夫婦喧嘩をしていたら飼い犬が2人の間に割って入り、自分の鼻をペロペロとなめ始めたのを見て何となく喧嘩が収まった。
こんな話をよく耳にしますが、犬が人間の口論の間に入って仲裁するのは本能としての行動とされています。
仲間の争いでも自分は友好的な存在であることを示して、犬同士が争っている間に入って仲裁しようとするのです。
これは喧嘩による不穏な空気の中で自分自身が不安になり、それを解消しようとして取る行動だと言われています。
これはかつて群れで生活していたころのコミュニケーションのなごりとされていますが、ここではそんな犬の社会的な行動についてご紹介します。
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飼い主が夫婦喧嘩すると犬が震える、怒る、吠えるのはなぜ?ストレス?
犬、夫婦喧嘩の仲裁に入る。
(?) pic.twitter.com/QBcmXWZgWV— はぐれ&けやき (@e_hagure) May 27, 2021
ワンちゃんは言葉がわかりませんから、喧嘩の原因などさっぱりわかりません。
大きな怒鳴り声や感情がたかぶっての叫び声におびえ、ストレスを感じているのです。
そのストレスが高まってくると、ワンちゃんはどうしてよいかわからなくなり、震えが止まらなくなったりします。
気の強いワンちゃんであれば、怒り出したり一緒になって吠えたりすることもありますが、嫌な気持ちを伝えて、争いを止めてほしいとさまざまな行動を起こします。
犬が喧嘩の仲裁をするのはなぜ?カーミングシグナルとは?
バクちゃん💖
両親が喧嘩してると、前足てちょいと❗と、止めるらしい👍
それでも止めないとふっと居なくなり….
何処❓と探すと、仏壇の前の座布団に丸くなっているそうです💦
夫婦喧嘩は犬も食わない❗って、言うけど仲裁するなんて❗素敵💖 pic.twitter.com/0fMKGCYsKF— クィーンマム (@QMam2246) August 9, 2015
ワンちゃんにはその昔野生においては群れで生活をしていました。
外敵から守るために、あるいは狩りをするにもいつも群れ単位が行動するため、その中で争いが起こることを今でも本能的に嫌う生き物とされています。
そのため、喧嘩が起こるとその事をとても不快に感じて不安になり、争いの中に割り込んで自分の不安を伝えて相手それぞれを落ち着かせようとします。
この行為はカーミングシグナル(落ち着かせる合図)と呼ばれ、ワンちゃん同士だけでなく人間にもコミュケーションツールとして使用されているのです。
ワンちゃんがカーミングシグナルを発信するのは以下のような心理状態の時です。
- 人間やほかのワンちゃんからのプレッシャーを避けたいとき
- 周囲の争いによって不快や不安、恐怖を感じ、それをやめてほしいとき
- ストレスや不安を感じていて、それを落ち着かせたいとき
- 争っている人間やワンちゃんに落ち着いてもらいたいとき
- 知らないワンちゃんや人間に自分が友好的であることを伝えて安心させたいとき
犬のカーミングシグナルにはどんなものがあるの?
【 犬のカーミングシグナル 】
『体を背ける』
急に横を向いたりするのは
「落ち着いて」というメッセージです。他の犬に威嚇されたり、飼い主に叱られた
時などに見られる行動です。 pic.twitter.com/gtpadEfTen— 犬が大好き (@zin_kaneko_Y08) April 16, 2021
このシグナルはワンちゃんの気持ちを表しているものなので、それを読み取ることで気持ちを理解することができるようになります。
それによって日ごろのしつけやトレーニングにも役立てることができますし、理解してあげることで信頼関係を強くすることができます。
提唱したノルウェーの動物学者によると27種類あるとされていますが、ここではその中からよく見られる主なシグナルとその意味をご紹介します。
- 相手に背中を見せる:相手を落ち着かせようとしている
- カチカチと歯を鳴らす:相手を落ち着かせる仕草だが、歯を剥きだしていたら威嚇となる
- 間に割り込んで入る:相手を牽制していて、飼い主には「気をつけて」との意味もある
- 座ったり伏せたりする:相手と自分も落ち着かせようとしている
- 鼻や口をなめる:ストレスや不安があり、それを解消しようとしている
- あくびをする:不安を押さえようとする行動で、怒られている時にもすることがある
- 相手に横腹を見せながら歩く:相手の出方を見ている
- 顔や目をそらす:敵意はないと伝えているが、相手を少し恐がっていて様子を見ている
- やたらに地面をかぐ:初めてきた場所などで見られ、緊張をほぐそうとしている。
- 相手の口や周りをなめる:相手への服従や敬意を示している
- シッポをふる:たいていは好意を示すが、ピンと立てている時は敵意を示す
- おしっこをする:敵意がないことを示している
- 姿勢を低くする:一見飛びかかってきそうだが、喜びや歓迎の気持ちを表す
- 噛んだ後、なめる:相手を見下していて、服従するようにうながしている
なお、これらのシグナルは一般的な解釈で、全てのワンちゃんに必ずしも当てはまるものではありませんのでご注意ください。
愛犬のカーミングシグナルを見つけるには?
『 犬の笑顔 』
Calming signal. カーミングシグナル、意思を伝えるための表現。
ʕ•ᴥ•ʔ 模倣フェイス
人の真似をして笑ってみた顔、
この顔で飼主が喜ぶ、抱きしめてくれた、などの経験から笑顔を見せると言われています💕 pic.twitter.com/roYL2PqCYm— いなり♂ポメラニアン (@inari_715) October 10, 2016
カーミングシグナルはワンちゃんによってさまざまな仕草を見せるので、日ごろからよく観察しておきましょう。
次のようなポイントをいつも意識して観察するとわかりやすいとされています。
- 家の中にいる時に、ほかのことをせずじっくりワンちゃんを観察する
- 散歩などでよそのワンちゃんと出会ったら、その際の反応を見ておく
- 何か一つシグナルらしきものを見つけたら、それを集中して観察してみる
犬は喧嘩を仲裁するってホント!?カーミングシグナルとは?まとめ
むぎちゃんは、我が家の警察犬‼️喧嘩じゃないけど飛んで行って仲裁にはいる(笑)
この顔、怒ってます‼️ pic.twitter.com/CE31eT5O1z— 柴犬麦ちゃん (@muginosuke122) April 5, 2018
犬が犬同士や人間の争いごとの仲裁に入ろうとするのは本能であり、犬自身がストレスを感じていることを伝える手段でもあります。
「夫婦喧嘩は犬も食わない」などと言われますがそんな事はなく、愛犬は不穏な空気を読んで、しっかり夫婦喧嘩の仲裁をしようとします。
そして、夫婦の間や家庭内での喧嘩は愛犬に大きなストレスを与えることになります。
全く喧嘩せずにいることは難しいことですが、できるだけ控えるか目の目でやらないようにしたいものです。
また、このカーミングシグナルは夫婦喧嘩対策に役立つだけでなく、愛犬とのコミュニケーション強化にとても役立ちます。
しっかり観察して理解してあげて、最高の信頼関係を築き上げてくださいね。