ある日突然、愛犬の目が真っ赤になっていて、なんだか痛そう。
うっとうしがったり外に出るとまぶしそうだったり・・・
慌ててかかりつけの動物病院に連れて行くと『ぶどう膜炎ですね』と。
『ぶどう膜炎!?』
病気について調べていると、聞きなれない怖そうな病名やワードがたくさん出てきますが今回ご紹介するぶどう膜炎はフルーツのぶどうを連想させ、怖さとはかけ離れたイメージを持ってしまいますよね(笑)
ですが、あなどってはいけません。
ぶどう膜炎は犬にとって深刻な病気なのです。
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犬がぶどう膜炎にかかるとどうなる?
我が家に来て丸7年。ぶどう膜炎治療中のため、しばらくエリザベスカラー装着だったのが、先日外してもOKになったので、いろんな寝姿でゴロゴロ。こんなご時世だけど、わんこが元気だと幸せ。#犬 #わんこ #マルックス #dog pic.twitter.com/m1frKNBXLZ
— adnap (@adnap_) March 31, 2020
ぶどう膜炎は目の病気です。
犬だけでなく猫や人間もかかります。
ぶどう膜炎と一言で言っても症状は様々で、一部の症状は結膜炎と似ているので楽観視してしまいがちですが、症状が進むと深刻な事態に陥ってしまうこともある恐ろしい病気です。
実際に犬がぶどう膜炎にかかってしまうとどうなるのでしょうか。
ぶどう膜炎になる原因やかかってしまった場合の治療法など詳しく説明していきますね。
ぶどう膜炎の症状と原因
病名にもなっている『ぶどう膜』
フルーツのぶどうを食べたからどうにかなってしまうというアレルギー的な事ではありません。
人間も犬も目の中にぶどう膜と呼ばれる部分があるのです。
とは言っても『ここがぶどう膜です』という部分が存在する訳ではなく、眼球にある虹彩・毛様体・脈絡膜という部分をまとめてさす総称です。
簡単に言い換えると目ん玉の一部。
血管だったりメラニン色素がたっぷりと詰まっていて、その色や形状がフルーツのぶどうの房に似ている!ということでぶどう膜と名付けられています。
そのぶどう膜が炎症してしまうことが『ぶどう膜炎』
総称 = いくつかのパーツの寄せ集め ということはそれぞれに役割があります。
目も体と同じように血液や栄養が循環していますが、それらをスムーズに運ぶ役割やモノを見るときにピントを合わせる役割、光の加減によって瞳孔を開いたり縮めたりする役割・・・
いろいろな役割があるからこそ、どの部分に異常があるかで症状も変わってくるのです。
ブドウ膜炎を発症した時の主な症状
- 白目の部分が真っ赤になる
- 黒目の部分が白っぽくなっている
- 異様にまぶしそうにする
- 痛そうにしている
- 目がぴくぴく痙攣している
- 涙が止まらない
- 瞳孔が小さくなる
ぶどう膜炎を発症する原因とかかりやすい犬種
そもそもどうしたら犬がぶどう膜炎を発症してしまうのでしょう。
原因はたくさんあり、細菌や寄生虫・カビ・ウイルスなどからの感染や白内障や緑内障・目の腫瘍や網膜剥離になる過程で誘発されたり、糖尿病や高血圧など代謝異常が原因となることも。
日常では犬同士で喧嘩したりじゃれ合ったりしているうちに、誤って爪で眼球を引っ掻いてしまうなど目に強い衝撃を受けた時にも発症しやすくなっています。
飼い主さんとしては原因がなんなのかきちんと検査をして、納得できるように説明してほしいところではありますが、原因不明の突発性と診断されることもかなりの頻度であります。
人間も犬も猫も他の動物もぶどう膜炎になることがあり、犬の場合は性別や年齢に関係なく発症します。
どんな犬種でも発症しますが、ぶどう膜炎の中でも
『色素性ぶどう膜炎』→ ゴールデンレトリバー
『ぶどう膜皮膚症候群』→ シベリアンハスキー、秋田犬、サモエド
が発症しやすいとされています。
ぶどう膜炎の検査方法や治療期間
ぶどう膜炎が疑われる症状が見られたら獣医さんが視診やスリットランプと呼ばれる光の出る顕微鏡を使用してどの部分に異常があるのかを確認します。
ぶどう膜炎は他の病気から誘発されることも多く、原因が多すぎることでも知られていて動物病院で原因が特定できることは滅多にありません。
その為、必要性に応じて血液検査や尿検査、感染症の検査をします。
原因をはっきりさせることが理想ですが、実際には年齢や日々の生活スタイルの問診などを元に消去法で原因をいくつかに絞って治療をしながら経過観察するという流れが一般的。
ぶどう膜炎の処方
比較的症状が軽い場合には炎症を抑えるためにステロイドなどの点眼薬(=目薬)や内服薬が処方されます。
自宅に戻って点眼薬を指示された回数さしてあげるようになりますが、犬によっては違和感がありこすってしまうことも。
毎回こすってしまうようであれば獣医師に相談し、エリザベスカラーなどをじょうずに活用しましょう。
原因がはっきりと分かれば、原因となっている病気の治療を行います。
個体差がありますが、治療期間はおおよそ3週間程度。
点眼をしてすぐに治る場合もありますが、他の病気に比べると治療の過程で急に悪化したり、治ったのにまた再発と何度も繰り返してしまう事もよくあります。
犬からうつるってホント?悪化しても治るの?
@JAMELE313 @raphael_0910 緑内障は治まったのね。でも、ぶどう膜炎で出血で、出血抑える系内服薬なの。あ、でも本犬は食欲あって元気いっぱい! http://t.co/rDQNTbqC
— firm@mento (@iumico) July 29, 2012
ぶどう膜炎が発症する原因のひとつに菌やウイルスからの感染があるなんて聞くと、多頭飼いの方はぴっくりしてしまいますよね。
『家に連れ帰ったはいいけど他の犬にうつしてしまわないかな?』
『赤ちゃんが犬に触っても大丈夫?』
『お散歩は普段通りに行けるの?』
ぶどう膜炎にかかってしまった愛犬から他の犬や動物、人間に病気をうつしてしまうことはあるのでしょうか。
犬から感染することもある?
ぶどう膜炎にかかってしまっただけでも心配なのに、他にもわんちゃんを飼っていたり小さな子供と一緒に住んでいたら感染リスクがあるのかどうか心配ですよね。
気分転換にお散歩に行ったところで、よその犬と触れ合って病気をうつしてしまったらなんて気が気じゃありません。
ですが、安心してください。
ぶどう膜炎にかかってしまった犬から他の犬や動物、人間に感染してしまうことはありません。
ぶどう膜炎における感染とは菌やウイルスからの感染することがあるということ。
ひとまず他の犬や飼い主さんにうつるリスクがないという部分に関しては安心ですね。
ぶどう膜炎は治る?悪化するとどうなるの?
ぶどう膜炎は比較的よく発症する病気ですが、外傷や感染、他の病気からの影響など要因がたくさんあり、なかなか治りづらい病気と言われています。
目が傷付いただけかと思っていても実際には他の病気が原因で発症していることも多く、ぶどう膜炎かどうかで受診したのに思いもしなかった病名が発覚するなんてこともあるのです。
他の病気が原因の場合にはまずその病気を治すところから始まる為、ぶどう膜炎自体が治るのに長期間かかることもしばしば。
ですが絶対に治らないということはなく、治す為にも異変に早く気付き、原因を特定して適切な治療を受けることが重要となってきます。
何回も繰り返している場合にはついつい『あぁ、またぶどう膜炎ね』と軽く受け止めてしまいがちですが、悪化すると最悪の場合失明することだって珍しくありません。
目が見えないって人間でもツラいですよね。
愛犬が目に違和感を感じてそうだったり目をこするなどいつもと違うしぐさをしていたら楽観視せずに注意深く観察してあげましょう。
ぶどう膜炎にかからない為に
できれば病気になんてなりたくありませんよね。
ぶどう膜炎にかからない為に気を付けてあげられる事にはどんな事があるのでしょうか。
原因不明の突発性から来る場合は防ぎようがありませんが、他の病気から誘発される事を考えると、当たり前ですが高血圧や糖尿病などそもそも病気にかからせないようにしましょう。
食事やおやつの量は適切ですか?
欲しがるからとやたらおやつをあげてしまったり人間のごはんを食べさせることで犬が病気になるリスクはぐんと上がります。
ストレスも病気の原因の大きな要因です。
稀なケースですがフィラリアが原因で発症することもありますが、これはフィラリアの予防接種をしていれば防げますよね。
外傷が原因の場合に関しては、多頭飼いしていたりドッグランなどで犬同士じゃれ合っている時に過度にじゃれ合っていたらそのまま放っておかずに止めに入ることも時には必要です。
これらはすべて犬が自分でどうこうできる問題ではなく、飼い主さんの管理能力にかかっています。
愛犬がずっと健康で過ごせるように日々目をかけていてあげたいものですね。
犬がぶどう膜炎にかかったら まとめ
犬の加齢性白内障はゆっくりと進行することが多いです。
しかし、中高齢で発症した白内障なのに進行が早いことがあります。その場合、他の病気が白内障を引き起こしているかもしれません。
原因となる病気として、糖尿病や水晶体脱臼、ぶどう膜炎、外傷などがあります。#犬白内障 pic.twitter.com/xLHZrUHLGS
— 花岡動物病院 (@hanaoka1122) September 19, 2020
ぶどう膜炎の一部の症状は一見結膜炎のように見えます。
ちょっと目が充血しているだけと思っていても、もしかしたら他の病気が発しているサインかもしれません。
目の病気って厄介なものが多く、特に犬の場合は目や耳や鼻で人間よりもはるかにたくさんの情報をキャッチし、判断しています。
なので、目や他の機関が使えなくなるということは飼い主さんの想像以上にものすごくストレスもかかってしまうのです。
判断が遅れることで愛犬のこれからの人生にも大きく関わってきますし、病気が進んでから受診したのでは通院時間や治療費など飼い主さんの負担も大きくなってしまいますよね。
そうならない為にも日頃から愛犬の健康状態をしっかりとチェックしてあげ、いろいろな病気のリスクを減らす為にも定期的に健康診断を受けさせてあげましょう。