【獣医師監修】犬はうずらの卵を食べても大丈夫?普通の卵との違いは栄養価の高さにある!

犬 うずら うずらの卵 アレルギー 食べる 与える 大丈夫
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犬 うずら うずらの卵 アレルギー 食べる 与える 大丈夫 

見てかわいい、食べて美味しい、うずらの卵。

そのコロンとした可愛らしい姿は、料理やお弁当にちょこんと添えられるだけでも胸がウキウキしてしまう食材だ。

卵といえば「鶏卵」が食卓ではお馴染みの食材ではあるが、うずらの卵と鶏卵の大きな違いは、栄養価の高さにある。うずらの卵は鶏卵に比べとても小さいが、栄養価では鶏卵を大きく上回っているのだ。

もちろん鶏卵と同じく、うずらの卵を犬に与えても大丈夫。

是非、うずらの卵の魅力を知って、愛犬の食事にも活用してみよう。

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

鶏卵よりも栄養価が高いうずらの卵

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見た目はとても小さいうずらの卵。

コロンとして可愛らしいが、栄養面では鶏卵を凌ぐパワーの持ち主。

なんと、ビタミン類は鶏卵の約2倍、ビタミンB12に関しては約5倍も多く含まれているのだから驚きだ。

 

 

ビタミンA

ビタミンAは、動物由来のレチノールと、植物由来のβカロテンに区別される。うずらの卵に含まれるビタミンAはレチノールに区別され、活性化ビタミンであるため体内で変換する必要がない。

また、脂溶性であるため、油と一緒に調理することで体内での吸収率が高まるのが特徴である。

 

ビタミンAには粘膜を強く丈夫にする作用があることから、目・口・鼻・喉・皮膚などの健康維持をサポートしてくれる。また、体を酸化から守ってくれる抗酸化作用をもち、ガンの抑制効果もあるとされている。

 

 

葉酸

葉酸といえば、妊娠初期に必要となる栄養素であるが、その理由は細胞の生成に必要な栄養素だから。

犬は腸内細菌によって多少の葉酸が作られるというが、犬の1日の必要量を満たしているかまでは明らかになっていない。不足しないよう普段の食事からも補っていきたい栄養素だ。

 

 

鉄分

鉄分が不足すると貧血になることは多くの人が知っているだろう。

鉄分は貧血予防や改善に効果的な成分。鉄分は赤血球の中の「ヘモグロビン」を作るのに欠かせない材料であるほかにも、赤血球が酸素を運ぶ手助けをしてくれる大切な役割がある。

 

 

ビタミンB12

ビタミンB12は補酵素として、タンパク質、炭水化物、脂質などの代謝を助ける働きがある。

また、造血ビタミンの一つであるビタミンB12は、赤血球の生産には欠かせない栄養素でもあるため、老化防止、貧血防止、タンパク質合成などに効果を発揮する成分ともいわれている。

 

「生卵」で与えるメリット・デメリット

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みなさんは、「生卵の白身部分は犬に食べさせないほうが良い」という話を聞いたことはないだろうか。

逆に、黄身部分は与えても問題はないとも言われている。ここでは、その理由を説明しよう。

 

なぜ生卵の白身部分は良くないの?

生卵の卵白には「アビジン」と呼ばれる成分が含まれいるのだが、この成分はビタミンの吸収を邪魔してしまう成分。せっかくビタミンを摂取しても吸収を阻害してしまうのだ。

 

主に、ビオチン(ビタミンB群の仲間)と呼ばれるビタミンの吸収が阻害されてしまうと、ビオチン欠乏症による食欲不振、皮膚や毛が弱くなる症状を引き起こす恐れがある。

こうした理由から、「生卵の白身部分は食べさせないほうが良い」と言われているわけだ。

 

 

では、生でも黄身の部分ならいいの?

では、食べても問題ないと言われている黄身の部分。

害がある成分は含まれていないので「与えても問題ない」と言われているが、生卵は人間でも食中毒になるリスクはゼロではないことは覚えておこう。

特に、暑い夏の時期は避けるのが無難。また、高齢犬、仔犬、病気中など、抵抗力の弱い犬に与える場合も避けるべきだろう。

 

うずらの卵の与え方

まずは賞味期限を知っておこう

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うずらの卵の賞味期限は、パック日より最大で21日間、つまり3週間だ。

意外と長持ちすると思ってしまうが、季節や保管場所の環境によっても変わることを忘れてはいけない。

また、卵は温度変化を嫌うので、冷蔵庫に保管したとしても過信しないほうが無難。特に、茹でた場合の賞味期限は、冷蔵庫で3日以内と短くなるので注意しよう。

 

 

うずらの卵はどう与えるのがベスト?

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生の場合は、うずらの白身と黄身を分けるというのは少し難しいので、やはり加熱する方が手間も少なく安全面でも心配がなくていいだろう。

また、加熱と言っても、目玉焼き、ゆで卵、半熟卵など、いろいろな調理方法があるが、基本どれを与えても問題はない。

前項でも説明したアビジン(ビタミンの吸収を阻害)も80℃で加熱すれば効果はないので、白身部分も安心して与えることができる。

 

ちなみに、ベストな与え方は半熟卵がおすすめ。焼き玉子、ゆで卵よりも柔らかく黄身部分にも水分が残るので、食べやすい柔らかさで与えることができる。

また、卵は半熟程度にすることによって体内吸収率が97%になるとも言われている。ほかの調理方法よりも消化吸収効率がよくなるので、ぜひ試してみて欲しい。

 

与える前に知っておきたい2つのポイント

鶏卵と比べてカロリーが高い

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鶏卵と比べて栄養価が高いうずらの卵ではあるが、実はカロリーや脂質も高い。

※いずれも100gあたりの数値。カロリー、≪ ≫内は脂質の順。

  • うずらの卵・・・179kcal   ≪13.1g≫
  • 鶏卵・・・151kcal  ≪10.3g≫

 

こうして見ると、うずらの卵の方が、カロリー・脂質ともに高いことが分かる。普通の卵と同じような感覚で与えてしまうと、愛犬がメタボになる可能性があるので注意が必要だ。

 

 

食物アレルギーがないか様子を見守ろう

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アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼ぶのだが、実は食べ物全てにアレルゲン要素があることは知っておきたいところ。

初めて与える時は少量から与えて、痒がったり嘔吐したりしないか、愛犬の様子を見守ってあげるのも大切だ。

 

 

さいごに

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コロンとした小さいサイズは、まるで愛犬用のためにあるのでは?とも思えてしまう、うずらの卵。

いつも食べている鶏卵よりも栄養価が豊富なので、愛犬の食事にも是非取り入れてみたい食材だ。

 

今回の情報を参考に、うずらの卵を使った愛犬メニューを考えてみるのも面白い。

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