大好きなオヤツをしまってある場所は知っているのに、トイレの場所をわかってもらえないといったしつけの悩みをよく耳にします。
「三日飼えば三年恩を忘れぬ」ということわざがありますが、犬の記憶力が良いのか悪いのか、私たちにはよくわからないのはなぜなのでしょうか?
最近の研究では、犬の記憶力の要素が人とは違うことがわかっており、ここではそのことについてご紹介します。
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記憶力とは?
朝んぽ🐾今日は間に合ってわんちゃんに会えた🎵柴犬こんちゃん1歳4か月💛パピーの頃会ったらしい🤔記憶力なくてごめんなさい🙏 pic.twitter.com/7FedSIBtoa
— 黒柴修羅とママ (@mktk0312) December 14, 2022
自分が見たことや聞いたこと、あるいは身の回りに起こったことなどを忘れないで頭に残されていることを指しますが、人の場合はその長さで次の3つに分けられます。
感覚記憶
目や耳などへの刺激として入った映像や音は、1秒ほど脳に保たれてそれが必要かどうかを判断されます。
短期記憶
これらは脳に届いて数十秒ほど残りますが、そのままにしておくと忘れられてしまいます。
しかし、何度も口で唱えたり文字や絵にして書いたりを繰り返すことで、忘れなくなって脳内に残すことができ、それは学習や勉強と呼ばれます。
長期記憶
言葉で表せられるものと体験や出来事によるものに分けられます。
さらにこれらには種類があり、代表的なのは身体で覚えるもので、人では自転車の乗り方や車の運転、水泳の泳ぎ方などがそれに該当します。
体験や出来事の中には、その時の自分の気持ちや感覚に関連付けて残るものもあり、それらは連想記憶とも呼ばれています。
犬と人間の違いとは?
わんちゃんの記憶力は10秒程度のことなら記憶できる『短期記憶』と、
30分~長いと10年も前の事まで覚えている『長期記憶』という2つに分けることが出来ます🐶🍀
爪切りや歯磨きを嫌がるマイナスの『長期記憶』は、
ご褒美のおやつなどのプラスの感情によって上書きをする事が可能なんだそうです💡 pic.twitter.com/48PKe8g6Tw— コジマ通信販売オンライン【公式】 (@pets_kojima_ec) January 30, 2021
ワンちゃんたちはさまざまなことを短期と連想で脳に刻んでいると言われています。
彼らの体験や経験、身の回りの出来事などを覚えているかどうかは、人のように学習するのではなく、それらとともにどんなことを覚えたかによります。
犬の短期記憶とは?
犬は短期記憶が人間よりも短く
通常30~120秒ほどしか続かないらしい🤔長期記憶として覚えさせるには
反復と強い感情を伴う経験つまり特技を覚えてもらいたい時は
みんな大好き!ご褒美が大事ってことですね✨https://t.co/WE9xsTvoYe— うさパラ (@usapara_pet) November 13, 2023
ワンちゃんたちは人間と比べてとっても忘れっぽい生き物で、頭の中に残されているのは数秒から長くても2分くらいです。
これは、例えばイタズラをした後しばらくしてから叱られても、そのイタズラをしたのが自分であることを忘れていることになります。
あるいは、トイレではない場所でオシッコやウンチをしたとしても、時が経てばそのことは頭の中から消えてしまい、なぜ叱られているかわからないのでトイレのしつけを覚えません。
そんな時ワンちゃんを叱ると、しゅんとして見えるのは反省しているのではなく、なぜ怒られているわけがわからず怯えているのです。
犬の連想記憶とは?
みんなおれやで、ハクやで🐶🍼関東のみんな、大丈夫やったか?
おれもな、おっきい地震経験したことあるねん💦むっちゃ怖くてな、かーちゃんにくっついてたわ🐶💦
それ以来、ちょっと揺れてもおれは逃げることにしてんねん🐶💨おれは記憶力いいわんこやからな💡✨
みんな夜やから、余震気をつけてな💦 pic.twitter.com/9qN7uIfVjD— めで (@mede_bb1) October 7, 2021
ワンちゃんが体験・経験・出来事など覚えるのは、これによるもので、短期のものが繰り返されることで長く脳に刻まれます。
彼らがそれらを保つために必要な要素は、次に挙げる五感やその時の気持ちであるとされています。
五感で覚える連想記憶
ワンちゃんたちの五感のうち臭覚は人間の100万倍ほどあるとされ、その能力を活かして警察犬や麻薬犬などとして頑張っていることは広く知られています。
散歩の道のりは場所の、人を覚えるにはその人の匂いとを頭の中に関連付けて刻まれているほか、聴覚も4倍以上あって大好きな人の声を聴き分けてわかるのです。
とくにワンちゃんは臭覚と関連付けて覚えたことはしっかり脳に刻まれているようで、しばらく会っていない人でもその人の匂いによって、自分に良くしてくれた人として思い出せるのです。
感情で覚える連想記憶
人でも嫌な思い出やすごく楽しかった思い出はいつまでも残されているものですが、ワンちゃんの場合にはそれがさらに顕著です。
動物病院で獣医さんが恐かったり注射が痛かったりして嫌だと感じると、その気持ちとともに嫌なものとして脳に刻まれ、連れて行かれることを素早く察知して抵抗します。
また、散歩で友だちワンコと会える場所や、ドッグランなどで遊んで楽しいと感じたことがあれば、そこへ行く道も途中で察知して早く行きたがるのです。
犬は最初の飼い主を忘れないってホント?
迷い犬見つけて、一緒に散歩してたら飼い主の家に辿り着けた!ちゃんと家覚えてる子で良かったw pic.twitter.com/s9KGsn0eXf
— つく@MZD3 (@29akinori29) March 22, 2020
家族とは毎日一緒にいて、頭をなでて褒められたり、おいしいご飯やオヤツをもらったり、楽しく遊んでもらったりなど楽しかった思い出がたくさん残されています。
とくに物心ついたころに出会った最初のご主人やお家はしっかり覚えていて、その後ご主人が変わったとしても絶対に忘れないと言われています。
その一方で、かわいがらずに虐待をしていたようなご主人もまた、嫌いな気持ちとともに忘れることはないとされています。
久しぶりに会った犬が覚えていてくれた
ワンちゃんは、いつもかわいがってくれた人の匂いや声を、楽しいという気持ちとともにしっかり脳に刻まれていて、しばらく離れていてもすぐに思い出せるのです。
実家に久々に帰ったら犬に忘れられていた
これはワンちゃんのもの覚えが悪いせいではなく、この人がワンちゃんのお世話にあまり関わっておらず、かわいがることも少なかったのがその理由です。
犬の記憶力はどのくらい良いの?人との違いとは?まとめ
愛犬トイレ覚えない!犬飼ってる人はどーやってしつけしましたか? pic.twitter.com/1J1dD4LRUV
— _shon_0227 (@0227Wakawaka) May 21, 2019
ここまでご紹介したように犬の記憶力は人のそれよりも単純です。
愛犬が芸やしつけを覚えないのは記憶力が悪いのではなく、記憶のさせ方が悪いといえます。
早く覚えさせたいことは褒めたり好きなオヤツを与えたりして、愛犬に「それをすると嬉しいことがある」と連想記憶に覚えさせることが大切です。
また、してはいけないことはそれを覚えているうちにきびしく叱りつけ、「良くないことが起こる」と記憶させなくてはなりません。
ここでご紹介した犬の記憶力をうまく利用してしつけを進めてください。