犬が腎不全に!? 末期症状や余命は?ステージなどを紹介

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腎不全とは腎臓が働かなくなってしまう疾患で、犬にとっても命にかかわる大変な病気です。

急性と慢性とがあって、それぞれ症状や対処が異なるのです。

急性は急に症状が出て、対応が遅れると回復に時間がかかるだけでなく、あっという間に命を落とすこともあります。

また慢性では時間をかけて機能が失われていき、やがては「虹の橋」を渡ることになります。

犬の死亡原因第1位は人と同じように癌で、次が心臓病で、第3位が腎不全です。

愛犬といつまでも楽しく暮らしていきたい飼い主さんにしっかり勉強してもらえるように、ここでは犬の腎不全について解説していきます。

 

犬の急性腎不全とは?

何らかの誘因で腎臓の機能が急激に低下してしまう状態のことを指して言います。

ろ過機能が働かなくなるために、老廃物がたまってしまうことから尿毒症におちいり、体内の水分量の調節やミネラル類のバランス調整ができなくなってしまうのです。

数日中にどんどん悪くなっていくことがあれば、数時間であっという間に命に関わる状態になることもあり、大至急治療をしなければなりません。

急性腎不全はトラブルが発生した場所によって3つに分類することができます。

 

前腎性

腎臓の手前の部分でトラブルが起こり、血流量が急激に減るために起こります。

下記のことが誘因となって起こると言われています。

  • ショック(循環血液量減少性、血液分布異常性、心原性、心外閉塞・拘束性など)
  • 重度の脱水症状(熱中症など)
  • 全身麻酔
  • 交通事故などによる外傷
  • 火傷(広範囲の皮膚損傷)
  • DIC(播種性血管内凝固)
  • 敗血症
  • 肝不全
  • 膵炎

 

腎性

腎臓そのものが下記の誘因で障害を受けて、ろ過機能が低下してしまいます。

  • 腎盂腎炎
  • 糸球体腎炎
  • 感染症(レプトスピラ症など)
  • 中毒症状(保冷剤などのエチレングリコール、ぶどう、レーズン、ユリ科植物など)
  • 毒性の強い医薬品(非ステロイド系消炎鎮痛剤、抗生物質、抗真菌剤など)

 

腎後性

腎臓より後ろの膀胱や尿管、尿道に障害が起こるなどで閉塞され、尿を出せなくなることが誘因です。

  • 結石
  • 腫瘍
  • 膀胱破裂
  • 前立腺肥大(オスのみ)

 

犬の急性腎不全ではどんな症状があるの?必要な情報は?

下記の尿毒症の症状が急に見られるようになったら発症を疑います。

  • 急に元気がなくなりグッタリする
  • 意識が低下する
  • 嘔吐をする
  • 下痢が起こる
  • 尿が少ない
  • 尿が出ない

またこの場合ではこれらが見られる前に、尿を出したそうなそぶりをするのになかなか出ない、などの様子が見られます。

獣医さんの診察を受けるには問診による情報が重要です。

症状がいつ頃から出ていたか、犬が毒性のあるものを口にしたか、口にしたとしたらどのくらいの時間が経過して、どれほどの量を食べたかなどをしっかり伝えてください。

 

犬の急性腎不全ではどのような治療をするの?

大至急、手当をしなければなりませんので入院することになるでしょう。

たいていは脱水症状が見られますので、輸液の点滴をします。

尿が出ない場合は利尿剤を投与して尿を出させますが、最終的には人工透析が必要となるケースもあります。

また、腎後性では尿路を塞いでいる結石や腫瘍などを摘出する処置が為されます。

これらの治療によって機能の回復を望むことができますが、反応が良くない場合には慢性化してしまうこともあるほか、命を落としてしまうこともあります。

 

犬の慢性腎不全とは?どんな症状が出るの?

慢性は急性と違い、時には数年間かけて少しずつ静かに進行していきます。

初期のうちは症状がほとんど出ないので気付かずにいることが多く、そのために手遅れとなることがあります。

また、失われた機能が回復することはないとされていて、早期の発見と進行をくい止めることが大切です。

加齢によって発症する確率が高くなり、7歳以上の犬ではかなりの高確率で発症します。

現れる症状は以下のとおりです。

  • 多飲多尿(うすい尿をいっぱい出して、水を大量に飲む)
  • 元気がなくなりグッタリする
  • 食欲が落ちる
  • 体重が減る
  • 体毛のツヤがなくなりゴワゴワになる
  • 嘔吐をする
  • 下痢をする
  • 便秘をする
  • 口臭がひどくなる(アンモニアの臭いが強くなる)
  • 口内炎がたくさんできる

また、貧血現れるほか高血圧や電解質異常などが現れるようになり、末期(ステージⅣ)になるとけいれんを起こして昏睡状態になることがあります。

 

慢性腎不全のステージ分類と治療

尿に含まれるクレアチニンを測定して4つのステージに分けられます。

  • ステージⅠ:残存腎機能100%~33%(尿が薄くなる、尿タンパクが見られる)
  • ステージⅡ:残存腎機能33%~25%(軽い高窒素血症、多飲多尿が見られる)
  • ステージⅢ:残存腎機能25%~10%(中等度の高窒素血症が見られ、元気がなくなる)
  • ステージⅣ:残存腎機能10%以下(重度の高窒素血症、尿毒症が見られる)

次のステージへの進行を抑えて症状を緩和する治療を行います。

具体的には食事療法や、血管を拡げる薬などによって保護するほか、尿で排泄出来ない老廃物を便で排泄させる吸着剤などが処方されます。

それ以外にも血圧を下げる薬や点滴による水分補給、貧血を起こしていたら造血剤なども用いて寿命を延ばします。

 

犬の血液透析について

近年、犬への血液透析は装置の開発が進み、実践される例が増えてきたことから取り組む施設が増えてきています。

これは血液を身体の外に出して、ダイアライザーと呼ばれる装置を通して血をきれいにして身体に戻すもので、腎機能が完全になくなってしまった場合には尿毒症を防ぐのに有効な方法です。

ダイアライザーとつなぐための専用のカテーテルを埋め込む際に手術が必要ですが、それ以降は麻酔なしで受けることができます。

急性の緊急時や、ほかに治しようがない愛犬を助けるための最後の手段と言えますが、実施している施設が少ないことや、費用が高額であるなどの問題があり、まだ一般的ではありません。

しかし、将来的には人間の透析と同じように定期的に通いながら行うことで延命できるようになれば、命を落とすワンちゃんを救ってあげられるかもしれませんね。

 

犬の腎不全の食事療法

愛犬への食事療法の基本は3つの制限にあります。

  • リンの摂取を制限する
  • タンパク質の摂取を制限する
  • ナトリウムの接収を制限する

ワンちゃんに必要なこれらの栄養素を控えるのにはそれぞれ理由があります。

 

リンを制限するのはなぜ?

リンは骨や歯、細胞の活動に必要な栄養素ですが、余ったリンを捨てられなくなります。

それによってリンが身体にたまってしまうためにリンの摂取を制限するのですが、制限することで犬の寿命が延びたとのデータがあります。

なお、リンを制限する食事療法はステージⅡから始めることが推奨されていますが、あまり初期から始めた場合に逆に低リン血症となって高カルシウム血症をも引き起こしてしまうとされているためです。

 

タンパク質を制限するのはなぜ?

タンパク質が分解される時に窒素を含む老廃物が生じて尿素を作ります。

そのため、尿素を排泄できない状態ではタンパク質の摂取を制限することになります。

タンパク質制限についても早期のステージで実施すると不足してしまうことがあります。

 

ナトリウムを制限するのはなぜ?

ナトリウムは塩分としてたくさん摂取されても、健康であれば腎臓から排泄されます。

しかし、腎不全を起こしている場合はそのまま血中に留まって高ナトリウム血症となってしまうのです。

血中のナトリウム濃度が高くなると、水分が取り込まれてうすめようとするため、血流量が増えてしまい、心臓への負担が増えるとともに血圧が上がります。

この高血圧によって糸球体に大きな負荷がかかってしまうのです。

このように腎不全の犬はこれら3つを摂り過ぎないようにすることが大切なのです。

 

犬が食事を食べなくなったどうしたらいいの?

食欲が落ちると、今までのフードを食べなくなるだけでなく、好みも変わるとの話をよく耳にします。

昨日喜んで食べていたものを今日は食べないなど、飼い主さんは苦労されているようです。

市販の腎臓サポート療法食は低タンパク高脂肪のものが多いのですが、どうもワンちゃんの好みとは合わないのではないかとの声があり、あまり食いつきが良くない傾向にあるようです。

そこで食べさせるための工夫として、愛犬が好むスープをかけたり、好きな物を少しトッピングしたりすると良いようです。

また、「わんこそば」のように少しずつ小出しにして、皿が空になったらまた入れてと繰り返すと食べるワンちゃんもいるようですので、ネットなどで調べて試してみると良いでしょう。

 

犬が腎不全に!? 末期症状や余命は?ステージなどを紹介・まとめ

犬が慢性腎不全になると、余命いくばくもないと宣言されてしまう可能性が高いことや、急性腎不全の場合は症状が出たら一刻も早く病院に連れていかないと命にかかわることもわかりました。

愛犬とずっと一緒に暮らしていきたいと思うなら、少しでも長く生きてもらうために、日ごろから体調の変化やオシッコの量などをきちんとチェックしておくことが大切です。

年齢が7歳を超えるくらいからは、かかりつけの獣医さんで定期的に検診をしてもらうようにしてください。

愛犬に腎不全の症状が出る前に異変を察知できるようにしておくことが、唯一飼い主さんができることなのです。

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