犬が強迫性障害に?治し方や、特徴。自傷行為対策など

犬 強迫性障害
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お出かけした時に、玄関の鍵をちゃんとかけたか、ガスコンロの火を消したかなどと何度も確かめに戻ったことがありませんか?

ほかにも忘れ物はないかとか、サイフやチケットを持ったかとか、時間を何度も確認したりしていませんでしょうか。

あるいは手を洗ったのに気になって何度も繰り返し洗ってしまうことは「常同行動」とされていて、「強迫神経症」または「強迫性障害  Obsessive compulsive disorder (OCD)」という疾病を代表する症状とされています。

実は人以外にもあって、犬も強迫性障害と同じ原因で起こる疾病があると知られています。

自分でもどうしてよいのかわからないまま同じ動作を繰り返すのは人と同じで犬もつらいはずですよね。

もし繰り返すようになってしまったら、その原因をみつけてあげて対応してあげなければなりません。

今回はそんな犬の強迫性障害の解説と、その対策についてご紹介していきます。

 

犬の強迫性障害とは?

主に以下の仕草を見せます。

  • 尾や足を噛み出し止まらなくなる
  • ひたすらに脇腹や足、尾を吸う
  • クルクルと回り尾を追いかける
  • 同じ場所を行ったり来たりする
  • 理由もなく吠える
  • 影や光などが動くと追いかける
  • オモチャなどをいつまでも放り投げる
  • どこでも周囲のものを舐める

これらは種類によって特徴があって、例えばドーベルマンなどは自分の脇を吸い続ける「脇吸い(Flank sucking)」が多いとされています。

また、光や影を追う「影追い(Light chasing , Shadow chasing)」はテリアやオールド・イングリッシュ・シープドッグ、ゴールデン・レトリーバーなどに見られるといわれます。

また日本犬でも柴犬は尾を追いかけることや噛むことが見られるとの報告や、尾の毛を引きちぎることもあるとわれているのです。

これらは一時的に止めることができてもまた始めてしまうので、しっかり観察しながらその原因を探った上で対応する必要があります。

 

犬の強迫性障害の誘因はなに?対応策は?

誘因として以下のことが考えられます。

 

持続する痛みを感じる

これは病気やケガによるもので、その痛みを取り除かなければ治りません。

獣医に診てもらって疾患が誘因であったら、まずそれを治してもらいましょう。

 

ケガなどの跡を舐める

ケガをしてしまい治ってもクセになってしまい、その傷跡を舐め続けることがあります。

せっかく治ったのにケガ抜けてしまったままになるばかりか、ただれてしまいます。

舐めさせない、噛ませないしつけ用の苦いスプレーなどで対応してくださいね。

 

留守番でのストレス

長い時間留守番させてばかりいると不安からストレスをためて上記の症状のほかに、家の中をメチャクチャにしたりやたらに鳴いたりします。

長時間留守番をさせたら帰宅後に思い切りほめてあげたいところですが、それが逆効果となります。

人への依存度が高過ぎると起こるとされているので、外出する時に声をかけずにおきましょう。

また、家の中ではあまりかまわないようにして遊ばせておくなどして、少し距離をおくことが解決に繋がるといわれています。

せっかく家で一緒なのに可愛がることを控えるのは辛いと思いますが、留守番する時に寂しさを感じさせないために心を鬼にしてくださいね。

 

散歩が足りない

飼い主さんの都合で、散歩しても物足りないと欲求不満になり、運動不足から寝つきが悪くなるなどしてストレスをためることになります。

例えどんなに忙しくても時間を割いて、ワンちゃんが満足するまで散歩に付き合ってあげてください。

これらのほかに、遺伝が誘因となりやすい犬種があります。

ドーベルマン、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ジャーパン・シェパードなどがそれにあたり、日本犬では先にあげた柴犬もその中に入ります。

また、加齢とともに痴呆が進むことで認知症となり障害に結び付くこともあるのです。

 

犬の自傷行為への対策は?

毛をむしってハゲができたとか、引っかき過ぎて傷を作ったりするのは見たくないですよね。

愛犬の自傷行為を見たら、まず自己判断をせずに獣医に相談してください。

傷ついてしまったところを治療しなければなりませんし、原因を探るために疾病があるかどうかを調べてもらいましょう。

その際にはアレルギー関連も調べもらっておくことをおすすめします。

そうして疾病がないというのがはっきりわかったら、次はストレスのもとを探りましょう。

「最近は留守番させることが多かったな」と思うのであれば、寂しさからくる分離不安症と考えられます。

この場合、先にも書きましたが、寂しいだろうと必要以上に接しすぎてはいけません。

愛犬のために留守番に慣れさせなければならないので、ひとり遊びをさせて慣れさせることや、たまにペットホテルなどに泊まらせて孤独を経験させ、ストレスへの耐性を作ってあげましょう。

ストレスへの対策についても、犬の心療内科というべき「行動診療科」を標ぼうする獣医さんが増えていますので、それらの専門医を探して診察してもらうと良いでしょう。

 

犬の強迫性障害は予防できるの?

予防に重要なのは、犬の内面よりも周囲がどのように接して関係を作っていくかということです。

愛犬の犬種による遺伝的素養や個々の性格をきちんと把握して、かつ家族の生活にも配慮をした上で接していくことが予防につながります。

例えば、ゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバーは盲導犬や介護犬として活躍できる素養を持っている人が大好きな犬種です。

それが家の外に繋がれて飼われていたら寂しくてストレスをためてしまうでしょう。

それとは違って日本犬の柴犬は昔から外で飼われることが多く、人とはある程度の距離を保ってきました。

しかし、最近では室内で飼われることが増えて、人と一緒の空間で生活することが負担になってしまい解消するために自分の尾に八つ当たりすることが増えたのであろうと言われています。

愛犬の心が病んでしまうのを防ぐには、犬についてきちんと勉強をして接することが、一番の予防なのだと思います。

そしてもうひとつ大事なことは、愛犬も家族の一員であり家庭の平和に敏感なことにあります。

お家の中でいつも争いごとが絶えないようでは、愛犬を叱ってばかりではどうしてよいかわからず、このような行いをすることになるのです。

犬は見ていないようでいて、そういうことを敏感に察知しているのを知った上で接してもらいたいと思います。

 

愛犬の強迫性障害がひどくなると安楽死?

治療を頑張ってもどんどんひどくなるだけで治りそうにない。

あるいは高齢化によって認知症が進んでしまい、狂暴化して世話ができない。

こうなってしまったらどうすれば良いのでしょうか?

獣医の間でいろいろな意見が出ていますが、ひとつの選択肢かもしれません。

現在の日本はペット先進国の欧米諸国と比べて、安楽死の件数が非常に少ない国なのです。

日本の法律上では飼い犬の安楽死の判断について明記されておらず、獣医の判断に委ねられているところが大きいのです。

治る見込みのない難病で、ひどく苦しんでいるようならば提案されることもあるでしょうが、そのようなケースでもなければ実施は難しいのが現状のようです。

しかし、老犬となって認知症が進んでしまうと、もう元に戻る事ができません。

大人しくなり寝たきりのようになったなら世話ができますが、狂暴化して周辺に迷惑をかけるほどの大音量で一晩中吠え止まらなくなってしまったために、引っ越しせざるを得なくなったケースもあるのです。

また、誰が誰なのか判らなくなったかのように、おかまいなしに歯をむいて警戒し、手などを加減なく噛み大ケガを負わせることになる恐れがあります。

他人にケガを負わせる恐れが出てきてはもはやどうしようもなく、大事となる前に解決するためにやむを得ない状況となることはあるでしょう。

このことはデリケートで難しいものですが、認知症の気配が出てきた老犬を飼っている方は、避けては通れないことでありましょう。

言う事を聞かない、あるいは世話をするのが大変になったとの理由で、命をうばう事は許されません。

その選択は、あくまで苦しみから解放してあげるためであるのは忘れないでください。

ただし、それしか手段がないとなった時、飼い主が後悔の念にさいなまれることがないようにあって欲しいと願います。

 

犬が強迫性障害に?治し方や、特徴。自傷行為対策など・まとめ

犬の強迫性障害は飼い主さんと愛犬の関係構築がしっかりできていれば防ぐことができる病気です。

犬を家庭に迎え入れる時にはただ可愛がるだけでなく、犬種や個々の性格などを把握した上で、常に愛犬の立場でその気持ちを考えてあげながら接してあげてください。

愛犬が自分でも訳がわからないまま同じ行動を繰り返してしまうことを止めてあげることができるのは飼い主さんだけなのです。

この記事を書いていて、筆者が高校生の頃に飼っていたマルチーズが時々自分のしっぽを追いかけてクルクル回っていたことを思い出しました。

その時は犬の強迫性障害のことなど全く知りませんでしたので、笑いながら見ていたものですが、今にして思えば雨降りで散歩に行けない時に限ってその様な行動をしていたのでした。

その愛犬が老犬となって旅立つ間際のことも覚えております。

幸い眠る様に旅立ちましたが、もし苦しんでいたら安楽死も選択肢のひとつだったかもしれません。

強迫性障害は飼い主さんの愛情で予防することができる疾患です。

いつも愛犬のことを思って、家族の一員として見守ってあげてくださいね。

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