犬のマズルコントロールとは?やり方と注意点

マズル 犬
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家庭に迎えた時から、ルールを教えるしつけを始めることになりますが、犬をしつける方法の一つにマズルコントロールがあります。

犬の「マズル(muzzle)」とは口から鼻先にかけての部分のことで「口吻(こうふん)」とも呼ばれていて、敏感な場所とされています。

ここではそのしつけ方法についてやり方や、気をつけなければならないことなどをご紹介します。

 

マズルコントロールでしつけができるのはなぜ?

口と鼻は呼吸をするために必要な生きる上でとても大事な器官です。

さらにワンちゃんの場合は、鼻を利かすことで獲物を探し、捕らえるために口が人間の手の役割をするため、とても大切な体の部位でもあります。

この敏感な急所を無理矢理に押さえられて、口を開けないようにされてしまうことをワンちゃんはとても嫌い、そのため言うことを聞くようになるのです。

 

犬の習性を利用したマズルコントロール

これがワンちゃんのしつけに利用されるようになったのには、つぎのような理由があります。

子どもがイタズラをしたり危ないことをしたりすると、親が「いけません」と叱りますが、その際に子どもの口を親が自分の口で押さえつけます。

親が口で挟んで軽く噛んだり、アゴを乗せたりするなどやり方はさまざまです。

すると叱られた子どもは「いけないことをしたからだ」と学習するとともに、言うことを聞くようになるのです。

このようなワンちゃんの習性を利用して、上下関係をわからせて、さらにいけないことを教える方法のことを指しています。

 

犬のマズルコントロールの正しいやり方とは?

子どもをしつける習性なので、始める時期はできるだけ生まれたばかりのころ、できるだけ早い方がよいでしょう。

その理由は、成長してからでは口や鼻を触られることを嫌がるようになってしまうからです。

ただ、家に迎えたばかりで慣れていないうちに始めると、恐怖を感じて警戒するようになってしまうことがあります。

環境が変わったことに慣れたのを確認してから始めることをおすすめします。

 

マズルコントロールの進め方

やり方は、いけないことをした時にマズルをつかんで教えるだけですが、いきなりつかむのではなく、準備として次の3つのステップを踏みましょう。

 

スキンシップとして体に触れることに慣れさせる

いきなり顔を触らず、優しく声をかけながら体を触りなでてあげ、慣れてきたら触る場所を少しずつ顔に近づけていきます。

飼い主さんや家族が体に触ることが恐くないと理解して、嫌なことでなく楽しいことだとして信頼関係を築くことが大切です。

 

マズルに触れてみる

顔の周辺を触っても気にしなくなったら、口元など軽く触れたりなでたりしてみましょう。

それでも平気なら軽く握ってみますが、決して強く握らずすぐに放すようにしてください。

ポイントはワンちゃんが落ち着いている状態の時にすることで、遊んでいて興奮している時やご飯を食べている時などは、噛まれることがあるので避けましょう。

 

マズルに触れていてもおとなしくしていたら褒める

嫌がらずにおとなしくしていたら、オヤツをあげながら褒めてあげてください。

そうしながら触れている時間を少しずつ伸ばしていきます。

ただ、しつこく長い時間やっていると飽きてしまうので、短い時間で毎日続けてやるようにしましょう。

そして、このステップに到達できたら、いけないことをした時にマズルをつかんで叱ることを始めてください。

 

マズルコントロールによる犬のしつけで注意すること

ワンちゃんにいけないことを教えるのに有効なしつけとされていますが、しつけには必要ないとの考え方をネットで主張する専門家もいます。

さらには、ワンちゃんに苦痛を与えるので、やるべきでないとする意見もあって、専門家の間でも賛否両論あるようです。

口や鼻などへのタッチを嫌がるワンちゃんがそれを許し、叱られていると理解できるかは、飼い主さんとワンちゃんとの間の信頼関係が大切です。

しつけだからと強要せず、ワンちゃんのストレスを確認しながら進めていきましょう。

 

犬のマズルに触れることの効用とは?

体に触れられることに慣れているワンちゃんは、ブラッシングやシャンプーなどのケアがやりやすくなります。

また、いつでも口の周りに触れることができれば、口の中のチェックや歯みがき、耳掃除なども簡単にやらせてくれるようになり、ワンちゃんの健康管理に役立ちます。

コントロールができなくとも、触れらるようにしておくことで、獣医さんの診察やペットサロンでのトリミングの際に、迷惑をかけずに済むでしょう。

 

犬のマズルコントロールとは?やり方と注意点・まとめ

犬のしつけに効果があると言われるマズルコントロールですが、しつけにはそれだけでなくほかの方法も取り混ぜるのがよいでしょう。

また、マズルコントロールをする際は愛犬のマズルを触りながら、ストレスを感じていないかよく見ることが大事です。

そして何よりも、信頼関係を築くことがしつけに一番大切であることを、忘れないようにしてくださいね。

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