拠なのでやめさせてください。
このとき犬は自分は欲しいものがもらえて当たり前だと思っていて、悪化すると少しでも気に入らないことがあったときに噛みつくようになってしまいます。
ストレスの発散や遊び
お気に入りのクッションやぬいぐるみにマウントするのは、ストレス発散や退屈しのぎです。
ただの遊びで済めばよいのですが、それが延長して「このおもちゃは自分のものだ」と周りの人間に示すようになります。
そんなお気に入りのものが取り上げられると怒って飼い主を噛むようになるでしょう。
ワガママな犬に育たないためにもやめさせなくてはいけません。
性行動
マウントの姿勢は交尾と同じでオスがメスの上に乗る形です。
オスがヒート中のメスに遭遇すると妊娠させてしまう可能性があるので、オス犬を飼っている人は注意しなくてはいけません。
本能的にオスがマウントしやすいのは確かですが、メスにもマウントしやすい犬はいます。
メスだから大丈夫というわけではないので、しつけをしてやめさせましょう。
マウントのときに出る液体は何?
マウントと同時に尿や精液が出ることがありますが、これは飼い主が帰ってきたときなどに起こるうれションのようなものです。
犬は興奮が体全体に現れる動物なので珍しいことではありません。
他にも精液や赤チン呼ばれる犬の性器が見えることがあります。
去勢しても出ることはありますが、血液や膿が混じっているときは病気の可能性があるので、獣医師に相談しましょう。
マウントはいつからするの?
犬がマウントをするようになるのは生後6ヵ月くらいから。
個体差はありますが生後2~3か月で始める犬もいます。
性成熟する前のマウントは社会化行動のひとつとされています。
成長過程で見られる行動なのでその後犬に去勢やしつけをすればやめる可能性はあります。
子孫を残すという本能はどの動物にもあるので、人間には不快に思えても犬にとっては自然です。
人間もある程度の年齢になると異性を意識し始め、思春期には不安定な行動が見られますね。
出典:https://o-dan.net/ja/
マウントは去勢後もするの?
去勢の効果
去勢するというのはマウントをやめさせるひとつの手段ですが、100%直るわけではありません。
やはりしつけをしてやめさせる必要があります。
家でのしつけ
飼い主や親しい人にマウントしそうになったら、犬に背を向ける、離れるなどしてかわします。周囲にも協力してもらいましょう。
このときに「やめなさーい!」と叱ってしまうと犬はかまってもらえると勘違いするので、「ダメ」と一言言うくらいにして無視をします。
マウントしても遊んでもらえない、むしろ逆効果だと教えてあげてください。
クッションなどの物に対するマウントは、別のおもちゃを与えることでやめさせます。
他に遊ぶものがあるとわかれば、対象物への執着はなくなり、やめるストレスはかかりません。
出典:https://o-dan.net/ja/
外でのしつけ
外で知らない犬や人にマウントしそうになったら、「おすわり」「まて」などの指示を出す、おやつを出して興味をそらしてください。
ポイントは犬と対象物との距離をとることです。
マウントしてしまったときは、マズルを掴んではっきりといけないことだと教えましょう。
犬同士のつきあい方
子犬は母犬やきょうだい犬と遊ぶことで犬同士のつきあい方を知ります。
なのでよくわからない早い時期に引き離してしまうと攻撃的になってしまうでしょう。
マウントしてケンカしやすい犬は犬同士のつきあい方がわからないからやっていると考えられています。
マウントされた犬が対犬恐怖症になる、互いにケガをするなど飼い主同士も気分の良いものではありません。
まとめ
マウントは犬にとっては自然な行動ですが、人間と共に生きていくとなると問題行動ととしてみられてしまいます。
人間は成長と同時に学校に行くなどして人とのつきあい方を学びますね。
犬も同じで他の犬や人と関わることで社会化します。
マウントをやめさせるには時間がかかりますが、不可能ではありません。
犬をよく観察して人間との生き方を教えてあげましょう。