【獣医師監修】犬はごぼうを食べても大丈夫?腸内環境を整えよう!

ごぼう
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ごぼう料理

ごぼうの旬は春と晩秋の年2回。

きんぴらごぼうをはじめ、豚汁、炊き込みご飯に欠かせない食材だ!

 

ごぼうと言えば、食物繊維が豊富な食材として知られているが、近年では食物繊維のデトックス効果に注目が集まりヘルシー食材として人気を博している。

 

代表的な根菜のひとつであるごぼうは、地中に生える「根」の部分を食べるのだが、食用とされているのは日本と韓国、台湾などのごく一部である。なんと欧米人にとっては「木の根を食べてる」と驚きの目で見られることが多いようだ。

 

そんなごぼうの歴史は古く、平安時代に中国から薬草として伝来したことにある。伝来した当時は、宮廷料理の薬膳として扱われ、一般庶民は口にすることさえできなかったという。

古くは薬として扱われていたごぼう。その細長い見た目にはどれほどの栄養が含まれているのだろうか。

今回はごぼうにスポットをあて、犬との相性、栄養や効能について紹介していく。

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

ごぼうは犬にとっても健康食材なのだ!

ごぼう

ごぼうといえば、何といっても食物繊維が豊富に含まれていることで有名だが、食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類がある。

まず注目したいのは、ごぼうに含まれている水溶性食物繊維「イヌリン」という成分。イヌリンは大腸の運動を活発にしてくれ、便秘解消や血糖値を下げる作用があるといわれている。

 

一方、不溶性食物繊維に含まれる「リグニン」には、コレステロールを減らす働きがあり、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などを予防してくれる効果も期待できる。

 

とはいえ、食物繊維を多く含む食材は犬にとって消化が苦手であるため心配される方も多い。たしかにその通りなのだが、食物繊維は犬の体にとっても必要な成分なのだ。

 

ひと昔前までは「犬は肉食だから食物繊維は必要ない」などといわれたこともあったが、最近では肉だけでは補えない成分として食物繊維をプラスする考えが知られてきている。

 

人のようにバクバク摂る必要はないが、特徴やバランスを意識して与えれば、犬の健康にも大いに役立ってくれる成分なのである。

 

ごぼうに含まれる犬に役立つ栄養と効能

ごぼう

ごぼうの成分は81%以上が水分でできており、ビタミン類も微量に含まれている程度で、ほとんど無いに等しい。

しかし、ごぼうにはそれらを補うミネラルと食物繊維が豊富に含まれているのだ。

 

イヌリン

食物繊維に含まれる炭水化物の一種。ごぼう特有のシャキシャキした歯ざわりは、イヌリンという炭水化物によるものである。

ごぼうには特に多く含まれているのが特徴。大腸の運動を活発にしてくれ、便秘解消や血糖値を下げる作用があるといわれている。

 

リグニン

リグニンは血中コレステロールを抑制する働きがある不溶性食物繊維である。

動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などを予防してくれる効果も期待できる。

 

アルギニン

古くからごぼうには疲労回復効果があるとされていた理由のひとつ。

アルギニンは必須アミノ酸の1種で、運動したときに血中に分泌されるアンモニアの増加を抑える働きがあるとされている。そのため疲労回復の目的で栄養ドリンクなどに用いられている。

 
 
カルシウム
 

骨や歯を作るのに必要な栄養素。それなりのドックフードを与えていれば、カルシウムを不足することはないだろうが、手作り食がメインの場合は、どうしてもカルシウムが不足しがちになってしまう。

しかも、犬の年齢に応じて必要量も変化するのだから、手作り派の方は意識して摂取したい成分

 

カリウム

ごぼうにはカリウムも含まれており、100gあたり320mgと豊富。

カリウムは、体に含まれている余計な塩分(ナトリウム)を排出する効果があることから、利尿作用血圧を下げる働きに期待ができる。

 

 

 

まずは与え方の基本をマスターしよう!

ごぼう

ごぼうを生で与えても問題ない?

春から初夏にかけて出回る「新ごぼう」や「サラダごぼう」などは、アクが少なくサラダ感覚で生食できるものもあるが、あくまでも人の場合に限る。

 

犬は肉食よりの雑食動物なため野菜の消化はあまり得意とはしない。消化器官も人とは異なるのだから、消化にいいよう柔らかくなるまで茹でるか、細かく切り刻んだものを与えるようにしよう。

 

また、ごぼうの食物繊維は100gあたり5.7gと豊富に含まれているのも忘れないでおこう。「健康に良さそうだから」と思って与え過ぎてしまうと、消化不良や下痢気味になることもあるので適量を心がけたい。

 

 

食物アレルギーがないか様子を見守る

アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼ぶのだが、実は食べ物全てにアレルゲン要素があることは知っておきたいところ。初めて与える時は少量から与えて、痒がったり嘔吐したりしないか、愛犬の様子を見守ってあげるのも大切だ。

 

さいごに

ごぼう

今回紹介した食物繊維の有効成分をはじめ、ごぼうの旨味や香りは皮付近に多く含まれているので皮はなるべく剥かない方がよしとされている。

 

そのためピーラーは使わず、クシャクシャにしたアルミホイルを使って流水で擦りながら洗うのがベスト。泥や汚れも簡単に落ちるので、是非試してみてほしい。

ごぼうの皮は剥かず、軽くこそげる程度がより多くの栄養素を摂取できておススメだ!

 

豊富な食物繊維で腸内環境を整えてくれるごぼう。ぜひ摂取して愛犬と共に体の内側から改善してほしい。

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