【獣医師監修】犬は穴子を食べても大丈夫?ウナギに劣らない魅力!

犬 穴子 食べる アナゴ あなご
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犬 穴子 食べる アナゴ あなご

ウナギのような見た目だが、脂はやや控えめで淡白な味わいが特徴の「穴子」。

寿司ネタや天ぷらでもお馴染みの非常にポピュラーな食材だ。

栄養面でも、DHAやEPA、ビタミンA・E・Dなど、ウナギに負けない程の高い栄養価を持っていながら、意外にもカロリーは低く女性にも好まれやすい食材でもある。

もちろん、これらの成分は犬にとっても害があるどころか嬉しい栄養素でもあるため、犬には問題なく与えることができる食材だ。

今回は、そんな穴子の魅力や栄養、与え方のポイントなどをご紹介していこう。

【獣医師監修】班目美紀

専門家 監修
麻布大学獣医学部獣医学科卒。現在は動物病院で小動物臨床獣医師として勤務。

 

犬にとっても嬉しい!穴子の驚くべき栄養

犬 穴子 食べる アナゴ あなご

穴子はウナギ目アナゴ科に属する魚類の総称。

ウナギとよく似ているが、海で産卵・孵化を行い、淡水にさかのぼってくるウナギと異なり、海で一生を過ごす。

穴子といっても150種類以上が存在しているが、ここでは食用として利用される「真穴子」について紹介する。

 

DHA(ドコサヘキサエン酸)

DHAは、脳や網膜などの組織を構成する成分でもあることから、脳の健康を維持して学習能力や記憶能力の向上、目の網膜や視神経での情報伝達の円滑、視覚回復のサポートなどにも期待がもてる。

また、高齢犬の認知症予防にも効果があるといわれている。

 

 

EPA(エイコサペンタエン酸)

DHA、EPAは共に「オメガ3系高度不飽和脂肪酸」という栄養素であり、科学的な構造も似ているため同じ効果を示すことがあるという。

EPAの主な働きは、血液中の善玉コレステロールを増やしてくれる作用がある。血管・血液の健康維持には重要な成分であり、血栓を予防してくれる効果があるとされている。

 

 

ビタミンA

含有量は魚介類の中でもトップクラス。

ビタミンAは、動物由来のレチノールと、植物由来のβカロテンに区別される。穴子に含まれるビタミンAはレチノールに区別され、活性化ビタミンであるため体内で変換する必要がない。

また、脂溶性であるため、油と一緒に調理することで体内での吸収率が高まるという特徴も併せ持っている。

 

ビタミンAには粘膜を強く丈夫にする作用があることから、目・口・鼻・喉・皮膚などの健康維持をサポートしてくれる。また、体を酸化から守ってくれる抗酸化作用をもち、ガンの抑制効果もあるとされている嬉しい栄養素だ。

 

 

ビタミンE

ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれ、アンチエイジング効果が期待できる栄養素である。

高い抗酸化作用があり、血流を良くするのに効果的なようなので老化防止に有効とされる。

 

 

カルシウム+ビタミンD

カルシウムは100gあたり75mgと多く含み、且つ、カルシウムの吸収を上げるビタミンDも穴子には含まれている。

カルシウムは言わずとしれた骨の成育に関わる栄養素。骨や歯を丈夫にして骨粗鬆症の予防に有効と言われているので、手作り食をメインで作っている方は意識して摂りたい成分。

 

気になる穴子のカロリーは?

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穴子はよく比較対象とされるウナギに比べると栄養価は劣ってしまう。しかし、ウナギに比べカロリーは低く、脂質はウナギのほぼ半分以下なので、カロリーや油脂を気に掛けている飼い主さんにとっては嬉しい食材だ。

 

※いずれも100gあたりの数値

  • 穴子(蒸し)・・・194kcal
  • うなぎの蒲焼き・・・293kcal
  • うなぎの白焼き・・・331kcal

 

やはりウナギは脂が多いだけあってカロリーが高め。一方の穴子は脂が少ない分、カロリーは低いようだ。

ただし、ここで少し気をつけなくてはいけないのが、これはあくまでウナギと比較した場合ということ。

他の白身魚と比べると、鱈(タラ)/77kcal、鮭(サケ)/133kcal、鯛(タイ)/177kcalと、穴子は白身魚の中でもカロリーは高めなので、与える量には注意したい。

 

タレ付きの穴子は与えても大丈夫?

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一般的にスーパーなどで手に入るのは「白焼き」や「蒲焼き」にされた状態で販売されているものが多い。

白焼きの場合は、穴子に調味料やタレ、油などをつけず直火焼きする調理法を用いているので、余計な味付けがない分安心して犬に与えられるのだが、タレがついている蒲焼きは別物。

 

濃口醤油、みりん、砂糖、酒などを混ぜ合わせた濃厚なタレをつけて焼いているため、このままの状態で与えてしまうと塩分や糖分の過剰摂取になってしまうので注意が必要だ。

 

タレつきの蒲焼きを扱う場合は、事前に流水でタレを洗い流し、沸騰したお湯で茹でてから与えるようにしよう。

ひと手間加えることにより、タレの塩分や糖分は抜けて犬も安心して食べることができるので、是非お試しを。

 

 

さいごに

犬 穴子 食べる アナゴ あなご

穴子の旬は、6~8月。

この時期の穴子は身の脂肪が少なくさっぱりした味わいが特徴ではあるが、逆に脂がのる冬の穴子を旬として好む人もいるようだ。

ウナギに比べて安価でありながらも、栄養価も高く、食べやすく美味しい。知れば知るほど、魅力あふれる食材だ。

1年に2回ほどある穴子の旬。ぜひ愛犬と一緒に夏場の穴子と冬場の穴子を食べ比べてみてほしい。

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