犬が低血糖になった!原因や対処法は?低血糖の発作で死亡の可能性も

犬 低血糖
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動物の身体は糖分を栄養として活動していますが、この栄養素は食べ物から取り入れられて血液の流れに乗って全身に運ばれます。

この血液中の糖分濃度は一定に保たれるようになっているのですが、犬の食事や病気などの誘因によって低血糖になることがあるのです。

この濃度が低くなり過ぎてしまうようなことがあると、人でも犬でもこのことで細胞が働くことができなくなりさまざまな症状が現れるようになります。

犬では子犬の頃に多いとされていますが、成犬となっても病気やストレスで値を維持するために働く内臓が機能しなくなったりして発症することがあります。

また、食事の量が足りずに糖分の補給が足りないか、運動量が多すぎるなどのことでも一過性の低血糖の常態になることがあります。

 

血糖値が低くなるのはなぜ?

身体の中でエネルギーとなる糖分の濃度はこれらの器官によって一定のバランスを保たれています。

  • 脳にある視床下部
  • 膵臓
  • 肝臓
  • 副腎

これらの器官が連携して調整していますが、どれが欠けてもバランスが狂ってしまうのです。

 

視床下部

血中の糖分のモニター係として常に監視をしています。

低血糖であることを察知すると膵臓からグルカゴンを出させて、肝臓でグリコーゲンからグルコースを作るほか、副腎のアドレナリンを出させて肝臓や筋肉に働いて糖分を放出させます。

 

膵臓

器官の中にあるランゲルハンス島という部位のα細胞が、視床下部から交感神経を通してくる指令と自身も低血糖を感知してグルカゴンを出して肝臓に糖の放出を命令します。

なおβ細胞では血糖値を下げるインスリンを分泌することはご存知のとおりです。

 

肝臓

膵臓からのグルカゴンが肝臓に届くと、ふだんから貯蔵しているグリコーゲンを分解してグルコースを産生して血中に流しますが、このことは「糖新生」と呼ばれています。

 

副腎

視床下部から交感神経を通して届いた指令を受け取ると、髄質から分泌されたアドレナリンが脳下垂体に届きます。

そこから出される副腎皮質刺激ホルモンが副腎皮質を刺激し、糖質コルチコイドというホルモンが分泌されます。

このホルモンは全身の筋肉に働きかけて、溜められているグリコーゲンを分解して血中に糖を放出させます。

このようにこれらの器官がそれぞれ連動してコントロールしていますが、このどれかの機能が低下してしまうことや、なくなってしまうことがあると低血糖を起きてしまうのです。

 

犬が低血糖になった時にはどんな症状が出るの?

に以下の症状が現れます。

  • ふるえ
  • けいれん
  • 歩行の際のふらつき
  • 元気がなくなりぐったりする
  • 嘔吐する
  • 失禁する
  • 体温が低下する

この状態が続くと、意識を失うほか失明することもあり、さらには命を失うことになりかねません。

様子がおかしいと思ったら、直ぐに獣医さんの診察を受けるようにしましょう。

 

子犬では起こりやすいのはなぜ?

生後3か月くらいまではよく見られて、その理由は肝臓がまだ発達していないことから機能が弱く、糖を貯蔵する能力が不十分であるためとされています。

そのため、糖分をいつも食事から摂らなければならず、半日ほども間隔が開いてしまうと起こしてしまう子もいるそうで、以下の原因から起こります。

  • 空腹
  • 寒さなどによる身体の冷え
  • 内臓障害

内臓障害については感染症や寄生虫によるものや、先天性の肝機能障害などがあるとされています。

 

成犬ではなぜ起こるの?

成犬の場合は肝臓や筋肉にグリコーゲンを貯蔵できるようになりますので、食事の間隔が開いてもすぐに低血糖になることはありません。

とは言え5歳以上のワンちゃんでは空腹や興奮が誘因になるほか、運動を頑張り過ぎて低くなり過ぎることがあり、下記の大型犬種に多いと言われています。

  • アイシッリュセッター
  • ゴールデン・レトリーバー
  • ボクサー
  • スタンダードプードル
  • ジャーマンシェパード

主な原因は何か別の疾患にかかって、糖分を調整している器官に影響が出て起こるケースが多く見られます。

  • アジソン病(副腎皮質機能低下症)
  • 肝臓腫瘍
  • 脾臓腫瘍(インスリノーマ)
  • 重度の感染症
  • 糖尿病

糖尿病の場合は、膵臓から分泌されなくなったインスリンを注射で投与しますが、それが過剰となり逆に低すぎてしまうことがあります。

また、膵臓腫瘍は7歳以上の老犬がかかりやすいとされています。

 

どうやって治療するの?応急処置は?

発作が起きてしまった時には病院へ連れていく前に応急処置をしておきましょう。

何はともあれ糖分の補給が第一ですので、意識があれば砂糖水やハチミツを飲ませます。

自力で飲む体力がなければ、スポイトなどで流し込んであげても良いでしょう。

もし、意識を失っているようであれば、口の中の粘膜に砂糖水やハチミツを塗ってあげてください。

糖分は口の中の粘膜、例えばホッペの裏側や歯ぐきなどから吸収されます。

なお、砂糖よりはハチミツやブドウ糖液の方が吸収されやすいとされています。

糖分が不足しがちなワンちゃんの飼い主さんには市販のブドウ糖液を常備しておくことをおすすめします。

 

糖分を補給する際に注意すること

緊急時以外でも、いつも低いと思われるワンちゃんや仔犬には日常でも意識して糖分を与えることがあると思います。

その際に気をつけていただきたいのは与え過ぎないことです。

値が1日の中で激しく増減するようになってしまうのは身体にとって良いことではありません。

かかりつけの獣医さんの診察を受けながら適量を与えるようにしてくださいね。

また、糖分としてチョコレートを与えることは絶対に止めてください。

カカオ豆の成分を犬に与えると中毒を起こすことが知られています。

同じく甘味料で人では歯に良いとされているキシリトールも中毒を起こします。

これらの食品は絶対に与えないようにしてください。

 

低血糖の治療とは?

口から糖分を摂ることができない容体であれば、ブドウ糖を静脈内に注射します。

その上で、様子を見てステロイド剤の注射が施されることがありますが、ステロイドには注射することで上げる作用があります。

緊急の状況を脱してふつうに食事ができるようになったら、炭水化物を意識した食事を与えるか、ブドウ糖を1日何回か口から飲ませることで再発しないようにしてください。

その際は勝手な判断で飲ませないで、獣医さんの指示に従うようにしましょう。

そして、何かの疾患が元となっていてそれが誘因となっているのだとしたら、同時にそれを治すことも大切です。

 

予防するにはどうすればいいの?

 

仔犬での予防

授乳期であれば授乳の回数をできるだけ増やして、こまめに糖分を補給してあげましょう。

離乳している子には1回あたりの量を減らして、やはり回数を増やして食間の時間が開きすぎることで糖分が不足しないようにすると良いでしょう。

また、室温を調節して寒暖差を作らないようにして常に暖かくしておくことや、体温をまめに測ってチェックする習慣をつけておくようにしてくださいね。

そして、もしもの時のために砂糖水やハチミツ、市販されているブドウ糖液のチューブなどを用意しておき、何かあればすぐに与えられるようにしておくと良いですね。

 

成犬での予防

空腹の状態で激しい運動をさせないことが一番の予防です。

また、ふだんから糖分が不足気味なワンちゃんや、起こしやすい種類のワンちゃんには定期的に健康診断を受けさせて、原因となる疾患を早期発見して治すことも大切です。

 

糖尿病の持病がある犬で注意すること

近年は糖尿病にかかるワンちゃんが増えていると言われています。

特に下記の犬種では高齢になると発症しやすいとされています。

  • プードル
  • ダックスフンド
  • ビーグル
  • ミニチュア・シュナイザー
  • テリア

犬の糖尿病はインスリン依存性のものがほとんどのため、インスリン注射が必須となります。

インスリンを注射した際に低血糖の症状が現れることがありますので、家庭で注射している飼い主さんは気をつけましょう。

注射して3~6時間後までの間に元気がなくなるような時は、インスリン量が多いために下がり過ぎてしまっている恐れがあります。

もしそのような様子が見られたら、念のために糖分を補給して診察を受けるようにしてください。

とにかく、何事も素人判断は危険ですので、必ず獣医さんの診察を受けるようにしましょう。

 

犬が低血糖になった!原因や対処法は?低血糖の発作で死亡の可能性も・まとめ

犬の低血糖は放置しておくと最悪の場合は死にいたることがあります。

また、日常では症状が出ずに見落としてしまうことが多いために、日ごろから注意して愛犬の様子を観察しておく必要があります。

特に仔犬を飼い始めたばかりの飼い主さんや、糖尿病などの持病を持つ愛犬の飼い主さんは気をつけてあげるようにしてくださいね。

低血糖かもしれないと思える症状を愛犬が見せているのであれば、いつでも糖分を補給することができるように準備してきましょう。

砂糖水をすぐ作れるようにしておくことや、ハチミツを買い置きしておくのも良いです。

また、携帯に便利なチューブ入りのブドウ糖液が市販されていますので、それを常備しておくのも良いでしょう。

その上で、かかりつけの獣医さんを見つけて定期健診をしてもらっておけば、いざという時に安心できることでしょう。

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