犬にマヌカハニーを与えても大丈夫?普通の蜂蜜より凄いって本当!?

犬 マヌカハニー はちみつ 与える アレルギー 大丈夫 ボツリヌス菌 与え方
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犬 マヌカハニー はちみつ 与える アレルギー 大丈夫 ボツリヌス菌 与え方

ニュージーランドだけで採れる貴重な蜂蜜「マヌカハニー」。

蜂蜜といえば「蜂蜜の歴史は人類の歴史」ということわざがあるように、古代より人類と共にあった甘味料だ。

今回お届けするマヌカハニーは多くの蜂蜜が販売されている中でも、その高い殺菌力から注目を集めている蜂蜜。非常に生産性が少なく希少価値の高いものではあるが、入手したら愛犬にもお裾分けしたいものだ。

もちろん蜂蜜はボツリヌス菌の知識や、カロリー摂取量に注意すれば与えても大丈夫な甘味の1つ。しかし、普通の蜂蜜とは一体どこが違うのだろうか。

今回は、「蜂蜜の王様」との異名を持つマヌカハニーの秘密を探っていこう。

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

マヌカハニーの希少価値が高い理由

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蜂蜜とは、ミツバチが花の蜜を集めたもの。ミツバチが花の蜜を体内で変化させ、巣の中で蒸発させ濃縮したものが蜂蜜となる。

蜂蜜といっても、どんな花から集めたかによって種類が分けられ、味や風味も変わってくるのだ。

代表的な種類といえば、アカシア・レンゲ・クローバーなどが挙げられる。他にも、そば・オレンジ・レモン・ミント・ラベンダー・ローズマリーなど、その種類は豊富。

マヌカハニーも同様で、「マヌカ(ギョウリュウバイ)」という樹木の花から採れる蜂蜜のこと。

 

では、なぜ希少価値が高くなるのか。それは、マヌカの木はニュージーランドにしか自生しておらず、花を咲かせるのは1ヶ間と短い期間だから。

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つまり、蜂がマヌカの花から蜜を集められるのは、1年の中でもたった1ヶ月しかないということになる。世界でもニュージーランドのみで採れ、しかも短期限定での蜜集め、こうした理由からマヌカハニーの価値が上がってしまうのだ。

 

普通の蜂蜜とはどう違うの?

犬 マヌカハニー はちみつ 与える アレルギー 大丈夫 ボツリヌス菌 与え方では次に、普通の蜂蜜とはどう違うのか?これについて見ていこう。

 

味わいの違い

一般的な蜂蜜はトロリとした滑らかさであるが、マヌカハニーは水分量が少ないのでドロッとした感じがある。

甘みも蜂蜜に比べて甘苦く、普通の蜂蜜を濃縮したような味わいが特徴だ。

マヌカハニーは色が深く、味わいが濃厚であることから、キャラメルのような味わいとも表現されることあるようだ。

 

 

殺菌成分の違い

蜂蜜というものには「過酸化水素」という殺菌成分が含まれている。

これには高い殺菌効果があるのだが、体内に入ると分解され、体の中にまでの影響はあまりないと言われている。

しかし、マヌカハニーにはより強力な殺菌成分が含まれている。それが、「メチルグリオキサール」と呼ばれ殺菌成分だ。

メチルグリオキサールは、マヌカハニー固有の成分。普通の蜂蜜には含まれておらず、その殺菌力は過酸化水素の殺菌力に比べると約2倍もあるという。

 

人の場合、高い抗ウイルス性効果を持つと言われており、歯石や歯肉炎の減少による「歯周病」の防止に効果的だと発表されている。犬においての効果について確認はできていないようだが、人と同じく一般的な蜂蜜よりも期待できると言われている。

 

マヌカハニーの成分は?

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そもそもミツバチは、蜜を集めるだけではなく、花粉も集めて巣に持ち帰っている。

花粉はたんぱく質で、主に幼虫に与えて成虫になる体を作るために使われるのだが、蜂蜜1gあたりの中にも、約3万~20万個もの花粉が入っているといわれている。

花粉にはたんぱく質以外にも、ビタミンやミネラルなども含まれているのだが、中でも特筆したいのがビタミンだ。

例えば、人工的に作られたサプリメントなどは、大量に摂取しないと効果が期待できない「不活性型ビタミン」といわれているが、蜂蜜のビタミンは逆。体に吸収されやすいイオンの形をとっているため、少量でも働く「活性型ビタミン」なのだ。

 

強力な殺菌成分であるメチルグリオキサールと、蜂蜜本来の成分である、たんぱく質・ビタミンミネラルを含んだマヌカハニー。さすが「ハチミツの王様」と呼ばれるほど嬉しい成分がたくさん含まれているようだ。

 

「蜂蜜」を与える際の基礎知識

ボツリヌス菌

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ハチミツの場合は、ボツリヌス菌による食中毒の懸念があるので、犬に与える際には様々な意見がある。

例えば人の場合、1歳未満の乳児にハチミツを与えることはできない。「生」ものであるハチミツにはボツリヌス菌の芽胞が入っている場合があり、乳児ボツリヌス症を引き起こす恐れがあるからだ。

2017年に、離乳食として与えられた蜂蜜が原因による乳児ボツリヌス症により、生後6か月の男児が亡くなってしまうこともあった。

犬の場合でも免疫力が弱っているときや、子犬の頃に菌が体内に入るとボツリヌス症を起こすといわれているので注意したい。

 

なお、日本国内の販売商品には健康被害を防止するため注意書きがラベルに記載されている。内容には「蜂蜜は生もの…」と始まることもあるが、単に沸騰すればいいわけではないので注意を。

常圧で沸騰させるだけでは芽胞を死滅させることはできないので、併せて覚えておこう。

 

 

糖尿病にかかっている犬は避けた方が無難

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強力な殺菌成分であるメチルグリオキサール。

実は、Wikipedia(英語版)で少し気になる記述があったので紹介したい。

 

Due to increased blood glucose levels, methylglyoxal has higher concentrations in diabetics and has been linked to arterialatherogenesis. Damage by methylglyoxal to low-density lipoprotein through glycation causes a fourfold increase of atherogenesis in diabetics.

※引用:Wikipedia(英語版)/Methylglyoxal

 

訳すと…

 

血糖値の上昇により、メチルグリオキサールは糖尿病患者の濃度が高くなり、動脈 硬化に関連しています。グリケーションによる低密度リポタンパク質へのメチルグリオキサールの損傷は、糖尿病患者におけるアテローム発生の4倍の増加を引き起こす。

※引用:Wikipedia(英語版)/Methylglyoxal/翻訳

 

こうなるようだ。

これによると何やら、糖尿病疾患のある人が摂取しすぎるとメチルグリオキサールの分解がうまくいかず、良くないという結果があるようだ。

糖尿病にかかりやすい犬、体型・性別・年齢・犬種などで気になる場合は、与えるのは念のため控えた方がいいだろう。

 

 

アレルギーがないか様子を見守ろう

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アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼ぶのだが、実は食べ物全てにアレルゲン要素があることは知っておきたいところ。

初めて与える時は少量から与えて、痒がったり嘔吐したりしないか、愛犬の様子を見守ってあげるようにしよう。

 

 

さいごに

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ちなみに、マヌカハニーは信頼の証である「MGO」と「UMF」というものがある。そのため、購入時にMGOとUMFが書かれていたらチェックしてみよう。

 

MGOとは、メチルグリオキサールが1㎏あたりに何㎎含まれているかの数値。

一方のUMFは、一般的によく使われる消毒液・フェノール溶液と比較した「抗菌力」を表したもの。5+、25+、と表示されるが、例えばUMF25+とあれば、およそ25%のフェノール液と同等の殺菌力があるということを意味している。

ただ、抗菌力が高ければ高いほど、辛味と独特の風味を感じるので、愛犬に初めて与えるけど味が心配…という飼い主さんは数値の低いものを選ぶといいだろう。

 

 

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