【専門家監修】犬のマーキングで困っていませんか?室内でマーキングをやめさせる方法

犬のマーキングで困っていませんか?室内でマーキングをやめさせる方法
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犬を飼っているとあちこちにおしっこをするという声をよく聞きます。

マーキングと呼ばれる行為です。

動物にとってマーキングは自然な行為ですが、人間には迷惑なのでやめさせたいですね。

【専門家監修】添野暁子

専門家 監修
【動物関係の保有資格】2歳から犬と育ち、現在は4代目の愛犬と暮らすWebライター。愛玩動物飼養管理士1級の資格を持ち、犬について日々研究している。

 

なぜマーキングをするの?

マーキングとは排尿のことですが、ただするのではありません。

尿意をもよおしたからではなく、自分の匂いを他のものにつけるためにするのです。

 

外でのマーキング

人間にとって尿は体から排出された要らない、汚いものですが、犬にとっては違います。

犬にとっては性別・年齢・メスなら妊娠可能かなどの情報を得る手段です。

犬は尿の匂いを嗅ぎ、あの子がここに来たな、自分より年下だなといったコミュニケーションをとっています。

人間がネット上で多くの人とやり取りをするように、電柱や壁は犬達にとって掲示板のようなものなのでしょう。

 

家でのマーキング

飼い主との関係

散歩中にマーキングをするのは本能なので理解できますが、家の中であちこちおしっこをする犬がいますね。

人間と生活して他の犬がいないのに自分の匂いをつける必要なんてありません。

わざわざソファやベッドにマーキングをするのは、お気に入りだから自分のものにしたいという自己主張です。

犬の寝床は確かに家の中にありますが、家全体は飼い主のもの。

飼い主のものにマーキングをするということは犬の方がボスだと思っている可能性があります。

この場合はマーキング以外にも問題がある可能性があるので、しつけ全体を見直してやめさせなくてはいけません。

 

ストレスや意志表示

生活していると赤ちゃんが生まれた、他のペットが加わったなどの変化があるでしょう。

飼い主があまり自分にかまってくれなくなると犬もやきもちを焼きます。

犬はおしっこをしたら自分に注目してもらえるとわかると、わざと家の中でマーキングをします。

また引越しをして新しい環境が気に入らない、留守番が多くて不安がある場合もマーキングをすることがあります。

犬のマーキングで困っていませんか?室内でマーキングをやめさせる方法

マーキングはいつからするの?

子犬のうちはもよおしたら排泄するので、意外とトイレを覚えられる犬が多いです。

ところが生後7~8ヵ月くらいからオス犬はマーキングをするようになってきます。

排尿と違って男性ホルモンを他のものにつけることが目的です。

尿のニオイはきつく、少量で体を大きく見せるために高い位置にします。

メスでもマーキングをすることがあり、異性へのアピールは動物としての本能なのでやめさせるのは難しいです。

 

マーキングをやめさせるには?

マーキング対策スプレーを使う

マーキングを防ぐにはよく専用消臭スプレーが勧められます。

市販のものでも手作りでも良いのですが、すぐにでもやめさせたいのなら研究された市販のものが良いでしょう。

外でのマーキング対策には市販の消臭効果が強いものが期待できます。

手作りスプレーの作り方はこちらです。

  • 布製のものに使う場合 

水250ml・無水エタノール50ml・重曹小さじ1杯・ハッカ油5滴を混ぜてボトルに入れる

  • 布以外の床などに使う場合 

水500ml・クエン酸小さじ2杯を混ぜてボトルに入れる

犬がマーキングをしてしまったらとにかく洗浄、消臭をしてください。

匂いが残っていると犬は何度もその場所におしっこをするようになってしまいます。

犬のマーキングで困っていませんか?室内でマーキングをやめさせる方法

マナー用品を使う

室内を汚さないために犬用のオムツやマナーベルトを履かせるというのも対策のひとつです。

ただし犬が服を着ることに慣れていないと、嫌がって履いているものを噛みちぎってしまうかもしれません。

また排泄したのにずっと履きっぱなしにしていると皮膚炎を起こすことがあります。

普段から犬にパンツを履かせているのはあまりお勧めできませんが、ドッグランや宿泊の際には身に着けていると安心です。

 

去勢手術をする

去勢をするとマーキングをする必要がなくなるのでやめる可能性はあります。

しかし確実にやめると言い切れません。

あまりにもおしっこの回数が多いと病気の場合があるので、獣医師に相談しましょう。

 

原因を取り除く

マーキングの原因がストレスの場合、犬が安心できる環境を整えると治まることがあります。

例えば引越しがきっかけであれば、家を以前と近い環境にする、ハウスに使い慣れたタオルを入れるといった工夫をすると犬は安心します。

留守番が多いのなら犬と一緒に過ごす時間を増やす、飼い主との上下関係を見直すのも対策です。

 

トイレを変える

犬自身はマーキングのつもりはなくてもトイレの失敗をしてしまう例があります。

子犬のときと同じトイレを使っていたら、体が大きくなってトイレが狭いというのが原因かもしれません。

犬がトイレを一度覚えたのなら、壁まで覆うL字型の大きいトイレにする、トイレトレーの周りの床や壁にもシートを敷くといった工夫で失敗がなくなる可能性があります。

 

まとめ

盲導犬や介助犬などの働く犬はマーキングをせず、決まった時間と場所にしかトイレをしません。

健康な犬であればマーキングやトイレをコントロールするのは可能なのです。

人間社会に犬を住まわせるということは野生の本能をなくすことになります。

かわいそうな気がしますが、現代の犬にとって人間と上手く付き合うことの方が大切なので順応させてあげてください。