【獣医師監修】犬はプルーンを食べても大丈夫?犬は避けた方がよい果実?

犬 プルーン 中毒 食べる 与える
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犬 プルーン 中毒 食べる 与える

プルーンは、すももの近縁種であるセイヨウスモモなどの総称。

海外でプルーンは、一般的に生のすもも「プラム」を乾燥させたものを言うが、日本で呼ばれるプルーンは果実そのもののことを言うことが多い。

分類はあいまいではあるが、すもも、プルーンも同じ仲間なのだ。

 

普段あまり食べる機会は少ないかもしれないが、その栄養価は非常に高い。しかし、犬にとってはどうなのだろうか?

ここでは、そんな健康食品プルーンの成分とともに紹介したい。

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

犬はプルーンを食べても大丈夫?

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ビタミンやミネラルなどの栄養も豊富なので、妊婦の必需品ともいわれているプルーン。

甘酸っぱくて、健康食品としても人気なため「愛犬にも与えたい」と思う飼い主さんもいるだろう。

 

しかし、人にとっては体に良くても、実は犬にとっては避けた方が良い果物である。

 

一見、ジューシーな果実はもちろん、自然の味そのものがギュッと詰まっているドライプルーンも愛犬が喜びそうではあるが、種は中毒症状、果肉は高糖分と高繊維のためリスクが高い。

 

犬が少し口にした程度なら大きな影響はないが、複数個を摂取すると下痢や嘔吐、食欲減退、ひどい場合はけいれんや鼓腸を引き起こすという。

 

少量口にした程度なら問題ないが、お裾分けするなら他の安全な果物を選択した方がいいだろう。

 

プルーンに含まれる成分

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栄養価がとても高いプルーンであるが、具体的にはどんな栄養を含んでいて、体にはどんな効果があるのだろうか?

ここでは「ドライプルーン」について紹介していこう。

 

カリウム

ドライプルーンには、100gあたり480mgと超豊富にカリウムが含まれている。

カリウムには、利尿作用があるほか、血圧を下げる働きにも良い効果を与えてくれる。欠乏は「低カリウム血症」を発症し、子犬で情動不安および筋麻痺などが報告されているほどだ。

しかし、カリウムは犬にとっても大切な成分であることは間違いないのだが、過剰に摂取すると逆に「高カリウム血症」の原因になってしまうので注意が必要である。

 

 

食物繊維

ドライプルーンには、便質の改善や便通を促す「不溶性食物繊維」と、腸内の不要なものを排出する「水溶性食物繊維」の両方が豊富に含まれている。

食物繊維と聞くと便秘改善をイメージする方も多いだろうが、他にも腸内細菌を整える効果もある。胃腸の調子が悪い時には摂りたいものだ。

 

 

鉄分

鉄分が不足すると貧血になることは多くの人が知っているだろう。

鉄分は貧血予防や改善に効果的な成分。鉄分は赤血球の中の「ヘモグロビン」を作るのに欠かせない材料であるほかにも、赤血球が酸素を運ぶ手助けをしてくれる大切な役割がある。

 

 

マグネシウム

血圧や体温調整、神経伝達には欠かせないミネラルのひとつ。

もちろん、過剰摂取は尿路結石を引き起こす要因にもなってしまうが、気にしすぎて摂取せずにいると欠乏症による神経障害や骨、血圧などに異常をきたす場合もある。

犬の健康維持には必要不可欠なマグネシウム。バランスよく摂取を心がけたい。

 

プルーンはなぜ犬にとって危険なの?

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このように、栄養価だけを見てみるとプルーンは優秀な食材のように思えるが、実は「葉」や「茎」、「種」には毒性があることは知っておきたい。

 

プルーンはバラ科の果実。主に、バラ科植物の種子や未熟な果実の部分には、アミグダリンやプルナシンという青酸を含む天然の有害物質が含まれている。

これらを総称して「シアン化合物」と言うのだが、ビワ、アンズ、梅、桃、すもも、などに多く含まれている。

 

一方で、熟した果肉に含まれるシアン化合物はごくわずか。

ごくわずか、と言っても0ではないので、大量摂取による胃の不快感、嘔吐、頭痛、めまいなどの可能性は無視できない。

人の場合だと、プルーンを未熟な状態で食べてしまったり、種子ごと食べることはあまりないだろうが、犬の場合は知らずに食べてしまうだろう。

 

また、ドライフルーツとしてのプルーンの方が馴染み深いだろうが、近年では旬の時期に果物売り場で生のプルーンを見かけることもある。

ただ、残念なことにカロリーや糖質量が高いので、犬に与えるのは不向きな果実であることも併せて知っておこう。

 

※いずれも100gあたりの数値。カロリー、〈 〉内は糖質の順。

  • プルーン (生) ・・・49 kcal  〈 10.8g 〉
  • プルーン(ドライ)・・・235kcal  〈 42.2g 〉

 

こうして見ると一目瞭然。プルーン生・ドライとも、カロリーや糖質が高いのがお分かりいただけるだろう。

 

プルーンは「体によさそうだ」と思っても、上記の理由から念のために犬に与えるのは控えた方が無難である。

 

 

さいごに

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鉄分やビタミン、食物繊維が豊富で、抗酸化作用も高いプルーン。

特にドライプルーンは、手軽さゆえ何かをしながらつまむのにはちょうどいいだろう。

しかし、食べてる傍で愛犬が欲しがってきたら、プルーンに含まれている毒性、カロリーや糖質の高さなどを思い出してほしい。

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