犬も皮膚の疾患やストレスなどで円形脱毛症ができるようになります。
人ならば頭の毛髪に現れますが、犬は全身に体毛があってどこにでも起こります。
部分的に毛が抜けるということはその部分に何らかの誘因があり、かゆみや痛みを伴うことが多く、舐めたり噛んだりすることで皮膚を傷つけてしまいます。
やがてそこにカサブタができ、それを気にしてカサブタを取ってしまいさらに悪化する悪循環に陥り、どんどんハゲが拡がっていくようになります。
やがて広範囲で毛が抜け落ちて、まるで「因幡の白兎」のようなかわいそうな姿になるかもしれません。
毛が抜け落ちてしまう原因はさまざまありますが、いずれも飼い主さんが日々気づかってしっかりケアすることで防ぐことができるとされています。
ワンちゃんはモフモフの毛並みが魅力ですので、いつもきれいにしてあげましょう。
かわいいワンちゃんをハゲだらけにしないようにするために、犬の円形脱毛症からカサブタができる仕組みとその予防や治療方法をご紹介します。
Contents
犬に脱毛が起こるのはなぜ?
杏(🐶)があちこち円形脱毛症に
娘からのLINE
今まで留守番まったり犬人間大好きなのに
皆が家にいるので
一人一人の行動の物音に
異常に怯えている💦
ビビりな性格ゆえか・・
今は塗り薬で対処していると早くコロナが終わって
皆がお出かけすればいいのに
by 杏
預かった時の杏 pic.twitter.com/yUQ87YWynV— みつこ (@70kokikoki) May 2, 2020
犬の毛が抜けるのにはさまざまな理由があります。
換毛期
犬の毛は人同じで毎日の様に抜けては生え替わりますが、特に春と秋には夏毛と冬毛が入れ替わるので特に毛が抜ける季節です。
この抜け毛自体は自然のことなので心配はありませんが、シャンプーやブラッシングを丁寧に施してあげることで病気を予防することができますよ。
特に毛が抜けるダブルコートの犬種は、ミニチュア・ダックスフンド、ポメラニアン、チワワ、レトリーバー、柴犬、秋田犬などです。
栄養の不足
犬の毛が伸びる、あるいは簡単に抜け落ちないようにするには毛を育てる栄養素をしっかり摂ることが大切です。
それは毛の細胞増殖を促す亜鉛やビタミン類、毛を構成するアミノ酸類、そして皮膚のうるおいを保つための必須脂肪酸などがあげられます。
これらの栄養素のうちのどれが足りなくなくとも元気な体毛を作ることができなくなります。
ストレス
人の場合はある日ふと気がついたら10円玉みたいなハゲができていたりしますが、犬は自分の身体の同じ部分(太もも、足先)を舐め続けて毛が抜けます。
さらにはイライラが高じて体毛を自分でむしり取ってしまい、ハゲを作ってしまいます。
老化
犬の体毛も人間の毛髪と同じで、年を取ると細くなって薄くなることがあります。
また皮膚もかさかさに乾燥しがちとなり、うるおいがなくなることで体毛が抜けやすくなります。
皮膚疾患
アトピー性皮膚炎にかかるとかゆみが強く、犬がかきむしるため毛が抜け落ちます。
感染症ではカビや細菌によって毛根部分などに炎症が起こり、湿疹ができて膿が出るなどしてジクジクして、カサブタができたりします。
全身疾患
アレルギーによるもの、ホルモンバランスが崩れて起こるものや遺伝による疾患などが誘因です。
犬の抜け毛に気づいたら
我が家の犬はほっぺに円形脱毛症。なおらなそ。 pic.twitter.com/jPUPIiqbik
— ひよこ (@k1k1nyagutakumi) April 5, 2016
ハゲが拡がらないようにするには抜け毛の原因を知って対処しなければなりません。
まずは獣医さんに状況を伝えて、一緒に原因を探していきましょう。
検査のほかに大事なのは、抜け始めた時期や背景、愛犬の行動などについての情報です。
そのほかの家庭環境などについてもできるだけ詳しく伝えてください。
そして、抜け毛の原因が何であるかがわかったら早めに対策をうちましょう。
換毛期や老化からの抜け毛でしたら、特別な処置は必要がないので心配はありません。
毎日のブラッシングやシャンプーなどのケアをきちんとしてあげることで皮膚を健康に保ってあげれば大丈夫ですよ。
また獣医さんから栄養不足を指摘されたなら、タンパク質やビタミン類、脂質などの育毛に必要な栄養素を食事に積極的に取り込んであげてくださいね。
ただし、いずれも偏り過ぎないようにして、バランスの良い食事を与えることが大切です。
また、ストレスが抜け毛の誘因であれば、それを解消してあげるのが一番の解決方法です。
獣医さんと相談しながら原因を探し出して対処してあげてくださいね。
犬に脱毛症を起こす感染症
1歳と少しのちいさなカラダ。4箇所に3回の手術。生後2か月から不自由な生活。感染症で犬や猫と遊べない。首にずっとカラー。毛を半分くらい刈られて右の脇腹に皮膚が壊死した箇所。なのにどうしていつも太陽みたいに朗らかなの。君は強い。わたしなんかより。それでも君が生きる手伝いをしたいんだ。 pic.twitter.com/RrltuEOGb9
— Animal Rescue SHIROCURO (@SHIROCURO2018) July 1, 2020
細菌やカビによって炎症が起き、かゆみを生じることで犬がかきむしるため毛が抜けてしまいます。
膿皮症
細菌が増殖することで起こり、強い痒みが起こります。
身体全体に湿疹、赤み、カサブタ、フケが出ます。
いろいろな犬種に見られますが、ジャーマン・シェパードやブルテリアで症状が重くなることがあるとされています。
マラセチア皮膚炎
カビの一種「マラセチア」が増殖して、身体中に痒みと赤み、皮膚肥厚、色素沈着などが起きて独特の匂いを発します。
ウェストハイランド・ホワイト・テリアやシーズー、アメリカン・コッカー・スパニエル、柴犬などに見られます。
皮膚糸状菌症
糸状菌というカビによって引き起こされ、頭や足先に軽いかゆみとフケや赤みが出ます。
ヨークシャー・テリアなどではまれに重症化するとされています。
ニキビダニ症
このダニは犬の皮膚に常在しておりますが急に増えて、強いかゆみを起こします。
犬種にかかわらず、子犬や発情期のメス、老犬に多く見られるとされています。
犬の脱毛症を誘発するアレルギー性の疾患
犬がアレルギーで脱毛激しくしばらく養生してたんだけど、最近ようやく治療が一応終わり、元気になって毛が生え始めたのでよかった pic.twitter.com/PiTLudnP0O
— 谷地(ほぼ猫) (@mizuyoukan214) August 14, 2015
アレルギーによるかゆみは全身に拡がることがあります。
食物によるアレルギー
あるタンパク質がアレルゲンとなって起こり、目や口の周囲に強いかゆみが発生して全身に拡がる場合があります。
1歳より若い犬に多いとされています。
アトピー性皮膚炎
さまざまなアレルゲンによって引き起こされ、やはり全身に強いかゆみを起こします。
生後6か月ごろから発症して3歳ごろまでの間に見られます。
犬の脱毛症を誘発するホルモン性疾患
🐕犬の尻穴注意🐕
先住ポメラニアンは原因不明の脱毛(アロペシアX疑い)が進んでお尻つるつるになってたんだけど、先日ようやく疑っていたT4(甲状腺ホルモン)の低下が確認されて治療開始。2週間で明らかに元気になったしすんごい毛が生えてきた! pic.twitter.com/a1dxc0xyXl— あきらニアン 🍥 (@akicanis) October 16, 2020
ホルモンのバランスが崩れることで、シンメトリーに抜け毛が起こることが特徴です。
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
副腎機能が過剰になって起こりますが、かゆみは少ないとされています。
どちらかというと中高年に達した犬に多いとされています。
甲状腺機能低下症
甲状腺の働きが悪くなることで起こります。
こちらもまたかゆみは少なく、中高年犬に見られます。
犬の脱毛を誘発する遺伝性疾患
脱毛犬 pic.twitter.com/BQ7OJl8oU6
— 柴犬サノス (@shibainUBW) November 9, 2020
淡色被毛脱毛
薄い色の体毛の老犬に多いとされていて、薄い色の毛だけが抜けてかゆみなどはありません。
黒色被毛形成以上
多色の体毛を持つ老犬に起こりやすく、かゆみはなく黒い色の毛だけが抜けるとされています。
パターン脱毛症
お腹の毛だけがシンメトリーに抜けますが、かゆみはなく赤みも出ません。
チワワやミニチュア・ダックスフンド、ミニチュア・ピンシャーの若い犬に多いとされています。
脱毛X
この抜け毛ははっきりわかっておらず、「アロペシアX」という別名があります。
頭と足の毛を除く身体全体の毛が抜けて、なかなか治りにくいとされています。
特にポメラニアンに多く見られ、ほかにパピヨン、トイ・プードル、チワワなどでの若い犬や去勢をしていないオスに多いとされています。
犬の脱毛症でカサブタができるのはなぜ?
花子さんの体中にカサブタが出てきたんだけどなった事ある人いますか?
本犬はそんなに気にしてはないけど何ヶ所もあるから気になるなあ pic.twitter.com/7UbUge0Agv— 優 (@C_H_yuu22) April 1, 2020
ブラッシングをしながら抜け毛がひどい箇所がないかを見ていると、いつの間にかカサブタがあるのを見つけることがあるでしょう。
カサブタは皮膚で出血すると、それ以上の出血を防ぐために血症板が作ってくれるフタです。
犬のカサブタは、虫刺されやケガ、あるいは手術などによる外傷によって出血し、そこで血小板が固まることで作られます。
また、皮膚で炎症が起きると、かゆみやジクジクした膿が生じます。
それを気にする犬が舐めたり噛んだりするほかに、足で引っかいてかき崩したりすることで出血するようになりカサブタができます。
犬の脱毛症にできたカサブタをはがしてもいいの?
先週末に獣医さんから分けてもらったクレンジングオイルでシャンプー♪
カサブタを無理なく剥いだらモフって来たから見て!!😆✨ pic.twitter.com/IX2042DLDr— 秋田犬『定春』 (@akita_sadaharu) April 17, 2021
犬の身体に脱毛とカサブタを見つけた際には、無理にはがしてはいけません。
誘因となった疾患が治ればカサブタは自然に固まってはがれ落ちます。
その前にはがしたために傷の治りが悪くなることがあるので、そのままにしておきましょう。
もしワンちゃんが気にして舐めてはがしてしまいそうであれば、エリザベスカラーなどを装着して舐めさせないようにして自然治癒できるようにしてあげてくださいね。
ただし、カサブタによっては動物病院で、早めにはがしてもらう方が良いものもあります。
カサブタの裏側が化膿しているような時は悪い病気が隠れている恐れがあります。
ずっとジクジクしているカサブタを見つけたら、獣医さんに診てもらっておいた方が良いでしょう。
犬が円形脱毛症になった!?かさぶたや治療方法をご紹介・まとめ
杏(🐶)があちこち円形脱毛症に
娘からのLINE
今まで留守番まったり犬人間大好きなのに
皆が家にいるので
一人一人の行動の物音に
異常に怯えている💦
ビビりな性格ゆえか・・
今は塗り薬で対処していると早くコロナが終わって
皆がお出かけすればいいのに
by 杏
預かった時の杏 pic.twitter.com/yUQ87YWynV— みつこ (@70kokikoki) May 2, 2020
犬は体毛におおわれているので人と違って皮膚の疾患を見つけることが難しい生き物です。
しかし、その体毛がとっても大切であり、抜け落ちてしまうことで身体に悪影響が出てしまいます。
人と同じ円形脱毛症にもなりますし、もっと広い範囲で抜けてしまうこともあるのです。
愛犬に円形脱毛症を見つけたら、獣医さんに相談をしてその原因を探り治療するようにしてあげてくださいね。
ただし、ひとつだけ飼い主さんに気をつけてもらいたいことがあります。
犬の円形脱毛症に人用の塗り薬を使ってはいけません。
人と犬の皮膚が違いますので、薬によっては効果よりも副作用が強く出てしまうかもしれませんし、場合によると症状がさらに悪化してしまうかもしれませんよ。
愛犬が脱毛してしまった、あるいはカサブタができている、そのような時には専門家である獣医さんに相談して対応するようにしてくださいね。