【専門家監修】犬にビーツを与えても大丈夫?食べると赤いオシッコが出るの!?「飲む輸血」と呼ばれるビーツとは

ビーツ 犬 大丈夫
Pocket

犬 ビーツ 食べる 与える 生 茹でる 大丈夫

SNS映えすることも一因となり、近年にわかに脚光を集めている「ビーツ」。

最近では、日本でも手に入りやすくなり、日常の食卓に取り入れる人も増えているようだ。

もちろん、ビーツは犬に与えてもOK。中毒になるような成分は含まれていないので、犬に与えても大丈夫なのだ。

今回は「奇跡の野菜」「飲む輸血」とも呼ばれているビーツの与え方について探ってみよう。

 

【専門家監修】大谷幸代

専門家 監修
【動物関係の保有資格】専門学校講師、愛玩動物飼養管理士・トリマー・アロマセラピスト・ホリスティックケアカウンセラー・ペット食育士・ペット災害危機管理士・マウスケアメンター等

 

ビーツの種類

犬 ビーツ 食べる 与える 生 茹でる 大丈夫

ビーツの原産地は地中海沿岸地方で、アカザ科のサトウダイコンの一種である。

見た目はカブや大根と似ているが、実は意外なことにホウレン草と同じ科に属している。

ビーツは紀元前より前から栽培が始まったとされており、古くはローマから中性ヨーロッパにかけて薬用や食用にと様々に利用されていたという。

日本には江戸時代に伝わったとされ、その燃えるような赤い色から「火焔菜(カエンサイ)」とも呼ばれている。

ビーツは肥大した根の部分を食用にする以外にも、天然色素としても使われている。赤色のほか、白、黄色、紅白の渦巻きなど色も形もさまざまだ。

 

デトロイト・ダークレッド

ビーツの中でも強健で作りやすい品種。葉柄も根も鮮やかな紅色に着色し、根は中まで深紅に着色している。

肉質はやわらかくて甘みがあり、酢漬けやサラダなどにピッタリ。

 

サフランイエロー

外皮はオレンジ色で、中身は美しい黄金色のビーツ。甘くて美味しく、サラダやシチュー、煮込み料理に利用できる。料理の彩りにも絶好の食材だ。

 

ビーツに含まれる栄養と効能

犬 ビーツ 食べる 与える 生 茹でる 大丈夫

ビーツには、高血圧予防という観点から特筆すべき二つの栄養素がある。

一つは、ミネラルの一つである「カリウム」。含有量の高さは、トマトやレタス、カブを上回る。カリウムは体内も余計なナトリウムの排出を促すため、血圧を下げる効果がある。

そしてもう一つは、「NO エヌオー」と呼ばれている一酸化窒素。NOは血管の筋肉を柔らかくして広げ、血流をよくする効果があるようだ。

血管が柔らかくなることで、心臓に過度な負担をかけず高血圧を防ぐことができる。この二つの栄養素により、血圧の抑制効果に期待が持てるだろう。

 

ベタレイン色素

ビーツの特徴的な色をつくり出している色素が、赤い「ベタシアニン」と黄色い「ベタキサンチン」によるもの。ビーツの色違いがあるのは、この二つの色素のバランスによるもので、赤色以外にも黄色やオレンジをした品種もある。

これら二つは、総称して「ベタレイン色素」と呼ばれ、高い抗酸化作用があると言われている。体の中の活性酸素を取り除いて、老化を防ぐとともに、細胞ががん化することを防いでくれる。

 

葉や茎の部分も栄養豊富

ビーツの茎や葉の部分には、鉄分、ビタミンA、ビタミンC、食物繊維などが豊富に含まれている。

葉付きのビーツを入手できたら、ぜひ捨てずに活用したい。

ビーツは他にも、マグネシウムや亜鉛といったミネラルやナイアシン、葉酸などのビタミンB群も含んでいる。

こうして見ると、他の作物にはなかなかない成分がビーツには含まれているようだ。

 

ビーツの与え方や注意点

犬 ビーツ 食べる 与える 生 茹でる 大丈夫

生で与えるなら「新鮮」「少量」を心がけよう

フレッシュな生のビーツを入手できたら、生のまま与えてもOK。

新鮮なビーツは驚くほどみずみずしいので、サラダ感覚で食す人も多いだろう。犬に与える際には、ビーツの皮をむき、薄くスライスして食べやすいサイズにしてから与えよう。

ただし、与え過ぎには注意を。

ビーツはほうれん草と同じアカザ科に属しているためシュウ酸も多く含まれている。シュウ酸の摂取は尿結石のリスクにもなるため、与える量は「少量」を心がけよう。

 

茹でる or オーブンでトースト

ビーツは砂糖の原料になるてんさい(甜菜)と同じ仲間で、ショ糖を含んでいる。

野菜の中では甘みがある方だが、何より素晴らしいのは「おいしい」ということ。渋味・苦みがほとんどなく、その優しい甘味を活かすのであれば、茹でる、オーブンでトースト、蒸すといった加熱方法がオススメだ。

特にビーツはオーブンでトーストすると、じゃがいもに似たホクホク食感を楽しむことができるのでお試しを。

また、ビーツに含まれているシュウ酸は茹でることにより減らすことができる。何はなくともシュウ酸の摂取は控えたいという飼い主さんは、茹でてから与えることをおすすめする。

 

茹でるなら「皮ごと丸のまま」

まず、ビーツを茹でる時は、皮ごと丸のまま茹でるのが鉄則。カットしてから茹でると赤い色素が流れ出てしまうので注意したい。

色素が流れ出てしまうということは、その分栄養も流れ出てしまうということなので、ビーツを茹でる時は皮ごと丸のまま茹でよう。30分程度、気長にコトコト弱火で煮て、茹で上がったら皮をむくのが正解だ。

ちなみにだが、ビーツを調理する際は、白い服は避けよう。真っ赤な色素がうっかり衣服に付着してしまうとシミになってしまう。手についた色素も落ちにくいので、調理の際はゴム手袋を着用するといいだろう。

 

赤いオシッコがでるかも!?

ビーツには赤い色素であるベタシアニンが含まれているのだが、ベタシアニンは水溶性の色素のため、オシッコが赤くなる「ビーツ尿」の現象が見られることがある。

これは色素が原因で起きるもので健康には影響がないのでご安心を。

他を例にして言えば、みなさんも栄養ドリンクを飲んで尿が黄色くなることはないだろうか?これも栄養ドリンクに含まれるビタミンB2の色素が黄色いために起こるもの。

犬にビーツを与えて赤いオシッコが出ても、「血尿!?」と勘違いしないよう注意しよう。

 

さいごに

犬 ビーツ 食べる 与える 生 茹でる 大丈夫

ビーツは乾燥を嫌う性質があるので、なかなか葉が付いた状態で出回ることが少ない。

その理由は、根から葉へ栄養が流出してしまい根の部分の劣化が早まるからだ。そのため、葉っぱが付いているものを購入した場合は、大根のように葉と茎を切り離してから保存を。こうすることで、根の部分は1週間程度もつだろう。

ビーツの旬は、6~7月、11~12月の年に2回。最近では、国内でも生産が少しずつ増えてきたので、見かける機会があればぜひ愛犬と一緒に味わってみてほしい。

こちらの記事もCheck! 犬はコーヒーに含まれるカフェインがダメ?デカフェなら与えられる?カフェインが犬に与える影響について