みなさんは「カムカム」というフルーツをご存知だろうか。
(※おやつジャーキーではなく、果実のカムカム)
カムカムは、ペルーのアマゾン川流域に自生するフトモモ科の果実。マングローブのように水の中でも生育できるこの木には、さくらんぼのような真っ赤な球状の実をつける。
このカムカム。注目すべきはその栄養素で、現在地球上で最もビタミンCを含有する植物と言われている。
なんと、その含有量はビタミンCの代名詞とも呼ばれるレモンの約50~60倍。さらには、野菜で一番多く含まれている赤ピーマンの約16倍にも匹敵するというのだから驚きだ。
これほどまでにビタミンC含有量が高いカムカム。果たして犬も食べれるのかどうか、他にはどんな栄養があるのか、早速調査してみよう。
【獣医師監修】班目美紀
カムカムの栄養と効能
原産地のペルーでは、昔から健康にいいことが経験的に知られており、昔からジュースにして飲まれてきたという。
今では、ジャムやキャンディー、サラダのドレッシングなどの日常品としても用いられているカムカム。一体どんな栄養が含まれているのかチェックしてみよう。
ビタミンC
ビタミンCの主な働きとして、活性酸素を無毒化する「抗酸化作用」が挙げられ、免疫力の向上、コラーゲンの生成を促すなど、身体の調子を整えるには欠かすことのできない栄養素なのである。
クエン酸
クエン酸は疲労の原因である乳酸の増加を抑制・分解する作用があるため疲労回復に期待ができる物質のひとつ。
他にも、吸収されにくい成分を吸収されやすい形に変えて吸収したり、体内の有害物質を排出しやすい形に変えて排出する「キレート効果」にも注目されている。
ポリフェノール
カムカムには、抗酸化作用で注目されるポリフェノールが、100g当たり約1,400mgと豊富に含んでいる。これは、ポリフェノールでお馴染みの赤ワインの約7~10倍にもなるというのも嬉しいポイントだ。
ちなみに、この抗酸化作用というものを簡単に説明すると、体のサビ防止ということ。
ストレス、加齢、タバコや排気ガス、紫外線の影響など、あらゆる原因で体内で活性酸素が発生させるのだが、活性酸素が増えると体をサビさせ、老化や生活習慣病など様々な不調が起こってしまう。
ポリフェノールは、この活性酸素を消去してくれる嬉しい成分、というわけだ。
犬もビタミンCが不足している?
「犬は体内でビタミンCを合成できる生き物」というのはご存知だろうか。
なんと犬をはじめ、ほとんどの動物は体内でビタミンCを合成することができるのだ。
とはいえ、「ビタミンCが合成できるなら、あえて摂取する必要はないのでは?」と思ってしまうだろう。
確かに犬はビタミンCを合成できるが、一日に合成できる量には限度があると言われている。そのため、高齢犬、病気持ちの犬、ストレスを抱えている犬などは、体内で合成する分だけでは足りない場合があるのだ。
しかも、ビタミンCは年齢と共にその合成する能力も低下してしまう。ビタミンCはコラーゲンの生成にも大きく関わっており、不足すれば関節や軟骨などのトラブルに発展してしまう可能性がある。
また、ビタミンCは水に溶けやすい水溶性。尿から体外に排出されるため体内に蓄積しにくく、過剰障害は出にくいとも言われている。
合成できるとはいえ、毎日一定量を摂取したい栄養素なのだ。
カムカムはどこで手に入る?
実は、日本国内では生のカムカムは流通していない。
これは、野生のカムカムの利用が増え過ぎて絶滅が危惧されるほどになっているからだ。
このためペルー政府では、生の果実、木、種子など植物体での国外持ち出しを禁止している。ただし、実の加工品は別。濃縮されたジュースや粉末状の製品なら入手は可能だ。
なお、犬に与えるのであれば、果汁100%のジュースがおすすめ。ジュースなら好みで薄くすることもできるし、与えやすいというメリットがある。
ただ、購入の際に注意したいのは、濃縮還元ではなく「ストレートタイプ」を選ぶこと。ストレートタイプは絞り出した果汁をそのままジュースにしているため、添加物などが入っていないため安全性が高い。
少し値が張るのと保存期間が短いのがネックだが、初めての方は小瓶タイプもあるのでそちらで試してみるのもよい。
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さいごに
カムカムは傷みやすいため、冷蔵輸送や冷凍保存の技術がなければ、長距離の輸送には向いていない。そのため、ペルーでも現地の人たちだけが知る、驚きのフルーツだったのだ。
これほど健康増進が期待できる成分を含んだスーパーフード、カムカム。
生での入手は困難だが、ドリンクタイプを購入して是非試してみたいものだ。
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