【獣医師監修】犬は芽キャベツを食べても大丈夫?キャベツとは別物?違いや栄養

犬 芽キャベツ 食べる 与え方 注意点
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犬 芽キャベツ 食べる 与え方 注意点

ベルギーのブリュッセルで生まれた「芽キャベツ」。

見た目は、キャベツをそのまま小さくしたような姿なので、キャベツが大きくなる前に収穫したもの?と思われがちだが、実は同じ仲間であってもキャベツとは全く別の品種。

もともとはケールを原種とした品種で、分化した品種の中にキャベツ、芽キャベツがそれぞれ存在しているというわけなのだ。

 

また、栄養面では形は小さくてもキャベツを凌ぐほどのパワーの持ち主。なんと、キャベツと比較するとビタミンCは4倍。血液の凝固や丈夫な骨を作るビタミンKは2倍も含まれているのだから驚きだ。

 

そんな栄養価の高い芽キャベツ。もちろん犬に与えても問題ないのだが、生では苦みが強い野菜であるため下ごしらえが重要になってくる。

ここでは、芽キャベツの栄養、下ごしらえと与え方、注意点について紹介したい。

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

芽キャベツの栄養と効能

犬 芽キャベツ 食べる 与え方 注意点

実は小さくても栄養価が高い芽キャベツ。

そのコロンとした見た目にはどんな栄養が含まれているのか早速見ていこう。

 

ビタミンC

芽キャベツに含まれるビタミンC含有量は100g当たり160mgと豊富。これはキャベツ100g当たり41gと比較すると約4倍も含まれていることが分かる。

ビタミンCの主な働きとして、活性酸素を無毒化する「抗酸化作用」が挙げられ、免疫力の向上、コラーゲンの生成を促すなど、身体の調子を整えるには欠かすことのできない栄養素である。

 

 

ビタミンK

キャベツと比較すると2倍もの含有量を誇るビタミンK。

ビタミンKの役割は、出血した時に血液を固めて止血する働きのほか、骨に存在するタンパク質を活性化し、骨の形成を促す作用がある。

犬は腸内細菌によってビタミンKが合成されると言われているが、それだけで1日の必要量を補えないともいわれている。そのため、普段の食事からも不足しないよう補ってあげたい栄養素だ。

 

 

βカロテン

一般的なキャベツに50μgしか含まれていないβカロテンは、芽キャベツでは710μgと超豊富。

βカロテンには抗酸化作用があり、ガンの予防老化予防に効果的と言われている。

しかも、βカロテンは必要な量だけ体内でビタミンAに変換するという優れもの。ビタミンAは、視力を維持するには欠かすことのできない栄養素なのも嬉しいポイントだ。

 

 

ビタミンU(キャベジン)

キャベツの搾り汁から発見されたこちらの成分は、同じ仲間である芽キャベツにも含まれている。

ビタミンUには胃酸の過剰分泌を抑えたり、胃の粘膜の保護や修復をする作用があり「食べる胃腸薬」とも言われている。

 

 

ジアスターゼ

ジアスターゼはでんぷんを糖に分解し、その糖を体に吸収させる作用をサポートしてくれる酵素である。

大根にもこの成分が含まれており、よく大根おろしを食べると消化に良いと言われているのは、このジアスターゼのおかげなのだ。

このジアスターゼ、大根よりも多く含まれているのが特徴だ。

 

芽キャベツの下ごしらえ・与え方

犬 芽キャベツ 食べる 与え方 注意点

芽キャベツをそのまま「生」の状態で食べさせるのは苦みが強いのでNG。

そのため、愛犬に与える際には下ごしらえとして、しっかりと茹でる必要がある。

 

下ごしらえ

まずは茹でるにあたって、汚れた葉っぱがあれば取り除いておこう。

次に、火が通りやすくなるように根元に十字の切れ込みを入れておく。ここで、気を付けておきたいのは、細かく刻んで茹でてしまうと、栄養や旨味が逃げてしまうということだ。

そのため、食べやすいサイズに刻むのは、茹で上がってからの方が望ましい。

また、茹で時間はサイズによっても茹で時間は変わってくるため、途中味見をしながら渋味がなくなっていればザルにあげよう。

 

芽キャベツの与え方

芽キャベツは生で食べるには苦みが強いので、人間でも茹でたものをサラダにしたり、スープに入れて煮込んだりといった形で食べるのがほとんど。

犬に与える場合も同様、必ず下茹でしてアクを抜いてから調理しよう。

また、下茹でしても少し苦みが残るので、愛犬に与えて嫌がる場合は無理に与えないようにしたい。

 

芽キャベツの注意点

犬 芽キャベツ 食べる 与え方 注意点

甲状腺に疾患のある犬は念のため注意

芽キャベツのようなアブラナ科の野菜には「ゴイトロゲン」という成分が含まれており、甲状腺ホルモンをつくるのに必要な「ヨウ素」の吸収を妨げるといわれている。

甲状腺は、甲状腺ホルモンという代謝を促すのに大切な物質を作り、血液中に流してくれる重要な器官。

 

健康な犬であれば特に神経質になる必要もないが、もともと甲状腺に疾患のある犬は念のために控えた方がいいだろう。

 

食物アレルギーがないか様子を見守ろう

アレルギーの原因となるものをアレルゲンと呼ぶのだが、実は食べ物全てにアレルゲン要素があることは知っておきたいところ。

初めて与える時は少量から与えて、痒がったり嘔吐したりしないか、愛犬の様子をよく観察したい。

 

 

さいごに

犬 芽キャベツ 食べる 与え方 注意点

芽キャベツの旬は11月~3月頃まで。

気温が低くならないと葉が重なって球状にならないため、寒い時期にしか収穫できない季節限定の野菜である。

小さいながらも栄養が豊富な芽キャベツ。旬の時期に見かけたら、ぜひ味わってもらいたい。

 

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