犬が脱肛を繰り返す!手術費用や戻し方の紹介

犬 脱肛
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脱肛とは読んで字の如く、お尻から直腸の粘膜が出る症状の事を表します。

どんな犬でも患う可能性が見込まれますが、中でも仔犬に多いと言われている症状です。

愛犬が初めて脱肛をすれば、飼い主としては当然驚きますよね。

万が一、脱肛を発見した時でも、まずは落ち着いて獣医に相談しましょう。

こちらの記事では、犬が脱肛を繰り返した際の戻し方や手術費用についてまとめています。

犬と合わせて猫の話もおまけで載せていますので、猫を飼っている人もぜひチェックしてみてくださいね。

 

犬が脱肛を繰り返すのは何故?

犬が脱肛を患うと、繰り返しがちになる個体も見られます。

何故、脱肛を繰り返してしまうのかを知る前に、まず、脱肛とはどういった状態かを確認しておきましょう。

脱肛の症状とは?

そもそも脱肛は、体の内側にあるべき臓器が外に飛び出した状態ですから、かなりの痛みを伴います。

又、当然ですが不快感も在り、犬が排便したくても上手く出来ないといった問題も。

犬の脱肛は、ドーナツ型に膨らんだ直腸が出てくるパターンと、ソーセージ状の直腸が出てくるパターンが見られます。

さらに、次の2種類に分けられるので知っておくと良いでしょう。

  • 部分脱肛…直腸の粘膜のみ飛び出る。
  • 完全脱肛…直腸自体が肛門をすり抜け、ひっくり返った状態で2層になり飛び出る。

脱肛を起こす原因

犬が脱肛を患ってしまう原因は幾つか想定出来ます。

その中の主なケースを取り上げてみましょう。

  • メス犬が分娩する際にいきんだ為
  • 便秘
  • 下痢
  • 内臓疾患
  • 栄養不良
  • 直腸の炎症

このように色々と要因が想定できますが、脱肛を患い易い犬として仔犬の他にメス犬や老犬が挙げられます。

脱肛を繰り返す理由

様々な要因の中で、特に下痢や便秘から脱肛を起こした時は、一度戻ったとしても再び脱肛を患う可能性が高いでしょう。

下痢や便秘を起こす度に、腸が出てきてしまうのです。

何故なら、簡易的に押し戻してしまうと正常な場所に腸が戻らないパターンが在る為。

粘膜が出る程度の軽度な状態ならまだ良いですが、直腸自体が飛び出てしまうようになれば戻らない事も想定されるのですぐに獣医に診て貰う事が大切です。

 

老犬は脱肛しやすい?

人間と同じく、犬も加齢が進むと筋肉が弱ってくる傾向に在ります。

脱肛の場合、肛門括約筋の衰えが原因で起こるパターンも。

筋力の衰えは便秘を引き起こすきっかけにもなり、老犬はついつい排便時にいきみがちになります。

その為、脱肛へと繋がるパターンも多く見られるのです。

老犬が脱肛しない為にも、普段から便秘を起こさないように食生活を意識しておく事が大切。

水分を適度に与え、消化しやすいフードをあげるようにしましょう。

 

生後2ヶ月の仔犬でも脱肛する?

犬の成長の中でも、仔犬の頃は脱肛しやすい傾向に在ります。

特に、仔犬や下痢になりがちな為、酷い時は脱肛を起こしてしまうのです。

下痢が続くような時は、要注意の日頃から仔犬のお尻をチェックしておく事をおすすめします。

脱肛を発見して獣医に連れて行き、手当てを施した場合でも下痢が続くと再び脱肛する危険性を含んでいます。

まずは、手当てを終えたら下痢を整える事が大切です。

仔犬の下痢を治す為に

仔犬の脱肛が下痢を由来とするものだった場合、獣医では下痢の薬等も処方されます。

とはいえ、普段から仔犬が下痢をしないように気をつけてあげる事も大切。

下痢の原因も様々ですから、それぞれに対応した手当てが必要です。

例えば、消化不良だった場合は、下痢止めを与える事に加えて、餌を与える回数を増やしてください。

その際、少量ずつ与える事が大切です。

成犬の場合、絶食をする方法も在りますが、仔犬は成長期の為絶食をさせないほうが賢明。

様子を見ながら元の食事に戻してあげましょう。

 

犬の脱腸は便秘のせい?

腸の粘膜が出る脱肛を通り過ぎてしまうと、直腸自体が出てしまう脱腸になりかねません。

脱腸の多くは便秘に原因が在ります。

人間も便秘になる事があるのでイメージできると思いますが、犬も便秘になればいつもの排便よりも力を入れていきむ事が在ります。

この際、お腹にかかる圧力が度を超えて強くなると、脱腸になる可能性が在るのです。

便秘を解消すると脱腸も治る?

便秘がちの犬は、何度も繰り返して脱腸をする傾向に在ります。

こういったつらい症状を解消する為には、根源となる便秘を治す必要があるでしょう。

犬が便秘を解消する為には、繊維が多く含まれたフードを取る事がおすすめです。

又、水分についても要注意。

与えすぎて下痢を起こしてしまえば本末転倒ですが、新鮮な水が適度に飲める状態を保ってあげましょう。

さらに、成犬の場合は運動も大切です。

散歩でしっかりと腸を動かし、快適に便が出せるようにするのもポイント。

 

犬の脱肛を治す際に必要な手術費用は?

犬が脱肛を起こした際の、治療方法として以下の二つの手段が在ります。

応急的な処置

脱肛が軽度の場合や、腫れがひどくない状態であれば応急処置を行うパターンが在ります。

患部に潤滑剤を塗り、ゆっくりと肛門の中に飛び出た部分を戻してやるのです。

もちろん、獣医に診せるのがいちばんの方法ですが、取り急ぎ自宅でケアをする場合は、グリセリンや食用油などを使うのもOK。

大切なのは、犬が舐めたりしないようにする点です。

もしも、腸に炎症が起こってしまうと大変な事になる事も否めません。

炎症が進んで壊死まで至ると、切除するほどの事態に至るのでエリザベスカラー等をして舐めないように気をつけましょう。

又、獣医に連れて行くまでに腸が乾いてしまわないように、ガーゼを生理食塩水で湿らせたものを当てておく事も忘れないように。

手術による処置

脱肛した犬を獣医に連れて行くと、しっかりと手術をしてくれます。

まず、応急処置と同じく潤滑剤を使う事で腸を元の場所へと戻し、再び脱肛を起こすことが無いように肛門を縫い合わせるのです。

縫合した後は、約七日後に抜糸となります。

とは言え、これは軽度の脱肛の為の手術で在り、重症の場合や脱肛してから時間が経っている時にはもっと大きな手術が必要となります。

たとえば、組織が壊死している場合は、直腸の粘膜だけではなく、壁全体を切除するような手術となる場合も。

又、何度も脱肛を繰り返す犬は、直腸を体内で固定する為の手術をする事も在ります。

手術にかかる費用

当然、手術にかかる費用は脱肛の具合によって異なります。

又、脱肛が起こった原因となる病気があれば、その治療もかかって来る為、一概には言えません。

脱肛自体の手術費用で考えれば、おおよそ1〜数万程度かかると考えておけば良いでしょう。

 

猫の脱肛は戻る?

犬が脱肛になるのならば、猫も脱肛になる可能性が在ります。

犬と同じく、脱肛の原因は様々ですが、その症状は同じです。

猫が脱肛になる原因もまとめておきましょう。

基礎疾患

寄生虫や感染症等を要因とした胃腸の問題があると、直腸が炎症を起こすパターンが在ります。

炎症が起きると、必然的に腸の面積が増える事態になり、その結果脱肛になってしまうのです。

いきみ

犬と同じく、猫もメスが分娩する際にいきみ、結果的に脱肛するパターンが在ります。

又、酷い便秘の時も同じ事が考えられます。

肛門括約筋の衰え

猫も犬と同じく加齢に伴う筋力の衰えを起こします。

肛門を締める際に必要な肛門括約筋が弱ると、お腹の圧力に勝つ事が出来ず脱肛する事も。

犬と同じく猫の脱肛も戻る

犬が脱肛を治す方法と同様の手段で、猫の脱肛は戻ります。

万が一、愛猫が脱肛した時も慌てずに応急的な手当を施すようにしましょう。

そして、すぐに獣医に連れて行く事が大切です。

 

猫の脱肛の戻し方は?

犬と同じように、猫の脱肛の戻し方は応急処置と手術の2パターンが在ります。

又、脱肛の原因となる症状を改善させる事が大切な点も同じです。

例えば、便秘が脱肛の元であれば、便秘を解消させる為の行動が大切でしょう。

猫の便秘に効果的なフードも市販されているので利用するのもおすすめ。

そのほか、サツマイモなど食物繊維が多い食材をいつものフードに混ぜるのも一つの手段です。

もちろん、適度な水分補給も大切ですよ。

 

犬が脱肛を繰り返す!手術費用や戻し方の紹介まとめ

犬が脱肛する様子を見ると、あまりにも痛々しく驚く為すぐに獣医に連れていくのが一般的です。

当然、獣医に連れていくのが一番良い方法です。

とはいえ、毛の多い犬種などは脱肛の様子が見えなくて気づきづらい場合も。

普段から、しっかりと愛犬の様子はチェックしておかなければなりません。

そして、脱肛になる原因である便秘や下痢にならないように気をつける事も大切です。

又、応急処置は在りますが、あまりにも無理をして戻してしまうと炎症になるパターンも否めません。

脱肛を発見したら、とにかくすぐに獣医へ相談してください。

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