疲れた時に無性に食べたくなる甘いもの。
そんな時は、あんこものと日本茶で休憩すると心が穏やかになってくる。
小豆といえば「あんこ」や「赤飯」「おはぎ」くらいしか思い浮かばないという人も多いかもしれないが、実は豊富な栄養を含んでいる。
小豆の主成分は炭水化物とタンパク質だが、特に運動後の疲れがたまる乳酸の燃焼にも関与するビタミンB1の含有量が高い。それ以外にも、食物繊維やミネラルを含んでおり、普段から積極的に摂取したい食材だ!
そんな小豆、犬にとって有害な成分など含まれていないため与えても問題はないが、やはり気になるのはカロリーと糖質だろう。
ということで今回は、小豆のカロリーや糖質、糖分が気になる犬向けに甘くないレシピも紹介する。
Contents
茹で小豆のカロリーと糖質をチェックしてみよう
人の場合は、主に、赤飯や和菓子のあんことして食べることが多いが、愛犬に与える時はあずき単体で与えることが多い。
そこで、まずは茹でた小豆のカロリーと糖質量を見てみよう。参考までに、「こしあん(小豆)」、「つぶあん(小豆)」の値も並べておく。
カロリー | 糖質 | |
小豆(茹で) | 143kcal | 19.8g |
つぶあん | 155kcal | 26.0g |
こしあん | 244kcal | 54.7g |
(※いずれも100gあたりの数値)
こうして見ると、小豆(茹で)は低カロリーではあるが、糖質は高め。
ちなみに、同じ豆類である「枝豆」の糖質は100gあたり約7g。枝豆の3倍近い糖質が小豆には含まれているということになる。
つまり、低カロリーであるからといって日常的に与えてばかりいると、肥満の原因に繋がってしまうので注意が必要だ。
また、つぶあん、こしあんはそれぞれで作る工程が違う。
- こしあん・・・小豆を茹でて裏ごしして皮を取り除き、砂糖を加えて練り上げたもの。
- つぶあん・・・小豆の皮を破かないように茹で、砂糖を加えて潰さないよう練ったもの。
小豆(茹で)に砂糖を足した分、糖質量がグンと増し、カロリーも高くなってしまうのは知っておこう。
砂糖は犬にとっても必要ではあるが、甘味のある食べ物はクセになりやすい。普段の食事を食べなくならないように「小豆」と「あんこ」は分けて考えたほうがよさそうだ。
小豆に含まれる犬に役立つ栄養と効能
カリウム
カリウムは、体に含まれている余計な塩分(ナトリウム)を排出する効果があることから、利尿作用や血圧を下げる働きに期待ができる。
鉄分
鉄分は貧血予防や改善に効果的だと言われている。鉄分は赤血球の中の「ヘモグロビン」を作るのに欠かせない材料であるほかに、赤血球が酸素を運ぶ手助けをしてくれる大切な役割がある。
ビタミンB1
ビタミンB1はエネルギー代謝に必要な栄養素といわれ、記憶力や認知機能を正常に保つ働きや、脈拍数や血圧が上がりすぎないように調節する。
別名、「神経系のビタミン」とも表現され、ビタミンB1の欠乏は運動失調や神経伝達に障害が発生しやすくなる。
ビタミンB2 (リボフラビン)
糖質、脂質、タンパク質を分解する酵素のサポート役として働く。
別名「発育のビタミン」とも言われ、発育促進に重要な役割を果たしてくれる。ほかにも、皮膚、被毛、爪などの細胞を作るためにも必要と言われている。
亜鉛
犬に亜鉛?と思ってしまうが、実は愛犬の健康を保つためには頼りになる存在。
亜鉛は、細胞の再生やストレスの軽減、免疫力の向上に効果があるといわれている。
亜鉛の不足は、フケ、鼻や肉球のカサカサの原因にもなってしまう。犬は人よりも多くの亜鉛が必要だとされているため、不足しないよう摂取したい。
意外にも茹で小豆に含まれる食物繊維は多く、なんとごぼうの約2倍。
その割合は、100gあたり不溶性11.0g、水溶性0.8gと、不溶性食物繊維を多く含む。
食物繊維は、便質の改善や便通を促す働きに期待ができる。
サポニン
特にマメ科の植物に多く含まれているサポニン。
血液中のコレステロールや中性脂肪など、血液中の余分な脂質を洗い流して肥満予防によいとされている。
主に小豆の「皮」部分に多く含まれている。小豆の皮は犬にとって消化しにくいものであるため、皮が細かくなるよう刻んで与えるようにするといいだろう。
手作りあんこでもっとヘルシーに!
市販のあんこが甘いというなら、甘さをうんと控えめにした自家製あんこを作ってしまう手もある。
あんこは冷凍保存出来るので、時間があるときに炊いて小分けにして保存しておくと便利だ。
りんごを使った「ノンシュガーあんこ」を作ろう!
一般的には小豆と砂糖が1:1の量だが、甘さを控えめにするなら砂糖の代わりに「りんご」を使って甘味を出すのもよい。
りんごは果物の中でも低カロリー、低糖質な食材。
おまけに、りんご独特の成分でもある「リンゴポリフェノール」は強い抗酸化作用を持っている。
そのため、活性酸素による細胞の酸化を弱めたり除去する働きがあることから、ガンの予防、老化予防、アレルギーの抑制などの効果が期待されている。
≪作り方≫
- 小豆を流水で優しく洗い、ボウルに入れて20~30分程度水に浸けておく。
- 浸水した水は捨てて、小豆を鍋に移す。小豆がかぶる位まで水を入れて中火にかける。
- グツグツと沸騰したらアクを取り、200cc位の水を一気に入れる。同じことを2~3回繰り返そう。
- その間にりんごをいちょう切りにする。3に入れて再び沸騰したら弱火にして蓋をしよう。
- 40~50分柔らかくなるまで炊く。塩を少々加える。
- 中火にかけて木べらで練りながら水分を飛ばせば、ノンシュガーあんこの完成だ!
小豆を練る作業は手間暇がかかるが、特別難しいことはない。
これだと飼い主さんも一緒に食べれるので、ノンシュガーの自家製あんこに是非、チャレンジしてはいかがだろうか。
食物アレルギーがないか様子を見守ろう
アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼ぶのだが、実は食べ物全てにアレルゲン要素があることは知っておきたいところ。
初めて与える時は少量から与えて、痒がったり嘔吐したりしないか、愛犬の様子を見守ってあげるのも大切だ。
美味しい小豆の選び方
美味しい小豆の選び方だが、野菜などと違って、小豆を一粒一粒チェックしながら買うわけにはいかない。
そのため、袋詰めにされているものであれば以下の点に注意して目利きしよう。
- 濃い小豆色・・・小豆は熟すと緑色から濃い紫色へと変化する。濃い紫色と茶色をまぜた濃い色がよしとされている。
- 艶がある・・・小豆は時間の経過と共に皮の艶がなくなってくる。炊いたとき、皮をふっくら柔らかく仕上げるためにも、艶のある小豆を選ぼう。
- 粒がそろっている・・・できれば粒が大きくふっくらした豆が柔らかい。また、虫食いや割れた豆がないかどうかもよく確認しよう。
- 小豆の「目」を見る・・・小豆の白い部分を目というのだが、時間が経つと黄色や茶色っぽく変色する。新鮮な小豆をチョイスするためにも目が白色のものを選ぼう。
小豆は古くなってくると、煮えるのに時間がかかるだけでなく、せっかく炊いても皮が固いあんこになってしまうこともある。
せっかく小豆を愛犬に与えるのだから、ふっくらとした柔らかい小豆を食べさせてあげよう。
さいごに
今回は小豆とあんこについて紹介してきた。
小豆そのものは意外にも低カロリーで、且つ、栄養価の高い食材であることが分かった。ただ、砂糖を加えた市販のあんこになってしまうと、カロリーや糖質はグンと上がってしまう。
愛犬がメタボにならないためにも、しっかりと意識していきたい。
忙しい日常の中で小豆を炊く、などということはなかなか難しいかもしれないが、たまには愛犬と一緒に食べれるおやつ作りをしてはいかがだろうか。