犬が血便に!いちごジャムのような便って大丈夫?

犬 血便
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愛犬がトイレや散歩でするウンチは、飼い主さんが健康状態を知るための大切な便りといえます。

量はどのくらいか?色は?硬さは?日々その処理をしながらチェックされていると思います。

そんなある日、突然赤いウンチを見つけたらビックリしますよね?

実は、犬が血便を出すことは珍しいことではないと言われているのです。

出した後でも元気な様子ならば、ご飯の量を減らすなどして、胃腸の様子を見るだけでも良いとされているほどです。

とはいえ、目の前に赤いイチゴジャムのようなウンチを見たら不安になりますよね。

ひとことで犬の血便と言ってもさまざまで、状態や色などで何が誘因となったかが異なるのです。

ここでは、その種類や誘因についての解説と、状態別の対処方法などをお伝えします。

 

犬が出した血便の状態は?鮮血?ゼリー状?ジャムみたいだけど大丈夫?

まずはどのようなものがあるのかを知っておきましよう。

合わせて、それぞれどのように対処すれば良いかもお伝えします。

 

ウンチの周りに赤い血がついている

外側に赤い鮮血がついているウンチは、肛門やその周りに切り傷があると考えられます。

そのようなことが起こる原因は、下痢が続くなどして肛門がかゆくなってこすり付けている。

あるいはウンチが固すぎて切れるといったこともありますので、まず肛門の周りを見てあげましょう。

特にかゆがっておらず、切れてもいないようならば、そこに近い直腸、結腸や大腸の後ろ部分で出血があると思われますので、2、3日血のついたウンチが続くようなら獣医に診せた方が良いでしょう。

 

ウンチの中に赤い血が混ざっている

ウンチの中に赤い血が見られる時は、小腸から大腸の辺りで出血している恐れがあります。

炎症や腫瘍など、いろいろな誘因が考えられますのですぐに検査をしてもらってください。

さらに元気がなくなり食欲が落ちているようであれば、貧血になることがあるので、できるだけ早く診察してもらうことをおすすめします。

 

黒いタールのようなウンチ

いつものウンチの色と違って真っ黒に近い色の場合は、口から胃、十二指腸までの間の消化管内で炎症や腫瘍などのために出血している恐れがあります。

粘り気のある黒い血がついているのを見たら、念のためウンチの中にないかを確認してみてください。

中まで真っ黒なようだとかなりの出血量ですので、命にかかわる恐れがあります。

直ちに病院へ連れていくべきです。

 

暗めの赤色や赤褐色のウンチ

また、寄生虫などが腸内にいる場合にもこのようなウンチが出るといわれていますので、診察と検査をしてもらってください。

ネギ類やチョコレートなどを食べて中毒を起こした時などに見られることが多いとされています。

もし、ほかの中毒症状も出ているなら危険な状態ですので、急いで病院へ連れていきましょう。

 

鮮血混じりでケチャップみたいなウンチ

このようなウンチをするのは感染症にかかっていることが考えられます。

匂いは強い悪臭がして、ほかの血便と違うことはすぐにわかります。

ほかの症状が出ている、いないに関係なく命を落とす恐れが高いので、このようなウンチをしているのを見つけたら直ちに病院へいかなければなりません。

 

ゼリーやジャムのような血便

腸の粘膜が剥がれたりした際にこのようなウンチが出ると言われています。

その誘因は炎症、寄生虫、食物ではないものの誤飲誤食などによります。

また、お腹をこわして下痢が続いているような時にも出ることがあります。

ひとまず様子を見ますが、色が鮮血に近いような状態が数日間続くようであれば獣医の診察で原因を調べてもらってください。

 

犬に血便が起きる原因はこれ

血便を起こす原因はおおよそ下記のようなものがあげられます。

  • 肛門周辺のトラブル(肛門狭窄、会陰ヘルニア、直腸脱、切れ痔など)
  • 大腸、結腸、直腸の悪性腫瘍
  • 胃腸炎
  • 誤飲・誤食
  • 中毒
  • 感染症(ウィルス、細菌)
  • 寄生虫
  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍
  • ストレス

いずれも獣医に診断をしてもらい、検査や治療をしてもらわなければなりません。

特に命にかかわる緊急性があるのは、悪性腫瘍、中毒、感染症などです。

また、悪性腫瘍や誤飲・誤食の際には手術をしなければならないこともあります。

なお、誤飲・誤食や中毒の際に、口にしたものを無理矢理吐かせるのは止めておいた方が良いでしょう。

窒息しかけている場合は急いて取り出さなければなりませんが、飲み込んだ異物が見えていても、無理に取り出そうとして傷を深くしてしまうことがあります。

中毒の際に「オキシドール水を飲ませて吐かせると良い」書かれた記事を見かけますが、食道や胃の粘膜がただれるだけでなく、逆に吸収を早めてしまうケースもあるのです。

どちらも急いで病院に運んで吐かせてもらうようにしてくださいね。

 

犬の元気がない。ストレスでも血便になるの?

犬もストレスで胃腸炎を起こしたりすることは知られています。

環境が変わった、長い時間の留守番が増えた、知らない家やペットホテルに預けられたなどのほかに、急激な気候の変化に身体がついていけなくなったことなどもストレスになります。

それらが誘因となって胃腸炎にかかるなどして血便を出すことがあるのです。

しょんぼりしているけど元気な様子はさほど変わらず、食欲もあるようならあまり心配をせずとも良いのですが、衰弱していくようなら診察を受けてください。

ストレスの原因を探って、それを取り除いてあげれば出なくなるはずです。

 

犬の血便で診察をしてもらう時の注意

血便を見てもあわてずに、まずはウンチの様子を観察してください。

外見や中の状態を見てメモを取るだけでなく、写真に撮っておくと診察に役立ちますよ。

  • ウンチの色
  • ウンチの匂い
  • ウンチの硬さ
  • ウンチの外だけでなく中にも血が入っているか
  • 血のほかにゼリーのようなものなどがあるか
  • 食事の内容や量(2.3日前までできるだけさかのぼって)

そして、ウンチは捨てずにできるだけ持参しましょう。

ペットシーツにくるんだままでも、そのままビニール袋に入れても大丈夫ですよ。

ただ、感染症の恐れもあるのでウンチを素手で扱わないように、使い捨ての手袋を使うようにおすすめします。

もし素手で処理をした場合は、薬用せっけんなどでしっかり手洗いしておきましょう。

その上で愛犬の様子も記録しておいてください。

  • 嘔吐や下痢があるか
  • 発熱や震え(けいれん)があるか
  • 1日の排便回数
  • 血便が出た回数
  • ウンチに付いた血の色と量に変化があるか
  • 元気はあるか
  • 食欲はあるか
  • 出す前の様子(散歩や遊びに外出したなど)

これらの他にも、動作や行為などもできるだけ詳しくメモを取るほかに、動画で記録しておくのも良いですね。

なお、女の子でしたら生理中かどうかを伝えることも忘れずにお願いします。

 

犬が血便をした時の検査と治療

 

検査方法

飼い主さんが持参した便を検便するほか、血液・レントゲン・エコーなど症状に合わせた検査が施されます。

 

治療方法

原因がわかればそれを取り除きます。

手術が必要な場合など、入院して治療することもあるでしょう。

また、ウィルスや細菌ならば、抗ウィルス剤や抗生物質が、寄生虫であれば駆虫薬が処方されますし、胃腸炎なら抗炎症剤や整腸剤を処方されるでしょう。

いずれにしても薬が処方された際には、獣医の指示どおりにきちんと飲ませることが大切です。

素人判断で「治ったからもう飲ませなくても良いだろう」などと止めてしまってはいけません。

薬を止めたことでウィルスや細菌がまた増殖しないとは限りませんし、治りかけた炎症が再発することもあるのです。

 

家で気をつけること

獣医の指示どおりの食事を与えて、家の中は安静にできるような環境を作ってあげてくださいね。

衛生面では排泄したものは直ぐに処理をすることや、空調などをしっかり管理してあげましょう。

また運動しても良いとの許可がおりたら、散歩を長めにするなどしてストレスがたまらないようにしてあげましょうね。

 

犬の血便を予防するにはどうしたらいいの?

ほかの疾病と同じように、「健康でいること」で免疫力を高めておくのが最大の予防方法です。

栄養のバランスが取れている食事を与えるようにして、毎日満足するまで散歩をさせてあげて、遊びたい時には遊んであげて、規則正しい生活リズムを崩さないのが大切です。

また、感染症を予防するためのワクチン接種は必ず受けておきましょう。

目に見えないウィルスや細菌がいつどこで愛犬に悪さをするかは全く予測ができません。

そして、同じ病院で定期健診を受けておくこともおすすめです。

赤いウンチ引き起こす疾病を早く発見することができるほか、かかりつけの獣医を作っておくと何か異変があっても安心できますよ。

 

犬が血便に!いちごジャムのような便って大丈夫?まとめ

とにかく、愛犬がいきなり血便を出したら驚くことと思いますが、決してパニックにならないように落ち着くことが肝心です。

「犬の血便はよくあること」と言われているくらいだから大丈夫と、自分に言い聞かせて対応してくださいね。

飼い主さんがパニックに陥ってしまうと、それを見た愛犬も一緒にパニックになってしまいます。

もし血便を見たら、気を落ち着かせて先に書いたようにしっかり対応してくださいね。

そして、大切な家族である愛犬が血便を出すような病気にかからないよう、ふだんから健康でいられるようにしっかり愛犬を見ていてあげましょう。

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