犬の粘膜便って危険?粘膜便を繰り返す時や血が混じる場合の対処法

犬 粘膜便
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ウンチはそれを見れば健康かがわかる重要なバロメーターです。

下痢をしていないか?硬さは?臭いは?色は?

身体の中のたくさんの情報がそこにあるのです。

そんなときワンちゃんがゼリー状のものがくっついたウンチを出しました。

これにはいったいどういう意味があるのでしょうか?

実は、犬がこのような粘膜便を出すのは腸に何らかの異変が起きているのです。

よく見ると血のようなものも付いていたりすると、ちょっと心配になりますよね。

ここでは犬が粘膜便を出す原因と、その時にどのような処置をすれば良いのかについて紹介します。

 

これってどんなウンチ?

ワンちゃんは腸の中で食べた物を送るために滑りが良くなる粘液を分泌します。

これは腸内で粘膜となってウンチを送る働きと、腸管の内皮から細菌が入り込むのを防ぐバリアとしての働きを持っています。

何かの拍子に腸内の粘膜が剥がれてしまうと、そこに粘液をたくさん放出して修復を行うのです。

この剥がれたものが便にくっついて出てくるのが粘膜便で、粘液そのものが付いてくることもあります。

そして、これらは特に大腸でたくさん分泌されるため、これの排泄は腸の健康状態を表しています。

 

粘膜便が出たら腸が不調ってこと?

腸に異常がなく健康な時にも出ることがあり、少しがうっすらと付いているくらいで、元気で食欲があるのなら問題はありません。

たまたまゼリー付ウンチをみかけたけど、次の日には付いていないなど1度限りであれば、そのまま様子を見ていて大丈夫です。

しかし、次のようなことが起こったら腸に異変が起こっているかもしれません。

  • ウンチをするたびに付いている
  • ひと目でわかるほど大量に付いている
  • ウンチの色がいつもと違う
  • 血が付いている

このようなウンチしていたら、すぐにウンチを持ってワンちゃんを連れて獣医さんの診察を受けさせてください。

 

粘膜便が続いていている時は病気?

ワンちゃんのウンチにいつもゼリーのようなものが付いていて、しかもたくさん見られる時は大腸炎を発症している可能性があります。

腸が傷つけられたいたり、炎症を起こしていると、修復するためにたくさんの粘液が分泌されるので、ウンチに付いて排泄されます。

また、傷や炎症の程度によっては出血が起こり、ウンチに赤い血が付いてくることもあります。

この時に出血量が多いと血に染まったイチゴジャムのようなウンチを出すこともあって、あまりの鮮やかな赤い色に驚かされることもあります。

このようなウンチが見られる時は、食欲がなくなっていてグッタリしており、発熱や嘔吐を起こして下痢になっていることもあるでしょう。

すぐに獣医さんに連絡を取って診察を受けるようにしてください。

 

大腸炎が起きる要因とは?

腸が傷ついて炎症が起こる要因はたくさんありますが、主なものはこれらです。

どのケースも獣医さんに診てもらい治療してもらいましょう。

 

ご飯やオヤツをいつもよりかなり多く食べ過ぎた

食べ過ぎは大腸だけでなく、胃や小腸、その他の内臓にも大きな負担をかけることになります。

欲しがるからとついいつもよりたくさん与えてしまった、などということがないようにしましょう。

食べ過ぎは肥満につながりますし、人と同じでワンちゃんも腹八分目が健康の秘訣ですよ。

 

繊維質がたくさん入ったご飯を食べた

繊維質には確かに整腸作用がありますが、それは良質のものを適量食べた時のお話です。

摂り過ぎると大腸を必要以上に刺激するだけでなく、腸内で詰まってスムーズに送り出せなくなってしまい、便秘をおこすこともあるのです。

 

何らかのストレスを感じている

毎日長時間留守番させられている、あるいは引っ越しで環境が変わったなどのことがあると、ストレスを感じて胃腸の働きがおかしくなることがあります。

特に高齢のワンちゃんではストレスへの耐性が落ちていて何でもないことがストレスになったりします。

日ごろからコミュニケーションをしっかり取って、ストレスを解消してあげてくださいね。

 

アレルギーを起こしている

アレルギーによって腸が炎症を起こすことがあり、慣れないものを初めて食べさせる時などは注意しましょう。

また内服薬などでアレルギーのような症状を起こすこともあります。

嘔吐などほかの症状も出ていたら、手遅れになる前にすぐに動物病院に連れていきましょう。

 

下痢や便秘などが発生している

これらを引き起こす要因で主なものはこれらです。

  • 細菌、ウィルス、寄生虫による感染症
  • 出血性胃腸炎
  • 過敏性大腸症候群
  • 胃腸炎

それぞれ元になっている疾患を治療するのが先になります。

 

そのほかこの便が起こる要因

また、これらのほかに腸内の細菌バランスが崩れたことで出てくることがあります。

腸内には細菌叢(フローラ)というものがあり、健康なワンちゃんの腸には3種のフローラがバランスよく存在しています。

  • 腸を守る善玉菌:乳酸菌・ビフィズス菌ほか
  • 腸に悪い影響をおよぼす悪玉菌
  • どちらにも成り得る日和見菌

これらがストレスや疾患によってバランスを崩すと、軟便や下痢の原因となり出されることがあるのです。

そして、異物の誤飲誤食もまた要因となることがあり、小さなものであれば腸まで運ばれて、それによって傷つけられることがあります。

 

便の硬さと色はどうなの?

正常とされるウンチは一般に、持ち上げることができて茶色や黄土色であるとされています。

それより柔らかい軟便や下痢は何らかの異変が起きているので直ぐに診察が必要です。

また、色についてはそれぞれ下記のような誘因があります。

  • 茶褐色や深緑色:脂肪の多く含まれた食事を食べた
  • 白色:膵臓などからの消化酵素が不足している
  • 黒色:胃・十二指腸・小腸で出血している
  • 赤色:鮮血ならば直腸や肛門の周りから出血している

いずれにしてもいつもと違う色のウンチが出て、心当たりがないのなら診察してもらいましょう。

 

出たのを見た後に気をつけてあげること

1度きりだけで様子を見ている際は安静が基本です。

その上でこれらのケアをしてあげてくださいね。

 

お腹を冷やさない

腹巻などをしてお腹を温めてあげると良いでしょう。

夏場でもエアコンの冷風が直接当たったりすると胃腸の調子を崩す事がありますし、冷えた床の上で寝ることも良くありません。

 

胃腸を休ませる

この便が見られたらその日は消化しやすいものを食べさせるようにしましょう。

いつもドライフードならばお湯をかけたりして、柔らかく温かくしてあげると良いですね。

野菜スープも良いですが、野菜や少量にして繊維質を少なく、細かく刻んで消化しやすくしてあげてください。

 

硬いオヤツは与えない

ビスケットやジャーキーなどのオヤツも硬いまま与えないようにしましょう。

硬いまま腸まで届くと腸内を傷つけることがあります。

 

この便を出さないようにするには?

腸を守るためにふだんから意識しておくことを紹介します。

 

食事の食べ過ぎと誤飲誤食に気をつける

これらは飼い主さんの責任で注意することですね。

どのような食品でも与え過ぎないようにして、ワンちゃんが口にしてはいけない物をきちんと管理しておきましょう。

また、人が食べるものをむやみやたらと与えないことも大切です。

ワンちゃんには専用のものを与えるようにしてくださいね。

 

腸内環境を整える

腸内細菌叢を整えることも大切です。

ビオフェルミンやミヤリサンなどの整腸剤をふだんから飲ませておくと良いでしょう。

また乳酸菌やビフィズス菌入りのサプリメントなども毎日与えるのもおすすめです。

ただしこれらについても専用のものを与えることが肝心で、人用のものは絶対に与えないようにしてくださいね。

 

短鎖脂肪酸を摂る

これは腸内でビフィズス菌がオリゴ糖や水溶性食物繊維を発酵させてつくる脂肪酸の一種で、殺菌や静菌作用があるとされています。

この脂肪酸によって腸内の細菌感染を防ぐバリア機能が強力になるので、積極的に摂取したいですね。

細菌ではこの短鎖脂肪酸を含むサプリメントが出回っていて、簡単に与えることができますよ。

またこの原料となる水溶性食物繊維とオリゴ糖を含む主な食品は以下の通りです。

  • 海藻
  • コンニャク
  • ゴボウ
  • 納豆
  • ハチミツ
  • 完熟した果物

これらをビフィズス菌が含まれるサプリやヨーグルトと食べさせると効果的ですね。

ただし、与え過ぎと与え方には注意してください。

 

犬の粘膜便って危険?粘膜便を繰り返す時や血が混じる場合の対処法・まとめ

犬の粘膜便のゼリー状の付着物は大腸から剥がれた粘膜・粘液で、たまに見かける程度であれば、心配なく様子をみるだけで大丈夫であることがわかりました。

しかし、愛犬が粘膜便を繰り返し出している時や、血が付いているような時には大腸に異変が起きているので、直ぐに動物病院に連れていかなくてはなりません。

これらのことから、粘膜便が愛犬の大腸の調子を見るバロメーターとして活用できることもわかったので、これからは毎日、愛犬のウンチをじっくり観察してみましょう。

愛犬の胃腸の調子が手に取るようにわかるようになれば、きっといつまでも元気で一緒に暮らしていけることでしょう。

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