犬の全身麻酔ってリスクある?年齢や副作用も紹介

犬 全身麻酔
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犬は言葉がわからないので、嫌なことをされるとがまんできずに暴れてしまいます。

獣医さんに診察してもらうだけでも嫌がって、押さえつけなければならない子がいますよね。

手術の時はもちろん、それ以外の時でも動かないようにしなければならないものがあります。

このように、犬には全身麻酔をかける機会がたくさんあるのです。

ただ、愛犬に全身麻酔をかけることに不安を感じている飼い主さんは少なくないでしょう。

ここでは犬の全身麻酔がどのようなもので、どのようなリスクがあるのかについて解説していきます。

 

なぜ麻酔をかけなければならないの?

身体にメスを入れる時に必要なことはわかりますが、それ以外ではこのような理由でかけることになります。

 

動いてはいけないケース

これらのケースでは長いことじっとしていなければなりませんので使います

  • CT
  • MRI
  • 切り傷を縫う
  • 歯石取り
  • 放射線療法

このほかにも動かないようにする必要があるケースでかけることがあります。

なお、最近では動かないようにワンちゃんを拘束した上で、CTを実施している動物病院があります。

 

犬の不安な気持ちやストレスを軽減する

ほとんどのワンちゃんは病院が嫌いで、獣医さんを見ただけで震えだす子も珍しくありません。

これは大きなストレスとなって、心臓に問題が抱えていたりするワンちゃんではさらに悪化する恐れがありまし、攻撃的になってしまうこともあります。

場合によってはおとなしくさせてから診察や治療をすることがあります。

 

攻撃性を抑える

ふだんは言うことを聞いておとなしいワンちゃんが、獣医さんの前では嫌がるあまりに攻撃的になってしまうことがあります。

抵抗しているうちに追い詰められて、獣医さんやスタッフに噛みつくことは珍しくありません。

また、興奮するあまりに理性を失くして、ついには飼い主さんに噛みつくこともあるのです。

このように人に噛みつくことを覚えたワンちゃんは、嫌なことがあるとすぐに噛みつくようになってしまい、家にいても噛みつくようになる可能性があると言われています。

そのようになってしまうのを防ぐために、診察台の上で暴れるワンちゃんにはあらかじめおとなしくさせておくケースがあります。

 

犬にする麻酔の種類とは?

大きく分けて全身と局所があります。

全身の目的は脳を寝かせて意識を落とし、身体の動きを抑制して痛みを感じさせないことです。

また、局所は、意識は残るものの局所の痛覚をマヒさせて痛みを感じないようにするもので、これらは目的も使用する薬剤に違いがあります。

 

全身麻酔

ワンちゃんの意識を失くし、筋肉を弛緩させてリラックスした状態にするとともに、痛みを感じさせないようにします。

吸入と注射による方法があり、その作用を弱めて意識を保ったまま落ち着かせて、鎮静効果を目的とする使い方もあります。

 

吸入による方法

麻酔ガスを肺に吸入させます。

ガスを吸入する前に前投薬として短時間で効く注射が使われます。

ガスの濃度をモニターで管理するため効果を調節することができ、かかり過ぎることがなく安全性が高いとされています。

  • メリット:効き具合の深さと作用の長さを変えることができて、早く覚醒させられる
  • デメリット:モニタリングや吸入に多数の高価な機械や設備が必要で、薬剤も高価なものが多い

 

注射による方法

鎮静薬などを複数組み合わせて注射します。

吸入と違い、簡単な装置でかけることができるので、小さな病院でも手軽に実施することができます。

  • メリット:簡単なモニタリング装置があれば使えて、注射薬には安価なものが多い
  • デメリット:導入や覚醒が長くかかるほか、途中で覚めたり効き過ぎて呼吸停止などの恐れがある

 

局所麻酔

痛い部位に注射をして、感じさせないようにします。

身体への負担が少ないですが、飼主さんの言うことをよく聞くおとなしいワンちゃんでなければ、結局は暴れられてしまうことになります。

  • メリット:呼吸抑制などの恐れが少なく、薬剤が安い
  • デメリット:身体が自由に動くため、ワンちゃんがいやがって暴れることを防げない

 

使用される薬にはどんな副作用があるの?

下記のさまざまなことが起こる可能性があります。

  • 呼吸抑制
  • 内臓の機能低下
  • 肝臓の機能低下
  • 血圧低下
  • 心不全

これらは薬剤ごとに特徴があり、その発現を抑えて軽減するために、複数の薬剤が組み合わされて使われています。

 

全身麻酔のリスクとは?年齢?犬種?

麻酔が原因での死亡率はいろいろな報告がありますが、0.2~0.7%ほどとされています。

また、手術後の3時間以内の麻酔から覚醒する際に起こることが多いようです。

獣医さんは、事前にさまざまなことをしっかり調べて、いかに安全に麻酔をかけることができるかを検討します。

しかし、それでも100%安全ということではありません。

上記のような薬剤の副作用はそれだけでは防げないものですし、ワンちゃん毎に以下のようなリスクを抱えていることがあるからです。

  • 若年齢:生後3ヶ月未満では臓器が未発達のため心肺機能が不完全
  • 高年齢:7歳以上のシニア犬では臓器の働きが低下している
  • 短頭種:シー・ズーやパグなどの短頭種は鼻の穴が小さく、気管が細いため呼吸抑制を起こしやすい
  • 肥満している:日常においてすでに心肺機能に大きな負担がかかっている
  • 肝臓や腎臓に疾患がある:これらの機能低下により麻酔薬の代謝・排泄が遅れて効き過ぎる恐れがある
  • 呼吸器に疾患がある:肺の機能低下があると吸入後の効果のバラつきが大きくなる
  • 心臓に疾患がある:すでに低下してしまっている心機能がさらに悪化する

獣医さんはこれらのリスクに配慮しながら実施します。

 

全身麻酔をかける際の流れ

手術の際にはどのようなことが行われているかを紹介します。

 

外来での診察と術前の管理

かける前には必ず術前検査が実施されます。

  • 各種血液検査
  • レントゲン撮影
  • 超音波検査

獣医さんは診察と、これらの結果から使用薬剤や量、投薬のタイミングを決定して、飼い主さんへ説明してくれます。

そして、何か問題があれば施術までの間にそれらを解決すべく管理をします。

 

手術当日

麻酔中に嘔吐などが起こると気管が詰まって窒息することがありますので、当日は絶食して胃腸の中を空にしておかなければなりません。

ただし、開始時間によっては絶食を始めるタイミングが違ってきますので、獣医さんの指示に従いましょう。

 

手術直前

執刀する獣医さん、助手さんが飼い主さんに、現在のワンちゃんの状況と、術式や考えられるリスクを説明し対応策などを伝えます。

その後、ワンちゃんに麻酔前投薬が注射されてから手術室に向かうことになります。

 

手術開始

手術室に向かう間、ワンちゃんはボーっとしていますがまだ寝てはいません。

不安を和らげるために、飼い主さんが付き添うように指示されることがあります。

手術台にのせられたら麻酔薬吸入と呼吸管理のためのマスクとモニター類のセンサーが装着され、麻酔がかけられます。

注射で行う場合は確保されている点滴から注入されます。

ワンちゃんの状態を監視するためのモニターはこれらです。

  • 血圧計
  • 体温計
  • 心電図
  • パルスオキシメーター(血液中の酸素分圧を測り、肺での取り込みを確認する)
  • 呼気CO2メーター(肺でしっかり酸素交換が行われているか確認する)
  • 人工呼吸器バッグ(バッグの膨らむ様子で呼吸の深さを判断する)

修了してもワンちゃんが目覚めるまではしばらくモニターをチェックしています。

 

術後

酸素のみの吸入となり、ワンちゃんは次第に目が覚めてきます。

自ら呼吸をするようになったらマスクなどが外され、やがて呼吸や血液の循環が安定し、自分で頭をもたげるほどに動けるようになればケージに移されます。

完全に覚めるまで、状況によって飼い主さんが付き添える場合もあります。

その後の回復具合を見て、一緒に帰宅できるか、何日か入院するかを獣医さんが判断します。

 

全身麻酔の際に注意すること

事前の診察時に、ワンちゃんの現在の状態についてできるだけ詳しく獣医さんに伝えておきましょう。

  • 持病があればその情報(罹病期間、容体、服用中の薬剤)
  • 過去の病歴
  • アレルギーの有無

獣医さんは、これらの情報を参考にしてできるだけリスクを減らすように考えてくれます。

面倒くさがらずにどんなに細かなことでも伝えておきましょう。

なお、ワンちゃんの痛みは覚めてからもしばらく(1日続くことも)続きますので、処方された痛み止めを必ず指示通りに飲ませてあげてくださいね。

 

犬の全身麻酔ってリスクある?年齢や副作用も紹介・まとめ

ここまで犬の麻酔について解説してきましたが、必要性とリスクのどちらもあるのです。

できれば愛犬には一生全身麻酔をかけずに済むのが一番良いのですが、もし手術をすることになった時には全身麻酔が必要です。

リスクと必要性を天秤にかけて、愛犬に全身麻酔をかけるかどうかを飼い主さんが選ぶことになるのです。

もしそんなことになったならば、後悔することがないように、きちんと判断が下せるように、全身麻酔についてしっかり勉強しておくことをおすすめします。

愛犬にとって一番良い選択を、獣医さんとしっかり相談をした上で決めてあげてください。

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